信号機老朽化、どう対策? 誤作動や倒壊のおそれ 数減らす取り組みも

信号機老朽化、どう対策? 誤作動や倒壊のおそれ 数減らす取り組みも

信号機の老朽化が進んでいる。写真はイメージ(画像:写真AC)。

老朽化した信号機が誤作動を起こしたり、倒れたりする事例が発生しています。どのような対策がとられているのでしょうか。信号機の数そのものを減らすこともある一方、新しいタイプの信号機も登場しています。

誤作動が原因の衝突事故も

 交通インフラの老朽化が社会問題化するなか、信号機についても、同様に老朽化が指摘されています。

 警察庁は2014年、同庁が所管するインフラの維持管理や更新などを推進するため「警察庁インフラ長寿命化計画」を策定し、老朽化対策の方向性を打ち出しました。ここでは、信号機の更新基準を製造後19年としており、この年数を超えたものが全国で約19%(2014年3月末時点)、10年後には約30%に上るとしています。
 
 2016年8月には、滋賀県内で老朽化した信号機の誤作動が原因となった衝突事故も起こっています。また信号柱についても警察庁は、「老朽化を原因とする信号柱や道路標識の倒壊・傾斜事案等が毎年のように発生している」としています。

 それぞれの地域の信号機を管理する都道府県警察は、この問題にどう対処しているのでしょうか。

老朽化問題どう対処? 更新の足並みがそろわないワケ

 信号機の更新を進め、基準の年数を超え老朽化したものの割合が全国で最も低い1.0%(全3256基に対して33基、2017年3月末時点)という、岐阜県警の交通規制課に話を聞きました。

――信号の老朽化に対し、どのように取り組んでいるのでしょうか?

 古いものを順次更新するとともに、必要がなくなった箇所については撤去するなどして対応しています。更新に際しては、たとえばコストの高い「感応式」(車両の数に応じて青や赤の時間が変わる方式)を、決まった時間に繰り返し表示する「定周期式」に変えるなど、値段の高いものをなるべく少なくすることも行っています。
 
――岐阜県では実際に、老朽化した信号機で何か問題が起こったのでしょうか?

 それは特にありません。インフラの老朽化は、2012年に中央道で発生した笹子トンネル事故(老朽化したトンネルの天井板が落下し、9人が死亡した事故)を契機として全国で顕在化しましたが、岐阜県ではそれ以前から更新にコツコツと取り組んできました。というのは、いわゆるバブル経済期に信号機を多く設置した経緯があり、それらが順次、更新時期を迎えていたからです。

――他県では老朽化した信号機の割合が岐阜県ほど低くないようですが、なぜでしょうか?

 県ごとに予算の問題などもあり、足並みがそろわないのが実情ではないでしょうか。交通安全教育や交通指導・取締の案件などに比べると、交通規制関連はウェイトが低く見られがちで、予算がつきづらいという側面があります。

ニュータイプの信号機も

――信号機の数そのものも減らしているといいますが、それはどのような場所で、代替の対策はどのようにしているのでしょうか?

 たとえば、学校の近くには押しボタン式の信号が多いですが、廃校や統合が進み、不要になるケースがあります。また、赤と黄色だけを表示する「一灯式」の信号を撤去し停止線を設けるなど、おもには横断歩道の設置や一時停止の規制で代替しています。ただ、警察の判断だけで信号機を外すことはできません。地域の方々と協議しながら進めていく必要があります。

――更新された信号機は、従来のものとどのような違いがあるのでしょうか?

 電球がLED化されることが多いです。また、日よけフードのない平面的かつ小型の信号機も増加しています。機材が小さくなるので安価になるほか、LED化で電気代も抑えられます。

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 信号機の更新が進むにつれ、電球のLED化だけでなく、形状も従来型と異なるものが登場しているようです。
 
 信号機製造大手、コイト電工の持株会社であるKIホールディングス(横浜市戸塚区)によると、「薄い『フラット型』と呼ばれる車両用信号機は以前からありましたが、当社では灯器のレンズ直径を従来よりも5cm小さい25cmとした小型のものを開発し、これが2017年6月に大阪市の交差点へ初めて設置されました」とのこと。警察庁がレンズ直径の標準仕様を30cmから25cmへと変更したことを受けて開発したものだそうです。「従来品よりも安価に抑えられていますので、今後も採用が増えていくでしょう」と話します。

 なお警察庁は2016年10月時点で、2020年度までに老朽化した信号機約4万3000基を更新していくとしています。

【写真】街に増えている? 薄型フラット信号機

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