飛行機雲はなぜできる? 「雨が近い」といわれるのにもワケがある

飛行機雲はなぜできる? 「雨が近い」といわれるのにもワケがある

大空を行く飛行機の後ろに筋を引く飛行機雲。写真はイメージ(画像:photolibrary)。

飛行機雲はどのようにしてできるのでしょうか。また、どんな時にできやすいのでしょうか。

飛行機の排煙ではなく「雲」

 大空に細く長く筋をひく飛行機雲。特にめずらしいものではありませんが、なぜ飛行機が飛ぶだけでそのような雲ができるのでしょうか。

 飛行機雲ができるのは、「飛行機の排気ガス」「飛行機が作る空気の渦」のふたつがおもな原因です。それぞれが別個の原因というわけではなく、両者が重なってできる場合も多いようです。

 まず「排気ガス」については、冬の寒い朝に息を吐くと白くなる現象をイメージするとわかりやすいかもしれません。

 高度が100m上がると気温は摂氏にして約0.6度下がるため、地上の気温を摂氏20度とすると、飛行機の巡航高度である約1万m上空の外気はおよそ摂氏マイナス40度になります。そこへ摂氏300度から600度になるジェットエンジンの排気ガスを放出すると、ガス中の水分が急速に冷やされ、氷の粒となり、あのような形の雲が形づくられるというわけです。つまり、エンジンの数によりできる本数も変わるわけで、ボーイング747型機なら4本、767型機であれば2本になります。

 なお、飛行機雲は一般的に、地上から約6000m以上で発生するとされています。よって、排気ガスを原因として飛行機雲が発生する外気温の条件としては、およそ摂氏マイナス16度以下ということができるでしょう。

 一方、飛行機は飛行する際、主翼の後ろなどに少なからず空気の渦を作るのですが、この渦が部分的に気圧と気温を下げます。このとき空気に含まれる水分が冷やされるため、結果「空気の渦」を原因として飛行機雲が形作られることがあります。原因のふたつ目「飛行機が作る空気の渦」とはこのようなメカニズムで、竜巻が漏斗(ろうと)雲を作るのと同じものでもあります。

飛行機雲が見えると雨が近い、というのは本当か?

 飛行機雲はしかし、発生する条件が整わないと見られるものではありません。飛行機の飛行する高さ、上空の気温、湿度、空気の流れなどさまざまありますが、発生しやすい目印のひとつに「巻雲(けんうん)」があります。

 巻雲は「すじ雲」などとも呼ばれるもので、繊維状に散らばった白い雲のことです。糸状のものや毛髪状のものなど形はさまざまで、5000mから1万3000mの高さ(気温がおよそ摂氏マイナス10度以下)に現れます。この雲が発生する環境が、飛行機雲のそれと重なるのです。

 また、飛行機雲が発生しやすいということは、上空に水分が多いともいえ、発生した翌日は雲の多い天気になる可能性が高いといえるでしょう。これは巻雲が広がると雨が近いという経験則(観天望気、気象伝承とも)にも重なります。

 ただ一方で、飛行機雲が現れてもすぐに消えるような場合は、上空の湿度が低いと考えられるため、その後の天候は晴れになるという見方もあるようです。

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