真田の城下町から「ラピュタ」のような無人島まで 「ひとりでも訪ねたい町」7選

真田の城下町から「ラピュタ」のような無人島まで 「ひとりでも訪ねたい町」7選

復元された松代城跡の太鼓門前橋。

ひとり旅だからこそ楽しめる、風情ある町並みや厳かな雰囲気の古刹。ここでは、そんな歴史の舞台から幻想的な無人島まで、ひとりでも訪ねたくなる7か所をピックアップしました。

松代の新名物「杏おこわ」を味わおう

【本記事は、旅行読売出版社の協力を得て、『旅行読売』2016年11月号に掲載された特集「時にはわがまま ひとり旅」の一部記事を再構成したものです】

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 誰に気遣うことのないひとり旅だから、目的地もコースも自分しだい。風情ある小路をそぞろ歩き。町の人たちと触れ合う時間も楽しい。すぐに出かけたい町を紹介します。

松代(長野・長野市) 真田十万石の城下町の面影を訪ね歩く

 2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」。大阪夏の陣の後、真田信繁(幸村)の兄・信之が移封されたのが松代藩。以降、10代250年にわたり真田家がこの地を治めてきた。その時代の遺構が残り、歴史散歩を楽しむにはうってつけだ。

 真田邸(新御殿)は9代藩主真田幸教(ゆきのり)が建築した住居で、主屋と表門、7棟の土蔵、庭園が残る御殿建築。隣接して真田家の武具や調度品、書画などを展示した真田宝物館、江戸後期創設の松代藩文武学校(3館共通800円)がある。

 散策の途中には、特産のアンズを使った松代の新名物の杏おこわを味わおう。

 貴重な戦争遺跡、象山地下壕も必見だ。堅い岩盤地帯に碁盤の目のように全長5.8kmの地下壕が掘り抜かれている。第二次世界大戦の末期、軍部が本土決戦に備え、大本営、政府各省などをこの地下に移そうと建設したもの。労働者たちの苦役にも思いを寄せ、戦争について考えたい。

・アクセス:北陸新幹線長野駅から松代高校行きバス30分、松代駅下車
・問い合わせ:松代観光案内所 電話026・290・6400
●宿情報
・松代荘(松代温泉)1泊2食9980円〜/電話026・278・2596
・信州松代ロイヤルホテル(松代温泉)1泊2食1万8564円〜/電話026・278・1811

松島(宮城・松島町) 紅葉の庭園と旬のカキを味わう

 日本三景の一つの松島は、遊覧船での島巡りが定石。各種コースがあり、ひとり旅でも、アナウンスを聞きながら美しい景観を堪能できる。

 瑞巌寺(拝観700円)は、本堂の修復工事が終わり、2016年4月から拝観が再開された。各間の襖絵は見応えがある。

 瑞巌寺の隣、円通院(拝観300円)は紅葉の名所として知られる。境内には石庭などの庭園や縁結び観音などがあり散策も楽しみ。天然石やプラスチック、ガラス玉の数珠作り体験(約20分、1000円〜)もでき、女性に人気だ。

 味覚は、10月〜3月が旬のカキ。カウンター席のある「旬海」でかき丼(1400円)などが味わえるほか、福浦橋の北東付近で殻付きカキが食べ放題のかき小屋が季節限定でオープンする。

・アクセス:東北新幹線仙台駅から仙石線快速25分、松島海岸駅下車
・問い合わせ:松島観光協会 電話022・354・2618
●宿情報
・ホテル絶景の館(松島温泉)1泊2食1万2150円〜/電話022・354・3851
・ホテル壮観(松島温泉)1泊2食1万950円〜/電話022・354・2181

柳並木や酒蔵を眺めながら、舟でのんびりと

七尾(石川・七尾市) 歴史ある商店街で語り部に聞く

 能登半島の中央に位置する七尾市。七尾駅から徒歩5分、仙対橋を渡った所から始まる一本杉通りは、600年以上の歴史があり、石畳の道が450m続く。商店街には趣のある店舗が立ち並び、明治期に立てられた鳥居醤油店や高澤ろうそく店の土蔵造り、昭和初期のモダンな建築の旧上野啓文堂などの文化財も点在。

「語り部処」の商店では、主人や女将らが七尾弁でさまざまな話をしてくれ、散策しながら地元の人との触れ合いを感じられる。

 輪島塗や加賀友禅をイメージした七尾線の観光列車「花嫁のれん」が、金曜〜日曜と祝日を中心に金沢と和倉温泉の間を運行している。

 宿泊は七尾湾に面した和倉温泉へ。ひとり泊の宿もある。地元出身の世界的パティシエによるミュージアム&カフェ辻口博啓美術館 ル ミュゼドゥ アッシュをはじめ、スイーツ巡りも楽しめる。

・アクセス:北陸新幹線金沢駅から七尾線特急50分、七尾駅下車
・問い合わせ:七尾市観光協会 電話0767・53・8424
●宿情報
・ゆけむりの宿 美湾荘(和倉温泉)1泊2食1万9590円〜/電話0767・62・2323
・お宿すず花(和倉温泉)1泊2食1万734円〜/電話0767・62・2420

伏見(京都・伏見区) 十石舟で巡る酒蔵群と古刹

 2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」でも話題になった伏見城の城下町として、また酒どころとしても知られる伏見。伏見桃山エリアは、幕末に騒動の舞台となった寺田屋をはじめ、歴史を感じさせる史跡が多い。

 河川の港町として栄えた伏見をのんびりと巡るなら十石舟(1200円)がおすすめ。屋形船仕様の遊覧船で約1時間かけ疎水を往復する。柳並木や酒蔵などを見上げながら水辺の情緒が味わえる。

 伏見には約2km四方に今も20〜30軒もの酒蔵が残り、酒蔵独特の白壁土蔵の町並みは、散策にも最適。月桂冠大倉記念館(300円、土産付き)では展示室の見学や利き酒ができる。

 全国の稲荷神社の総本山、伏見稲荷大社は朱塗りの重厚な楼門、本殿などが立ち、ずらりと林立する千本鳥居が壮観だ。大社周辺には神社仏閣、史跡などが点在。門前町としての風情が残る。

・アクセス:京都駅から奈良線5分で稲荷駅、同12分で桃山駅
・問い合わせ:伏見観光協会 電話075・622・8758
●宿情報
・アーバンイン伏見素泊まり6700円〜/電話075・602・0100
・ゲストハウス ベル伏見素泊まり4500円〜/電話075・606・2068

かつて一般人は立入禁止だった島、いまは「ラピュタ」に?

宇陀松山(奈良・宇陀市) 日本家屋の町並み博物館を歩く

 奈良県北東部、吉野山に近く、大和高原にある宇陀松山は、古来より交通の要衝として発達した。江戸時代から昭和まで、それぞれ家ごとに違う時代の特徴を示す町並みは、約17ヘクタールが国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。歴史に思いをはせながら、ひとり静かに町歩きを楽しみたい。

 西端を南北に宇陀川が流れ、川と並行する国道370号の沿線約1.5kmの区間に、格子戸と虫籠窓がある江戸末期建立の竹田家住宅や大正期の洋館、旧福田医院など百数十軒の伝統的な建物が立ち並ぶ。今も住民が住んでいるのでほとんどが非公開だが、旧細川家住宅の大宇陀歴史文化館「薬の館」(300円)や旧内藤家のまちづくりセンター千軒舎は内部を公開している。

 古民家を利用したカフェ・エクボでは、ランチや米粉のパンなどが味わえ、散策の休憩にぴったりだ。

・アクセス:京都駅から近鉄京都線特急50分の大和八木駅で近鉄大阪線に乗り換え20分、榛原駅下車。大宇陀行きバス20分、終点下車
・問い合わせ:宇陀市観光案内所うだ観処 電話0745・88・9049
●宿情報
・保養センター美榛苑(みはる温泉)1泊2食9400円〜/電話0745・82・1126
・椿寿荘(本郷温泉)1泊2食9396円〜/電話0745・83・1303

友ヶ島(和歌山・和歌山市) 「ラピュタ」のような幻想的な無人島

 友ヶ島は、和歌山市加太の沖合、紀淡海峡に浮かぶ地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の各無人島の総称。観光の中心となるのは沖ノ島だ。

 加太港と沖ノ島を結ぶ定期航路があり、船で20分。かつては旧日本軍の軍用地として使用され、一般人の立ち入りは禁止されていた。島内の歩道のほとんどがかつての軍用道路で、現在も6か所の砲台跡、弾薬庫、旧海軍聴音所跡など、戦争の遺構が残っている。その景観がスタジオジブリのアニメ映画「天空の城ラピュタ」の世界観を彷彿させると人気を呼んでいる。

 当時の未舗装の歩道を利用し、砲台跡や友ヶ島灯台、展望台などを巡る3.3kmのコースと、沖ノ島の北東に連なり、引き潮の時に渡れる虎島を含めた6.1kmのコースが整備されている。島中央部の深蛇池(しんじゃいけ)には湿地帯植物が群生し、約400種の植物を見ることもできる。

・アクセス:難波駅から南海線特急1時間の和歌山市駅で普通列車に乗り換え25分、加太駅下車、徒歩20分で友ヶ島行き乗船場。友ヶ島汽船に乗り20分で、友ヶ島・野奈浦桟橋
・問い合わせ:和歌山市観光協会 電話073・433・8118
●宿情報
・休暇村紀州加太(加太淡嶋温泉)1泊2食1万2680円〜/電話073・459・0321
・シーサイドホテル加太海月(加太温泉)1泊2食2万670円〜/電話073・459・0015

漱石お気に入りの温泉へ 愛用の部屋も当時のまま

松山(愛媛・松山市) 明治の文豪ゆかりの施設を訪ねる

 2016年は小説「坊っちゃん」の発表から110年目であり、作者の夏目漱石の没後100年にあたる。その舞台が松山。漱石と交遊のあった正岡子規、軍人の秋山好古、真之兄弟も松山出身だ。

 この3人を主人公にした司馬遼太郎の長編小説の名を冠した坂の上の雲ミュージアム(400円)は、3人の足跡と明治の資料を展示している。子規と漱石が同居した愚陀佛庵(ぐだぶつあん)の一部を復元、展示した子規記念博物館(400円)や子規堂(50円)と合わせて巡るのもいい。

 漱石もお気に入りだった道後温泉本館(410円〜)は、入母屋造りの大屋根の上に振鷺閣(しんろかく)という塔屋を載せた、木造三層楼の共同浴場。漱石愛用の部屋は「坊っちゃんの間」として当時のまま残り、見学できる。1894年竣工の湯船につかりながら、近代日本に思いをはせたい。

・アクセス:山陽新幹線岡山駅から宇野線・予讃線特急1時間45分、松山駅下車
・問い合わせ:松山観光コンベンション協会 電話089・935・7511
●宿情報
・道後の宿 葛城(道後温泉)1泊2食1万3380円〜/電話089・931・5141
・ホテル椿館別館(道後温泉)1泊2食1万3380円〜/電話089・987・6006

・旅行読売(Fujisan.co.jp)
http://www.fujisan.co.jp/product/2782/ap-norimono

【写真】広大な真田邸

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