ANAの「赤ちゃんが泣かない」フライトとは? 全乗客赤ちゃん連れの飛行実験を実施(写真33枚)

ANAの「赤ちゃんが泣かない」フライトとは? 全乗客赤ちゃん連れの飛行実験を実施(写真33枚)

参加最年少の高梨颯人(はやと)くん(5か月)。モニターには「むむむっ」と表示(2017年10月1日、石津祐介撮影)。

飛行機のなかは大人でも耳が痛くなるなどしますが、赤ちゃんにとってはどのような環境なのでしょうか。ANAほか3社は、赤ちゃんが泣かないフライトを目指し、このたび飛行実験が実施されました。

4社共同「赤ちゃんが泣かない!? ヒコーキ」プロジェクトとは

 ANAは、コンビ、東レ、NTTの3社と共同で「赤ちゃんが泣かない!? ヒコーキ」プロジェクトを開始しました。安心して赤ちゃんと一緒に飛行機に搭乗してもらいたいANA、赤ちゃんグッズの開発と販売に実績のあるコンビ、生体情報のモニタリングが可能な素材を共同開発した東レとNTTが連携します。

 その第一弾として、4社グループの社員のなかで3歳未満の赤ちゃんを持つパパ、ママを対象にボランティアを募り、乗客全員が小さな子ども連れという「赤ちゃんチャーター便」を実施しました。

 フライトは成田〜宮崎間の往復で、乗客数は34組の家族に36名の赤ちゃんで計114名、チャーターされた機材には国際線仕様のボーイング767-300ERが使用されました。行き先に宮崎を選んだ理由としては、「トライアルとして本州だとフライト時間も短いので、宮崎であれば1日で往復できる距離だから」とのことです。

「周りに迷惑なのでは」少ない赤ちゃん連れのフライト利用

 小さな赤ちゃんを持つパパとママは、「子どもが機内で大泣きするんじゃないか」という不安から、飛行機による移動を避けている傾向にあるようです。ANAのデータによると、3歳未満の子どもを連れたフライトの利用は国内線で1.6%、国際線ではわずか0.8%となっています。国内線では、座席を使わない場合は無料であるにもかかわらず低い数字です。これらのことから、赤ちゃん連れのフライトには潜在的な需要があるということです。

 今回のフライトでは、コンビからベビーマグやタブレット菓子(錠菓)が提供され、マグで赤ちゃんに飲み物を飲ませたり、タブレットをなめさせたりすることで唾を出させ、飲み込む動作によって耳抜きをうながし、気圧の変化による耳痛が緩和されるかを検証しました。

 また東レとNTTは、生体情報を測定できる機能素材hitoeを赤ちゃんに装着してもらい心拍数などをチェック。そこから得られるデータを元に、赤ちゃんの状態を表す専用アプリでモニタリングを実施しました。

 今後は、今回のトライアルで得られたデータを元に分析や検証を行い、新たな製品開発に活用したいとのことでした。

いざフライト、赤ちゃんたちの反応は…?

 いざ機内に乗り込んだ赤ちゃんは、離陸時には泣く子も多くいましたが飛行が安定するとおとなしくなり、終始ご機嫌な様子の子も多く見られました。初めて飛行機に乗る赤ちゃんのパパママも「不安はありましたが、けっこう大丈夫でした」と意外とおとなしいわが子に驚いた様子でした。一方、何度も飛行機に乗った経験のある赤ちゃんは「もう、これで5回目なので全然おとなしいです」と、フライトに慣れている余裕の子も。機内ではママさん客室乗務員が赤ちゃんをあやしたり、気配りのあるサービスを行ったりしていました。

 帰りのフライトでは、赤ちゃんも疲れたのか寝ている子も多く、行きとは対象的に静かな機内でした。

 今後このプロジェクトによって「泣かないフライト」が実現すれば、利用する側も不安を抱えずに安心して赤ちゃんを乗せることができます。社会的にも意義のあるプロジェクトが立ち上がったことで、赤ちゃんを迷惑だと思う乗客の意識も変わるのではないしょうか。

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