『A列車で行こう9』を旅する 鎌倉編:江ノ電と小田急藤沢駅を再現してみた

『A列車で行こう9』を旅する 鎌倉編:江ノ電と小田急藤沢駅を再現してみた

『A列車で行こうExp.』は『A列車で行こう9』のPS4版? 車両がたくさん追加されて、正直、うらやましい。

鉄道会社経営シミュレーションゲーム『A列車で行こう9』で、日本の鉄道風景を再現してみます。今回は鎌倉編。江ノ電の12分ネットダイヤ、小田急藤沢駅のスイッチバックなど、見どころが多い地域です。

PS4版『A列車で行こうExp.(エクスプレス)』発売記念!?

 アートディンクは2017年9月28日(木)、「プレイステーション4」(PS4)専用ソフト『A列車で行こうExp.(エクスプレス)』を発表しました。「PS4」の描画力と大画面テレビの組み合わせで、鉄道会社経営ゲームを楽しめます。すばらしいです。

 しかし、Windows版『A列車で行こう9』のガイドブックを作った筆者(杉山淳一:鉄道ライター)としては、なぜか対抗心を燃やしてしまいました。『A列車で行こう9』だっておもしろいぞ、まだまだいけるぞ、と。そこで、久しぶりにゲーミング用PCを起動して、マップ作りを始めました。

『A列車で行こう9』は鉄道会社経営シミュレーションゲームです。しかし、収録されたマップを経営するゲームモードと同じくらい、オリジナルマップ作りが楽しいゲームでもあります。ガイドブックの表紙のマップも筆者が作りました。東京の浅草、北千住界隈だったり、北海道の函館付近だったり……。PS4版の美しい画面を見て対抗心を燃やし、マップ製作魂に火がついたのです。

「もしも……」という世界観も『A列車』のおもしろさ

 今回は、鎌倉、江の島あたりを再現しました。さて、こんな風景はいかがでしょうか。

『A列車で行こう9』には江ノ島電鉄の車両がありません。そこで、東急世田谷線の300系電車で代用しています。江ノ島電鉄には世田谷線の前身である玉電の車両が譲渡された歴史もありますから、「もしも……」という世界観ですね。これもゲームのおもしろさです。

 実際の地形をマップにするまでを詳しく紹介します。まずは地域選び。実際に見たことがある風景、旅して印象に残った風景がある地域を選びましょう。自宅の近所でもOKです。とくに上記のような印象の強い場所をいくつか想定して、そこを作り込んでいきます。『A列車で行こう9』のマップは広く、駅の数やポイントなどの使用量にも限りがあるため、全体を作り込むというより、見せ場をいくつか用意して集中的に作業します。

 地域が決まったら、地形を作ります。国土地理院の電子地図などを参考にして、ゲームマップと同じ広さである10km×10kmの場所を選びます。まず海岸線、川、山の位置をマップに模写していきます。鎌倉マップの場合、江ノ島を強調して大きくし、街を作るという遊び方もアリです。海岸線もピッタリ同じにする必要もありません。ただし、あとでつじつまが合わず気になるかもしれません。なるべく現実の地形に近いほうが、かえってラクです。

 筆者の場合、10km×10kmで電子地図を切り取り、描画ソフトなどでマス目を描きます。このマス目は『A列車で行こう9』のマップコンストラクションモードで表示されるマス目に。続いて、マス目の線に合わせて線路を敷きます。ゲームオプションの「グリッド表示」は細かすぎるため、線路で代用するわけです。

 こうすれば、海岸線が変化する位置、島や川、山を座標で捉えやすくなります。補助線代わりの線路は、地形が確定したら撤去しましょう。次に、駅と、あらためて線路を描いていきます。ここからは遊び方によって、再現度を変えます。実際の風景を重視するなら、線路の位置を正しくすべて配置。ゲーム性を重視するなら、線路は設置しないで、ゲームモードで線路を敷いて遊べるように配慮します。

江ノ電の12分間隔ダイヤ、小田急の藤沢駅スイッチバックなどを再現

 今回はなるべく再現性を重視しました。それでは鎌倉・江の島マップの見どころをご紹介しましょう。

 江ノ島電鉄です。このマップでは藤沢駅から鎌倉駅まで、全区間が入りました。電車の編成が短いため、駅は藤沢駅、鎌倉駅を除いて電停を使います。惜しいところは江ノ島〜腰越間の併用軌道(路面電車)区間です。ゲームでは線路と道路が分離し、路面電車になりません。これは『A列車で行こう10』でぜひ搭載してほしいパーツです。

 江ノ電には信号場といって、電車がすれ違うための設備があります。これは操車場(駅舎なし)を使って設置します。信号場があるおかげで、江ノ電は12分間隔の運行が可能となりました。列車ダイヤを設定して12分間隔のダイヤを組んでみましょう。パズルを解くような楽しさがあります。

 江ノ島といえば忘れてはいけない乗りもの、それは湘南モノレール。このマップでは大船駅から湘南江の島駅まで全区間を再現できます。『A列車で行こう9』にはモノレールのパーツがないため、ここは高架線路で代用しています。PC版の『A列車で行こうIV』では、高架駅の5番線からモノレールを作れました。復活してほしいですね……。

 線路配置のおもしろさとして、小田急電鉄・藤沢駅のスイッチバックはぜひ再現したいところです。『A列車で行こう9』では、小田急電鉄の通勤電車や「ロマンスカー」が収録されています。線路を敷いてみたところ、藤沢駅の配線は再現できた気がします。小田急江ノ島線は線路、車両とも再現可能。「ロマンスカー」を走らせましょう。

京急電車が鎌倉駅まで直通運転!?

 現実の片瀬江ノ島駅は改築されるそうですが、ゲームでは、改築を機に江の島本島や鎌倉方面へ延伸させてもおもしろいかもしれません。江ノ電を改良して、箱根登山鉄道のように乗り入れるなど、夢が広がります。

 JR東日本の路線は、東海道本線、根岸線、横須賀線を再現できます。見せ場としては鎌倉駅、そして鶴岡八幡宮です。神社を置き、参道も整えましょう。『A列車で行こう9』は、横須賀線のE217系電車はもちろん、湘南新宿ラインのE231系電車、E233系電車もあります。再現性の高い路線といえます。

 実際の鉄道ではできないけれど、ゲームならできる。そんな遊び方も楽しそう。JR横須賀線と京急電鉄は、実際には軌間(レールの間隔)が異なるため直通できません。しかし、京急の金沢八景駅から神武寺駅まではレールが3本並ぶ三線軌条となっていて、京急軌間(1435mm)と、JR在来線軌間(1067mm)の車両が走行可能。さらに神武寺駅からJR横須賀線の逗子駅へは、JR在来線軌間の線路がつながっています。この線路を使って相互直通運転ができたら楽しそうですね。

 江ノ電はかつて赤字ローカル線でした。赤字に加えて、路面電車区間や踏切がクルマの渋滞の原因になるとして、廃止論議もありました。しかし1976(昭和51)年に、テレビドラマのロケ地になったことがきっかけで人気が高まり、現在は観光シーズンの週末などは大混雑となっています。

 しかし、江ノ電は線路が1本の単線、車両も4両連結までという制限があり、これ以上は輸送力を増やせません。そこで、ゲームならではの発想です。思い切って地下鉄にするか、高架化して複線にしましょう。もっとも、ゲームの世界でも人口と観光客が増えて、鉄道が黒字になったら、の話ですけどね。

 いかがでしょうか。『A列車で行こう9』で街を再現する遊び。完成した街を遊んでみませんか。『A列車で行こうExp.(エクスプレス)』にもマップコンストラクションモードがありますから、この記事が参考になるかもしれません。お気に入りの街を再現してみてくださいね。

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