「農道」って何? 大型車の通行も想定した広い道も 一般の道路とのちがいとは

「農道」って何? 大型車の通行も想定した広い道も 一般の道路とのちがいとは

「農耕車優先」と掲示されている農道のイメージ(画像:photolibrary)。

「農道」というと田んぼのなかの砂利道などを想像するかもしれませんが、なかには複数の市町村にまたがり、一般の自動車が快適に走れる道路も存在します。そもそも「農道」とはどのような道路なのでしょうか?

主目的は「農業利用」 利用シーンはいろいろ

「農道」というと、田んぼのなかの砂利道などを想像するかもしれませんが、なかには「広域農道」と呼ばれ、片側1車線以上が確保されクルマが快適に走れるような道路もあります。こうした道路では、「農道」であることが示されていたり、「農耕車優先」と書かれていたりすることもあります。

 たとえば現在、神奈川県が建設している小田原市、真鶴町、湯河原町の山間丘陵部の樹地帯を通る広域農道「小田原湯河原線」は、「農業生産や農産物の流通」や「観光農業の推進、観光資源へのアクセス改善」のほか、「災害時等における国道の迂回路としての効果が期待されている」などとうたわれてます。いまある国道のバイパスとしての役割も期待されているというものですが、そもそも農道は一般的な道路と何がちがうのでしょうか。神奈川県西地域県政総合センター 広域農道課に聞きました。

――農道とはどのような道路なのでしょうか?

 土地改良法に基づき、農業利用をおもな目的とした道路です。一般的な道路とちがい、国土交通省ではなく農林水産省が所管しています。

――農道にはどのような種類があるのでしょうか?

 大きく「基幹農道」と「ほ場内農道」に区別されます(編集部注:「ほ場」は田畑や農園のこと)。前者は農業生産や農産物の流通を主とし、生活にも利用される農村地域の基幹的な農道であり、広域農道などが含まれます。後者は、ほ場への通作(農地へ通うこと)や資材搬入、農産物の搬出に利用される農道で、耕作道(農地のなかの農道)などが該当します。

――農道ではやはり農耕車優先なのでしょうか?

 いえ。農道も一般の道路と同じように道路交通法が適用されますが、同法に「農耕車優先」という規定はありません。ただ、農業利用を目的に造られているため、一般車への注意喚起として設置されている場合もあります。管理する都道府県や市町村、または地域的な事情によって考え方は異なるでしょう。また個人所有の農道でも異なります。

「農耕車優先」の「農耕車」って?

――「農耕車優先」といった看板の「農耕車」とは、どのような車両を指すのでしょうか?

 トラクターなどの低速車両のことです。「農耕車優先」という注意喚起がなされるのも、農耕車は低速であり一般車との速度差が大きいためです。

――広域農道「小田原湯河原線」はどのような道路で、一般的な道路とのちがいはあるのでしょうか?

「小田原湯河原線」は柑橘類の産地である沿道地域における農業生産の省力化、流通輸送の改善などを主目的としています。大きな道路を造ることで、収穫や出荷の労力が軽減され流通も円滑になり、営農もしやすくなります。

 構造としては地方部の県道などと同様の規格で、一般車はもちろん大型車の通行も想定しています。本地区に並行する海沿いの国道135号は、慢性的に渋滞するうえ、高波や風の影響で通行止めになることもあり、農作物の輸送にも支障をきたす事態が生じています。よって、完成後には農作物の流通や地域住民の防災面としての副次的な効果も期待されています。

※ ※ ※

 農道はあくまで農業振興を目的として造られる道路ですが、必ずしもトラクターやコンバインだけでなく、幅広い種類の車両を想定したものであるようです。走るぶんには、一般の道路と変わりはないといえるでしょう。

【地図】海沿いの国道のう回路にも 「小田原湯河原線」

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