日本郵船、2022年までの中期経営計画を発表 成長戦略のカギはデジタル&グリーン?

日本郵船、2022年までの中期経営計画を発表 成長戦略のカギはデジタル&グリーン?

日本郵船の主要事業のひとつ、自動車船事業はさらなる拡大を目指す。写真は同社の自動車専用船「アリエス・リーダー」(2017年12月17日、乗りものニュース編集部撮影)。

日本郵船が2022年までの中期経営計画を発表しました。日本最大の船会社である同社は、この5年間をどのように描くのでしょうか。

先が見通せない時代を勝ち抜くため

 日本郵船は2018年3月29日(木)、2018年度から始まる今後5か年の新しい中期経営計画を発表しました。表題に「Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green」と掲げ、不透明な事業環境と多様に変化する社会に素早く的確に対応し、持続的な成長を遂げるための戦略を示すものといいます。

 2016年、日本郵船は同社が「未曾有の」と表現するほどの海運不況に見舞われました。これにより前回の中期経営計画目標は未達となりましたが、今回はその反省を踏まえ、より安定した経営、収益を目指す内容になっています。

 たとえば、同社のおもな収益事業に「ドライバルク(鉱石や穀物などのばら積み船)」と「コンテナ船」の運航がありますが、これらは前述した不況の影響を大きく被りました。そうした変動の幅が大きく不安定な事業に関しては抜本的に見直し、最適化、安定化を図っていくとします。2018年4月1日には、商船三井、川崎汽船と共同設立した、3社の定期コンテナ船事業を統合したOcean Network Express社も本格的に稼働を開始します。会見に臨んだ日本郵船の内藤社長は、こうした見直し対象の事業について「向こう3年でアクセルを踏めるようにする」と述べています。

 一方で、自動車船やLNG運搬船など安定した収益を上げている事業に関しては、今後も事業の拡大を図り、さらなる積み上げを目指すとしています。たとえばLNG事業については、北米のシェールガスで今後も規模拡大が可能とし、2017年度現在運搬船が70隻程度のところ、2022年には25隻追加し100隻程度まで増やしていくとのことです。内藤社長は、2050年にはLNGが石炭にとってかわるだろうという見方に触れ、「成長という意味ではやはりLNGだろうと考えております」といいます。

やはり気になる2020年の「SOx排出規制」

 そうしたロードマップを実現するうえで、事業を効率化し、さらには新たな価値を創出していく方策として、表題に掲げた「Digitalization and Green」、すなわちデジタル技術と環境技術に取り組むとのことです。

 これまでも船陸間のデータマネジメントシステムの開発や、次世代燃料船の採用などに取り組み、効率化をすすめてきた日本郵船ですが、今後もそれらを推し進め、さらなる効率化、あるいは洋上風力発電や水素キャリアなど再生可能エネルギーをテーマとした、新たな事業の開拓を目指すといいます。

 こうした計画により、2017年度経常損益270億円の黒字を(最新予測による)、2022年度を目途に700億円から1000億円へと成長させたいとしています。

 なお5か年計画の中盤にあたる2020年には、国際的な船のSOx(硫黄酸化物)排出規制が始まります。2018年現在、日本郵船は800隻弱の運航船のうち、およそ250隻の自社船を抱えますが、それらを規制に対応させるタイムリミットが迫っています。対策はSOx除去装置「スクラバー」の設置や、LNG/LPGガスでの対応、規制適合油の使用などが考えられますが、内藤社長は「たとえばすべての自社船を、スクラバーの設置につっこむのは危険と思っております。我々としてはポートフォリオを見ながら、少しずつ対応させていこうと思っています。すでにスクラバーを設置している、あるいはその予定の船がございますが、これもポートフォリオのひとつと考えています」と述べています。

【写真】日本郵船が描く2030年の船の姿

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