ダイハツ「DN U-SPACE」が刺さるワケ ママ目線なら一目瞭然? ポイントは「掃除」

ダイハツ「DN U-SPACE」が刺さるワケ ママ目線なら一目瞭然? ポイントは「掃除」

「東京モーターショー2017」にて世界初披露された、ダイハツのコンセプトカー「DN U-SPACE」(下高井戸ユキ提供)。

「東京モーターショー2017」にダイハツが出品した軽コンセプトカー「DN U-SPACE」。子育て中の主婦をターゲット層にうたっていますが、実際のところママたちにはどのように受け取られたのでしょうか。

メインターゲットはずばり「ママ」

 2017年10月27日(土)から11月5日(日)まで、東京ビッグサイトで開催されていた「東京モーターショー2017」。数あるコンセプトカーの中でも、個人(下高井戸ユキ:ライター)的に一番グッと来たのが、ダイハツの「DN U-SPACE」でした。

 この「忙しいママを支える、モアスペース系軽自動車」は、ダイハツ「タント」のユーザー層に視点を据えたコンセプトモデル。近未来な見た目ですが、パワートレーンは660ccのガソリンエンジンで、バーンと開く前後スライドドアが特徴です。前ドアはBピラーインで、開口部がとにかく広いのです。乗降スペースの優位性から、「前席もスライドドアにしてほしい!」という声は前からあったそうですが、強度の問題などでなかなか難しいのだとか。

 もうひとつ興味深いのは、助手席のチルトアップ機能です。前方にスライドするだけではなく、インパネにビターッとくっつくくらい移動してくれるので、後部座席の足元がかなり広く使えます。これは、学校帰りの習い事などの際、お子さんが車内で悠々着替えられるように、ということらしいですが、お子さんの前にお母さんが向き合って屈んでも、狭さを感じないくらいゆとりがあります。車内高も、130〜140cmくらいの子までなら、真っすぐ立てる仕様になっているのだそう。つまり、「ちょっとした部屋」感がある広さです。

 しかも、ドアの開閉、助手席チルトアップともに、ボタンひとつでできるハンズフリー機能付きです。シートのサイドにリクライニング用のレバーもなければ、シート下のスライドさせるためのレバーもありません。もちろん、コンセプトカーだからということはわかっていますが、それでもかなりすっきり、余分なものが何もない状態です。

「掃除しやすさ」がママに刺さるワケ

 もうひとつ言うと、運転しやすさを狙った前席パノラマビューのフロントウインドウと、前後席ともに備わるルーフ・ウインドウのおかげで、室内がとっても明るいのです。

 つまり、風通しがよく、スペースにゆとりがあり、シンプルで、明るい、ということ。これに、ミニ・ミニマリスト(物欲に負けがちなミニマリスト未満)の筆者としては、かなりグッときちゃったのであります。それは、「このクルマ、めちゃめちゃ、掃除しやすそう!」というワクワク感。恐らくメーカー側の想定とは違うところで、刺さってしまいました。

 両側スライドドアを開ければ、換気し放題なわけです。助手席をチルトアップしたら、床だって拭き放題。余分なパーツがなければそのぶん掃除しやすいわけですし、車内が明るいぶん、汚れがすぐ発見できてこまめにケアできる好循環。白を基調としたカラーリングも好ましいです。ああ、シートはさっと拭けば落ちるような素材だといいな、床はマットなんかいらない、前席スライドレーンはどうしても汚れるだろうからそこは重点的に……などと、妄想がどんどん膨らみます。

 そこで、ふと気がつきました。もしかして、この、掃除しやすさこそ、ママたちが求めていることではないでしょうか。

 実際に子どもがいる友人や身内に話を聞いてみました。それによると、ママ用車(ママヨウシャ、というのだそうです)は、運転しやすさとか、車内に荷物がたくさん積めるとかはもちろん重要ですが、「人からどう見えるか」というのが大切なのだそうです。パパ用車と違って高級車である必要はなくて、「感じよく、ちゃんとしている」というのがポイント高いのだとか。

 というのも、習い事の帰りや子連れ友人同士で出掛けたりする時、「途中まで乗ってく?」というシチュエーションがよくあるからです。事前にわかる「お家に遊びに来てね」の時にはお掃除をがんばれても、ふいに訪れる車内公開シーンでは素が出るもの。「ちょっと待ってね」と狭い後部ドアに身体を突っ込んでゴソゴソ取り繕っても、限界があります。

 確かに、たまに後部座席に座らせてもらう際など、「足元、狭くない?」と助手席を前方にスライドしてくれるのですが、そこにはかなりの確率で、ファーストフードのお子様セットについてくるおもちゃの袋やら、スナック菓子の半分砕けたのが落ちています。公園遊びやサッカー教室の帰りだったら、フロアに枯れ葉や土っぽい汚れもついています。

「子育てを支える」視点をカタチに

 さらに言うと、チャイルドシートが、なかなかの曲者らしいのです。基本的に設置しっぱなしですから、その周りには食べカスやら細かなゴミがいっぱい。また、子どもには「昼間のオムツは外れたけれど、夜はまだ心配」という期間が数ヶ月あるのだそうです。車内で熟睡してしまい、大洪水ということもままあるのだとか。そうすると、チャイルドシートの背面と座面の隙間から液体が溢れ、シートに汚れが染みていきます。

 それに、子どもは元気な時ばかりではありません。車酔いしてしまうこともあります。さらに、体調不良の子を病院に連れて行く途中に嘔吐され、あわてて始末したけど車内に匂いが残ってしまい、再度リバースされてしまった、という強烈なエピソードも聞きました。ノロ・ウイルスを原因とする嘔吐が家屋内であった場合には、感染を防ぐために一定時間窓を開けて換気することが推奨されています。クルマの場合、両側ドア全開で車内へ一気に風を通せたら、どれだけ安心でしょう。

「両側スライドドアで風通しがよく、シンプルな作りで掃除がしやすい」。これがこのまま市販車となれば、「DN U-SPACE」は、そういう意味でも「ママを支える」クルマということで注目を集めるのではないでしょうか。実際、資料写真にママ達は興味津々でした。

 繰り返しますが、これはコンセプトカーなので、市販化にあたってはこのままというわけにはいかないと思います。安全基準、価格、見た目の高級感、消音、乗り心地、生産効率化……、いろいろな理由があるのもわかります。でも、できればこのまま発売までこぎつけていただきたいところ。さらには、今の「DN U-SPACE」の魅力を最大限生かすために、ドリンクホルダーやドアポケットといった「便利アイテム」をあえて外す、くらいのシンプルさでいかがでしょうかね? ダイハツさん。ミニ・ミニマリスト的にも、期待して、市販化お待ちしてます。

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