「空飛ぶタクシー」もうすぐ実現か エアバスやインテルも本気、その最新事情

エアバスや中国メーカーが開発を進める「空飛ぶタクシー」 18年に入りテスト飛行も

記事まとめ

  • エアバスは航空機メーカーとして知られるが「空飛ぶタクシー」の開発にも力を入れる
  • ウーバー(Uber)社は空飛ぶタクシーの計画やその運航システムをNASAと共同開発へ
  • インテルやトヨタAIベンチャーズなどは、空飛ぶタクシーを開発する会社への出資も

「空飛ぶタクシー」もうすぐ実現か エアバスやインテルも本気、その最新事情

「空飛ぶタクシー」もうすぐ実現か エアバスやインテルも本気、その最新事情

初飛行に成功したエアバスの空飛ぶタクシー「ヴァーハナ」(画像:エアバス)。

エアバスや中国メーカーが開発を進めている「空飛ぶタクシー」が2018年に入り、次々とテスト飛行を成功させています。見慣れた飛行機でもヘリコプターでもない空飛ぶタクシーは、どのような形で日常的な交通手段になりえるのでしょうか。

エアバスはふたつのアプローチで開発中

 エアバスといえばヨーロッパの航空機メーカーとして広く知られていますが、実は同社は「空飛ぶタクシー」の開発にも非常に力を入れています。エアバスが開発をすすめるのは、4人乗りの「シティー・エアバス(CityAirbus)」と、ひとり乗りの「ヴァーハナ(Vahana)」の2タイプの機体です。

 2018年1月31日、より小型なひとり乗りの「ヴァーハナ」がテスト飛行に成功しました。「ヴァーハナ」は翼に8個の電動ローターを搭載し、翼の角度を変えることで垂直離着陸(VTOL)が可能となっています。またパイロットによる操縦だけでなく、自動運転による自律飛行も可能です。こちらは2020年までに量産機体を製造し、2020年代の運行開始を目指しています。

 一方4人乗りの「シティー・エアバス」は機体の4隅に4つの大型ローターを搭載し、こちらも同じく垂直離着陸が可能です。機体は自動操縦による自律飛行をおこない、エアバスは将来的に通常のタクシー並みの料金で「シティー・エアバス」を運行したいとインタビューにて言及しています。なお、同機材は2018年中の初飛行を予定しているそうです。

運航開始はもっとも近い? 注目集まる中国メーカー

 エアバスのような大手メーカーではありませんが、中国のEhang社も空飛ぶタクシーにて大きな存在感を示しています。同社が開発をすすめる空飛ぶタクシー「Ehang 184」も、2018年2月6日(火)に人を乗せての初飛行に成功しました。

「Ehang 184」は2016年1月にラスベガスで開催された家電見本市「CES 2016」にて披露された機体で、当時はほとんどアイディア段階だった空飛ぶタクシーのプロトタイプをいち早く実物として披露したことで、世界中から注目を集めました。

 同機はひとり乗りで、機体の4隅から伸びたアーム上に8個のローターを搭載。スマートフォンやタブレット端末から目的地を指定することで、自動航行が可能となっています。最高速度は130km/hで、満充電状態での飛行時間は30分弱、航行距離は40kmから50kmになる予定です。

「Ehang 184」は空飛ぶタクシーのなかでも、運航開始時期が近いと期待されているのも特徴です。Ehang社は将来的に「Ehang 184」にてFAA(アメリカ連邦航空局)の認可取得を目指すことや、ドバイでの運航計画も発表しています。

ウーバーやインテル、トヨタ子会社も本腰

 もし将来的に空飛ぶタクシーが普及すれば、通常のクルマによるタクシー事業は大丈夫かと心配になってしまいます。そんな未来を予測しているのか、配車サービスのウーバー(Uber)社はすでに空飛ぶタクシーのプロジェクト「ウーバーエア(uberAIR)」やその運航システムをNASAと共同開発すると発表しています。

「ウーバーエア」での利用が想定されるのは、まるで垂直離着陸機V-22「オスプレイ」のように翼の先端の大型ローターの向きを変えられる機体です。ウーバーエアは飛行拠点「Skyport」のあいだを飛行する都市向け交通手段として、ロサンゼルスにて2020年に飛行実験を行い、2028年ごろには商業サービスの開始を予定しています。また、NASAもその無人交通管理(UTM)コンセプトと無人航行システム(UAS)の開発で協力を予定しています。

 さらにインテルやトヨタAIベンチャーズ(アメリカ)など複数社は、空飛ぶタクシーを開発するジョビー・アビエーション(Joby Aviation)社(アメリカ)への1億ドル(約110億円)の出資を決定しています。またヘリコプター大手のベル・ヘリコプター社(アメリカ)も空飛ぶタクシーの開発を表明するなど、まさにいまは業界入り乱れて空飛ぶタクシーへの開発競争が進んでいるのです。

 少し前までは、SFの世界の話だった「空飛ぶタクシー」。しかし航空業界だけでなく自動車業界やテクノロジー業界の働きかけによって、早ければ2020年代にも世界の大都市で羽ばたく姿を目にすることになるかもしれません。

【画像】まもなく初飛行、4人乗り「シティー・エアバス」

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