日産「自動駐車」開発のウラ 「リーフ」初搭載のワケと、実際にできる/できないこと

日産「自動駐車」開発のウラ 「リーフ」初搭載のワケと、実際にできる/できないこと

2017年10月の発売から約半年、日産「リーフ」開発陣がその技術のうんちくや開発裏話などを披露した(画像:日産)。

日産の電気自動車、新型「リーフ」には、昨今実用化された画期的な機能や技術が詰め込まれています。開発者自身が新技術のうんちくを披露する説明会にて、自動駐車支援機能「プロパイロットパーキング」はどのように語られたのでしょうか。

開発者「プロパイロットパーキング」を大いに語る

 日産自動車が、2017年10月2日に発売した電気自動車の新型「リーフ」。400km(JC08モード)まで拡大された航続距離が話題となりましたが、それ以外にも日産初となる様々な新機能が搭載されています。2018年3月、その開発に携わった技術者たちによる、メディアに向けた技術的うんちくを語る場が設けられました。これは、日産自動車内で社員同士が新技術のことを知るために実施されている「技術うんちく大会」をベースにしたもの。このため、普段語られる技術説明よりも一歩踏み込んだ内容が披露されました。

 その新機能のなかでも、とりわけユニークな機能のひとつ「プロパイロットパーキング」について掘り下げてみたいと思います。これは新しい駐車支援機能なのですが、なんとボタン操作ひとつで、ドライバーに代わり駐車を行ってくれるという夢のような機能です。

 これまでもステアリング操作など駐車時の運転支援を行う機能があり、最近では自動運転技術の進化もあって、車外からスマートフォンやリモコンなどを使い、リモートコントロールできるものも出てきました。日産の場合、リモートコントロールではありませんが、他社の自動駐車機能との最大の違いは、「駐車場の枠内に自動駐車が行える」ことなのです。

夢の自動運転にまた一歩、「プロパイロットパーキング」とは

 まず「プロパイロットパーキング」のシステムを簡単に説明しましょう。自動制御されるのは、アクセル、ブレーキ、ステアリング、シフト、電動パーキングブレーキと運転に必要な操作の全て。ただ完全自動運転ではなく、作動時には、ドライバーが専用ボタンを押し続けることが必要。もしボタンを離す、ブレーキを踏むなどするとクルマは停止します。

 全ての運転動作をクルマが自動的に切り替えて行うには、各部の電動化が必須。これが電気自動車の「リーフ」が搭載第1号となった理由のひとつでもあります。

 駐車時に必要な車両周囲の情報をキャッチするためのセンシングには、前後左右計4つの高精度カメラと前後バンパーに備えた12個の超音波センサーで車両周囲をカバーしています。カメラによる視覚的情報と超音波センサーによる障害物認識情報、これらを上手に組み合わせることがプロパイロット機能のポイントで、これが世界初の技術だそう。それぞれの役割として、カメラを使うことで、駐車枠の自動検出を可能とし、リアルタイムで駐車枠をモニターすることでピタリと枠内に収めることを実現。駐車時の車両経路には、カメラと超音波センサーの情報を組み合わせ移動可能なスペースを認識するので、切り返しを含めて自動的に判断し動作します。クルマが勝手に切り返しをしてくれる点は、本当に驚かされるところです。

 また超音波センサーで障害物を検出しているので、衝突の恐れがある場合は自動ブレーキが作動。駐車時の周囲の車両や設備だけでなく、駐車中によくある進行方向での人の横切りに対応してくれるのも嬉しいところです。駐車状況も後退駐車(車庫入れ駐車)、前向き駐車、縦列駐車に対応してくれるので、様々な場所の駐車時に活躍してくれます。

「完全な自動運転ではない」、なにを不得意とするのか

 駐車が苦手な人には拝みたくなるほど便利な機能の「プロパイロットパーキング」ですが、もちろん不得意なこともあります。それは、路面に凹凸や突起物がある状況。たとえば、フラップ式のコインパーキングや立体駐車場の凹凸のあるパレットへの駐車などはNG。作動速度は、クリープ速度程度なので、段差を乗り越えることはしないためです。もし後方にスペースがあるのに停車した場合は、クリープ速度で進めなったことで縁石などとの接触を考慮し、駐車動作を終了します。

 これはカメラを含めセンサーは車両の下側をセンシングしていないこともあります。ただ国土交通省の施工指針に則った駐車場なら問題はないので、路面上に設備がある駐車場など特徴的な場所では注意が必要といえるでしょう。では、住宅などの駐車枠がない場所といえば、こちらも心配無用。自動検出機能は働きませんが、手動設定で駐車位置を決めることができるので、「プロパイロットパーキング」を利用することができます。

 開発者によると「駐車スピードは、速すぎると怖さがあり、遅すぎると使えないと感じます。そのバランスを十分考慮して作動スピードを決めました」とのこと。また安全面を優先してシステム設計をしているとしたうえで、システムが障害物を検知しにくい状況も考えられるため、周囲の安全確認はドライバー自身がしっかり行うことが前提であり、完全な自動運転ではないことも強調していました。

 画期的な自動駐車支援機能である「プロパイロットパーキング」は、今後、様々な日産車にも搭載されそうですが、先にも述べたように、操作系の電動化がひとつの課題となります。このため、まずはこのノウハウと機能を部分的に採用し、これまでのものより機能的かつ便利な駐車支援機能の登場が期待されます。

【画像】日産「リーフ」のインテリアとインパネまわり

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