銀座線1000系車内で子どもたちが描いた「未来の地下鉄駅」 紙の線路を鉄道模型が走る

銀座線1000系車内で子どもたちが描いた「未来の地下鉄駅」 紙の線路を鉄道模型が走る

特別仕様の銀座線1000系電車の車内で、ペーパークラフトの鉄道模型を製作(2018年1月20日、高橋亜矢子撮影)。

東京メトロが銀座線1000系特別仕様車の中で、子どもたちに思い思いの「未来の地下鉄駅」を描いてもらい、そこにペーパークラフトの鉄道模型を走らせるというイベントを開催。子どもたちによる「未来の地下鉄駅」は、予想外なものでした。

銀座線1000系電車の中で、未来の地下鉄駅を描く

 2017年12月に東京の地下鉄開業から90周年を迎えた東京メトロが、同年に130周年を迎えた東京藝術大学とのコラーボレーション企画「かみてつワークショップ」を2018年1月20日(土)、東京メトロ上野検車区(車両基地)で開催しました。

 集まったのは、小・中学生の子どもとその保護者18組。ワークショップの作業はなんと、90年前の地下鉄開業当時の車両を模した銀座線1000系特別仕様車の車内で行います。

 この日、参加者がつくった「かみてつ」は、東京大学発のベンチャー企業エレファンテックと、東京藝術大学デザイン科共創ルームディレクターの八木澤優記さんがプロデュースした、新感覚のホビーキット。紙に印刷された「電気が流れる線路」の上を、「紙の鉄道模型」が走ります。

 今回のワークショップは、参加者それぞれが思い描く「未来の地下鉄駅」を所定の紙に描いたあと、全員の紙をつなげて路線をつくり、紙の鉄道模型を走らせるというものです。

「未来の地下鉄駅」を描くにあたり、八木澤さんは「たとえば、火星、月、海の中、ひょっとしたら空に地下鉄駅があるかもしれません。『こうじゃなくてはいけない』ということはありませんから、自由に書いてくださいね」と説明しました。

 絵を描く時間は約1時間。子どもたちは、色鉛筆やペンを握ると、じっと紙と見つめ合いながら思い思いの地下鉄駅を描いていきます。使える道具には、筆記用具のほかに、シールやマスキングテープなども。子どもと一緒になって真剣に作業をする保護者の姿もありました。

 一方で、車両基地ならではの出来事も。となりの線路で車両が動くたびに声が沸き立つのです。行き先を示す車両側面のLEDが点灯し「さっきまではついてなかった『渋谷』の文字がついた!」、また「ドアが開いた!」「動き出した!」など、子どもたちはその状況のひとつひとつを楽しんでいる様子でした。

なぜ本物の車両内でイベントを?

 できあがった「未来の地下鉄駅」は、大手町駅にジャイアントパンダが4頭いたり、地下鉄駅構内に飛行機が飛んでいたり、サンタクロースが空を飛んでいたり、予想外すぎる発想のものばかり。

「未来の地下鉄駅」は、八木澤さんと学生スタッフらが、つなげて環状線の「線路」にしていきます。模型の電車が途中で止まることのないよう、何度かの「試運転」が慎重に行われ、手作りの線路に電車が走ると、子どもたちは大興奮。さらにそのあと、東京メトロ社員から1000系特別仕様車の説明を受けた折にも、楽しそうに耳を傾けていました。

 ところで、今回のワークショップが車両の中で行われることになったきっかけは、何だったのでしょう。そこには、八木澤さんの「鉄道と絵を描くことが好き」という思いがありました。鉄道と絵を描くことを合体させてみたいと、前々から思っていたのだそうです。

「八木澤さんの思いと、特別仕様車を活用したいと考えていた東京メトロの思いとが合致して、この場所でイベントを開催することになりました」(東京メトロ)

 ちなみに、参加者へ配られたお土産には、非売品の「かみてつ」線路や、その線路に電気を流すための配線や電池などが入っており、参加者は家に帰ったあと、自分だけの「かみてつ」をつくれるようになっています。家に帰ったらさっそく「かみてつ」を組み立てて遊ぶことを、うれしそうに母親へ話していた少年の姿がとても印象的なイベントの終わりでした。

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