「住むなら東急沿線」と思わせる10の理由 「生活」を追求する路線網

「住むなら東急沿線」と思わせる10の理由 「生活」を追求する路線網

東京都と神奈川県内に鉄道路線網を持つ東急電鉄(2009年10月、恵 知仁撮影)。

東京と神奈川に通勤路線網を持つ東急電鉄は一見、地味ながらもブランド力は随一。その秘密は、グループ会社を総動員した、徹底的な住まい環境重視施策にありました。

通勤・生活路線のイメージに、「遊び心」が加わりつつある?

 東急電鉄は、伝統ある東横線と新興住宅地を貫く田園都市線を基軸とし、都内城南地区に大井町線、池上線、多摩川線、世田谷線を配した路線網を形成しています。すべての路線が通勤・通学・生活目的の路線であり、ほかの大手私鉄にあるような「看板となる有料特急列車」はありません。鉄道趣味的に捉えるとある意味、地味な印象です。

 これは東急電鉄の前身の目黒蒲田電鉄が、豊かな都市生活を形成するための「田園都市」構想によってつくられたためです。観光地の誘客よりも、参詣よりも、日々の生活を豊かにする。その精神が現在も継承されているといえそうです。

 東急電鉄の路線は、渋谷、目黒、五反田の3駅でJR山手線に、大井町と蒲田でJR京浜東北線に乗り換えられ、都心へのアクセスは良好。早期から地下鉄へも乗り入れており、現在は東京メトロ副都心線、半蔵門線、南北線、都営地下鉄三田線と相互直通運転を実施しています。ビジネスパーソンには便利な路線です。「都心で働く人が、緑の多いベッドタウンで過ごす」――こうした東急沿線のイメージは、住まいのブランドにもなっています。

 しかし、近年はちょっと“遊び心”が出てきた感もあります。地下鉄を介して、西武鉄道や東武鉄道に直通しており、それぞれの沿線の観光エリアにアクセスできます。近年は秩父方面と横浜方面を結ぶ有料座席指定列車「S-TRAIN」、グループ会社の伊豆急行に向かう観光列車「THE ROYAL EXPRESS」が話題になりました。

東急電鉄のグッドポイント、ベストテン

 それでは、実は高校卒業まで東急沿線に住み、再び田園都市線沿線に戻ってきた筆者(杉山淳一:鉄道ライター)の思い込みと独断による「東急の魅力ベストテン」をご覧ください。もちろん異論は大歓迎、SNSなどで盛り上がってくださいね。

【1位】東急ブランドの「ゆりかご」、田園都市線と「多摩田園都市」

 田園都市線は渋谷から中央林間までの31.5kmを結ぶ路線です。渋谷から都心方向は東京メトロ半蔵門線に直通します。半蔵門線は開業当初から田園都市線と一体で運行。営団地下鉄(当時)は半蔵門線の開業時に専用車両を持たず、東急の車両を借りていました。車両は東急ですが、車内広告や路線図が地下鉄の仕様でした。また、現在も半蔵門線の車両基地は田園都市線の鷺沼駅(川崎市宮前区)にあります。

 田園都市線のうち、梶が谷から中央林間までの沿線一帯が「多摩田園都市」と呼ばれています。川崎市、横浜市、東京都町田市、神奈川県大和市にまたがり、開発総面積は約5000ヘクタール、2017年現在の人口は約62万人となっています。東急グループが土地を取得し、線路を敷き、駅を建設して土地の価値を高め、売却や賃貸で莫大な利益を上げた地域です。

 多摩田園都市の土地の価値を高めるため、生活に必要な施設のほとんどは東急が手がけました。東急のスーパーマーケットで生活必需品を買い、たまプラーザ(横浜市青葉区)のショッピングセンターにはブランド品がそろい、田園都市線で渋谷に出れば東急百貨店があるという具合です。最近は、二子玉川エリア(東京都世田谷区)が新たな拠点として開発されています。かつて「二子玉川園」という遊園地があった場所に、複合施設「二子玉川ライズ」が誕生。楽天本社が入るオフィス、シティホテル、ショッピングモールなどが集積しています。

 田園都市線を利用しやすくするため、東急はバス路線も整備しています。筆者は田園都市線の駅からバスで10分の距離に住んでいますが、最寄りのバス停の始発はなんと朝4時台。始発電車に間に合う時刻です。「どの交通機関も東急ばっかりだ。もう電車もバスも乗らない。クルマで生活するんだ」と決めても、ガソリンスタンドは東急が経営している場合があります。油断できません。

 東急ブランドの店ではなくても、その店はもともと東急グループが売却、または賃貸している土地です。多摩田園都市で生活する人々は、どんな行動をしても東急にお金を払うことになります。まるで広大な「東急ランド」。しかし企業の支配感はなく、住む人々のほとんどが、東急沿線に住むことを喜び、誇りに思っているようです。多摩田園都市は、居心地の良い「東急のゆりかご」ともいえるでしょう。

もうひとつの基幹路線「東横線」の特徴

【2位】東横線の高級住宅地とおしゃれタウン

 東横線は渋谷から横浜までを結ぶ24.2kmの路線です。2004(平成16)年1月30日までは横浜から先の桜木町駅(横浜市中区)まで通じていました。その翌日に横浜〜桜木町間を廃止。2月1日から横浜高速鉄道みなとみらい線と相互直通運転を開始し、元町・中華街駅(同)まで乗り入れています。

 東横線は渋谷と横浜というふたつの繁華街を結びます。渋谷は東急グループのファッションビル「109」や東急ハンズ、マルイ、パルコに代表される若者の街。女子高生などのファッションの発信地です。一方、横浜はかつて「ハマトラ(横浜トラディショナル)」と呼ばれたファッションの中心でした。ハマトラは横浜のフェリス女学院大学に通う学生がブームの端緒。さらに、日吉駅付近の慶応義塾大学の女学生は「ニュートラ」と呼ばれるブランドブームの先駆者。その伝統を受け継ぐ現在の女子学生たちは、いまも東横線を華やかな雰囲気にしてくれます。

 大人の女性たちも東横線ファッションの主役です。自由が丘は高級住宅街の田園調布に住まうセレブ御用達。代官山から中目黒にかけても大人向けの落ち着いたセレクトショップや隠れ家的な飲食店があります。「ハマトラ」「ニュートラ」を卒業したセレブの子女が集うところも、東横線沿線にあります。

 これ以外の中間駅は、駅周辺ににぎやかな商店街があり、それを閑静な住宅街が囲むという風景です。高層マンションが建ち並び、ファミリー層が集まって急速に発展する武蔵小杉などもあります。庶民的な一面もありますが、どこか上品なイメージ。それはきっと、東横線沿線というブランドの効果でしょう。

【3位】高級住宅地ブランド戦略、田園都市構想

 田園都市線沿線の多摩田園都市、東横線沿線の田園調布など、東急沿線には有名な住宅街があります。これらの住宅街は「鉄道があるから形成された」ではありません。逆です。良質な住宅街を建設するために鉄道を建設しました。これが歴史の事実です。

 明治時代の実業家、渋沢栄一はイギリスで提唱された「田園都市」をヒントに、東京郊外の荏原郡に良質な住宅街を建設しようと考えました。そこでまずは、田園都市株式会社を設立し、洗足地域に住宅地「洗足田園都市」を開発。洗足田園都市と都心を結ぶ交通手段として、現在の目黒線を敷設します。

 次に着手した「田園都市」が田園調布です。目黒線を多摩川から丸子(現・沼部)へ延伸したのち、多摩川台の住宅分譲を開始します。目黒線はさらに延伸して蒲田に達し、分社化して目黒蒲田電鉄となりました。これが東急電鉄の前身です。田園調布を成功させるため、子会社の東京横浜電鉄を設立。神奈川(現・横浜駅の手前)と多摩川を結ぶ鉄道を建設し、目黒線と直通運転します。次に、現在の大井町線にあたる路線を建設しました。さらに東京横浜電鉄は渋谷へ延伸。目黒蒲田電鉄は東京横浜電鉄と合併し、社名を東京横浜電鉄としました。

 こうした歴史を振り返ると、東急グループは鉄道事業を成功させる会社ではなかったといえそうです。不動産事業、住宅事業のための子会社として鉄道部門がありました。だから、東急沿線に住みやすい街が多いのは、当たり前の話といえます。現在も、多くの人々が東急沿線に住みたいと感じています。しかし本来は、「田園都市」に住むために鉄道を利用するわけです。優良住宅地を開発するために鉄道を作る。この考え方は、のちに多摩田園都市を大成功させます。

住むなら穴場? 都内の東急「ローカル線」

【4位】東急グループの生活環境サービス

 1位の田園都市線の事例にもあるように、東急グループは生活に必要なあらゆるサービスを事業としています。それは3位で説明した、優良な居住環境を提供するためです。東急電鉄のほとんどの駅から東急バスが発着しており、鉄道路線網の空白を埋めています。駅周辺や住宅密集地域にはスーパーマーケットの東急ストアが配置され、ほとんどの地域で、日用品を徒歩で買いに行けます。

 渋谷には東急百貨店があり、衣類、家具などの高額商品も提供します。休日のレジャー需要向けに、映画館や遊園地も経営していました。東急電鉄のすべての路線はJRや他の私鉄と接続しており、相互直通運転も実施しています。しかし、生活面に関しては、東急沿線から他の路線の地域へ出る必要はありません。これで勤務先が東急グループとなれば、完全なる東急内経済が完成します。

 現在、東急グループは東急電鉄をリーダーとし、交通事業、不動産・建設事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業の4分野でグループ企業を展開しています。

【5位】愛されるローカル電車、池上線、多摩川線

 東急電鉄は「田園都市構想」に基づいて作られた鉄道部門です。しかし、その趣とは異なる路線が池上線です。池上線は池上電気鉄道が建設、開業しました。目的は池上本門寺の参詣輸送。国営の東海道線が開業し、川崎大師の参詣が賑やかになると、大師電鉄(現・京急電鉄)が川崎大師〜大森間を開業します。その大森と池上本門寺を結ぶ目的で計画されました。実際には蒲田〜池上間で開業し、目黒と結ぶ目論見でしたが、目黒蒲田電鉄と競合するため五反田へ延伸したのち、目黒蒲田電鉄に敵対的買収をされました。

 しかし、五反田〜蒲田間も都心に近く、通勤に便利なため住宅地として開発されていきます。東京の下町に見られるように、駅周辺の大地主が銭湯業者を誘致し、その周囲に賃貸住宅を建てます。銭湯に人が集まるため、門前町のように商店が参入し、商店街が形成されました。「田園都市」とは異なる形で、草の根の住宅開発が行われました。こうした経緯から、池上線沿線は商店街が発達し、その周辺に住宅街が発展しました。現在も商店街がにぎやかで、その典型例が戸越銀座(東京都品川区)です。

 池上線はいまでも車体長の短い3両編成でピストン輸送しています。これは多摩川線も同じ。多摩川線は目黒蒲田電鉄の一部で、創業社の直営路線でした。しかし、東横線の混雑緩和のため、目蒲線のうち目黒〜多摩川間は長大編成に対応し、地下鉄とも乗り入れるよう改造されました。残された多摩川〜蒲田間は池上線と同様の短い編成となりました。

 池上線と多摩川線は、かつてライバル会社でありながら、現在は雪が谷車庫を共有する仲間です。どちらも増え続ける輸送量に対応するため、運行間隔を短くして対応しています。都心に近いとはいえ、静かなたたずまい。昭和の情緒が残る街です。無料デーなどを企画しなくても、名所発掘などこじつけなくても、静かで居心地の良い街です。住む場所としては穴場かもしれません。

先進的だったまぶしく光る銀色電車

【6位】忘れちゃいけない世田谷線

「田園都市構想」とは異なる路線は、もうひとつ、世田谷線があります。世田谷線は三軒茶屋と下高井戸を結ぶ5.0kmのかわいい電車です。この路線は、かつて渋谷と溝の口などを結んだ玉川電気鉄道(玉電)の生き残りです。路面電車の規格ですが、道路を走る区間はありません。珍しい場所としては、環状七号線と交差する「若林踏切」でしょう。道路の交通量が多いため、電車も信号で停車します。

 沿線は戸建て住宅の多い高級住宅街で、住民が線路際で庭造りをするなど、緑の多い上品な光景です。車両は300系電車の2両編成で、さまざまラッピング塗装が施されています。2001(平成13)年までは玉電時代からの旧型電車が走っていました。沿線には「電車が見える喫茶店」もいくつかあり、鉄道ファンやママ鉄さんで賑わっています。

【7位】ステンレスカー王国

 東急グループには鉄道車両メーカーの東急車輌(現・総合車両製作所)がありました。同社と東急電鉄は先進的な電車を次々に開発し、実用化していきます。その代表的な存在が、ステンレス車体の電車です。ステンレス車体は鋼鉄製の車体に比べて錆びにくいため、無塗装の銀色で運用されます。腐食を見込んだ厚みが不要で、車両全体の軽量化も可能になりました。

 国鉄の通勤電車などが色とりどりななかで、東急電鉄の7000系や8000系など、まぶしく光る銀色の電車は洗練されたイメージがありました。特に冷房を装備し、前面に赤い帯を巻いた8500系は、長らく東急電鉄の顔として、東急沿線ブランドの向上に貢献しました。バブル景気といわれた1980年代は、クルマや鞄などもシルバーが流行しており、相乗効果があったかもしれません。

 そんなステンレス無塗装が東急電車の特徴でしたが、現在はコーポレートカラーの赤を取り入れた車両が増えています。池上線、多摩川線、世田谷線は、長らく親しまれた旧型の緑色を継承しています。2018年春に田園都市線でデビューする2020系は、ブラックフェイスに白と緑の帯を配し、これまでの東急の電車のイメージを一新します。大井町線にも同時期に6020系が登場予定。こちらは、外見としては2020系の緑の帯をオレンジ色にしたデザインです。

選べて便利な、都心への直通運転

【8位】相互直通運転

 東急電鉄は相互直通運転に積極的な会社です。通勤環境を向上するため、東京都の都市計画に応じます。1961(昭和36)年に一部区間が開業した営団(現・東京メトロ)日比谷線は東急東横線、東武伊勢崎線と相互直通運転する前提で造られました。1962(昭和37)年に日比谷線と伊勢崎線の直通運転が開始。1964(昭和39)年に東横線と直通運転を開始しています。

 田園都市線と東京メトロ半蔵門線は一体的な相互直通運転を実施しています。半蔵門線は永田町、九段下、大手町、三越前を経由し、いわば東京メトロ銀座線のバイパスの役割を持ちます。永田町は政治の街、大手町は経済の街、三越前は高級ブランド街。これらの街へ田園都市線から乗り換えなしです。半蔵門線の終点、押上駅は「東京スカイツリータウン」の最寄り駅で、さらにその先の東武線を使うと日光方面へもアクセスできます。休日のお出かけも楽しいルートです。

 目黒線は東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線と相互直通運転しています。目黒線は、相互直通運転と東横線の複々線化に対応するため、目蒲線の運行系統を分離して大幅な改良を実施した路線です。相互直通運転で、六本木や内幸町(新橋オフィス街)、その先は埼玉高速鉄道で「埼玉スタジアム2002」へも行けます。

 2013年3月16日から東横線の渋谷駅を地下ホームに切り替えて、東京メトロ副都心線と直通運転を開始しました。副都心線には西武有楽町線・池袋線、東武東上線も相互直通運転しています。東横線沿線から、副都心線の明治神宮前(原宿)、新宿三丁目、池袋へ乗り換えなしで行けるほか、明治神宮前(原宿)で東京メトロ千代田線、新宿三丁目駅で丸ノ内線、都営新宿線に乗り換えが可能に。渋谷駅の半蔵門線ホームも近くなり、都心方面へ便利になりました。東急沿線は都心で働くビジネスパーソンに人気のある沿線となっています。

未来の東急は新幹線や空港へのアクセスが向上…?

【9位】リゾート、レジャーの魅力が追加

 東急電鉄は生活重視の路線網です。沿線に大型観光地がなければ、観光地向けの有料座席特急もありません。銀色の車体の登場時はキラキラしたイメージもありました。しかし、多くの鉄道会社がステンレスやアルミ車体を採用した現在、鉄道ファンとしては地味な鉄道会社という印象でした。

 沿線のレジャー施設としては、かつては「多摩川園」「二子玉川園」(のちに「ナムコワンダーエッグ」となった)といった遊園地、川崎市営鷺沼プールなどがありました。しかし残念ながら、いまはどれも廃止されています。大型のレジャー・観光施設としては、こどもの国線の終点にある「こどもの国」(横浜市青葉区)があるくらいです。こどもの国線は「こどもの国」のために造られた路線ですが、近年の改良工事により、通勤路線として整備されています。

 最近、地味な東急電鉄に観光の魅力が加わっています。ひとつは相互直通運転先の観光地です。東横線から、副都心線などを介して、西武秩父線の西武秩父(埼玉県秩父市)まで乗り換えなしで行ける有料座席指定列車「S-TRAIN」が誕生しました。また、田園都市線からは、半蔵門線を介して、東武線に直通します。北千住駅で有料特急「リバティ」「スペーシア」に乗り継げば、日光や鬼怒川に達します。SL列車「大樹」にも、乗り換え1回でアクセスできます。

 もうひとつは、伊豆方面に向かう「THE ROYAL EXPRESS」です。水戸岡鋭治さんによるデザインで話題になり、豪華観光列車に数えられる列車です。運行区間は横浜〜伊豆急下田間。路線としてはJR東日本と伊豆急行を走り、東急電鉄の線路ではありません。しかし、「THE ROYAL EXPRESS」は東急電鉄と伊豆急行の共同運営です。横浜駅に乗客用カフェ・ラウンジを設置し、東急路線網と橋渡しする役目を持たせています。東急の沿線から、東急の列車で、東急グループの伊豆観光へ行けるようになりました。

【10位】未来の東急

 住環境を追求する東急電鉄の沿線は、これからも便利になっていきます。東急電鉄に関するプロジェクトの筆頭は、相模鉄道との直通運転です。相模鉄道の西谷駅とJRの横浜羽沢貨物駅付近に新線を建設、さらに東横線の日吉駅と結びます。この路線によって、相模鉄道はJR東日本や東急電鉄の路線と直通運転を実施します。東急沿線側の最大のメリットは、この新路線の途中に作られる新横浜駅です。東海道新幹線に乗り換え可能になります。

 構想段階の「蒲蒲線」も見逃せません。東京都の大田区が中心となって進めているプロジェクトで、多摩川線の蒲田駅を地下化し、京急蒲田駅付近へ延伸します。京急空港線に乗り換えられるようにして、東急沿線と羽田空港を結ぶルートをつくるというものです。将来は大鳥居駅まで延伸し、京急線に乗り入れて、羽田空港へ直通する構想もあります。軌間(線路の幅)が異なるなど技術的な課題はありますが、期待したいところです。

 現実的なものとしては、田園都市線と大井町線の改良工事が進んでいます。大井町線は旗の台駅の通過待避構造化(各駅停車が急行を待ち合わせできる構造にすること)と、溝の口まで延伸して田園都市線と複々線化するなどで急行運転を実施しています。等々力駅の地下化と急行通過線工事は停滞していますが、完成すれば急行、各駅停車の増発も見込めます。

 田園都市線は、溝の口〜鷺沼間の複々線化について、国土交通省の交通政策審議会が2016年に示した「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(答申198号)」でリストアップされています。また、たまプラーザ駅は現在、ふたつのホームが上下線を挟む形の相対式ホーム2面となっていますが、それぞれのホームの外側に線路用地が確保されています。将来的には島式ホーム2面、線路4本が可能です。これも稼働すると、田園都市線、大井町線とも、さらに増発ができそうです。

 銀色一色だった電車が色付いたように、地味な印象だった東急電鉄に新たな施策が加わりつつあります。今後も東急沿線の人気が高まっていきそうです。

東急電鉄の電車といえば、赤? 緑?

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