増える「コードシェア」とは何か 航空会社と利用者のメリットは 

増える「コードシェア」とは何か 航空会社と利用者のメリットは 

2018年10月末からANAとコードシェアを開始予定のイタリア-アリタリア航空(画像:Przemyslaw Szablowski/123RF)。

日系キャリアと海外航空会社のコードシェア便の運航が増えています。そもそも、コードシェアとはどういったもので、航空会社や利用者のメリット、使い方のコツはどういったところにあるのでしょうか。

コードシェアは複数の航空会社で1社の飛行機を運航

 2018年3月、JAL(日本航空)はハワイアン航空(アメリカ)と、ANA(全日空)は吉祥航空(中国)とコードシェア便の運航を開始しました。また、ANAは同3月にイタリア-アリタリア航空と10月28日(日)よりコードシェア便を運航開始予定であることも発表しました。このように、外国航空会社と日系航空会社のコードシェア便が増えています。

 コードシェアとは、2社以上の航空会社が1社の飛行機で旅客の運送を行うことです。たとえば、日系A社と米国B社が成田とホノルル間でコードシェアを行うとします。この運航に日系A社の飛行機を使う場合、米国B社は日系A社から座席を買い取り、米国B社の座席として販売。収益を得ます。

 この飛行機にはそれぞれの会社名を冠したふたつの異なる便名がつきます。「JL770、HA5387」などです。見分ける目安として、運航を行う会社の便名は3桁まで、行わない会社が4桁を使うことが多いといえます。チェックインを行うカウンターは、米国B社のチケットを持っていても、運航を行う日系A社のカウンターです。機内でも日系A社の乗務員がサービスにあたります。

 このコードシェア、航空会社にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

 まず、日系A社が就航していない空港に新規路線を開設するとなると、その空港にオフィスを設けたり、人を雇ったりと多大なコストがかかります。しかし、就航している海外C社の運航便でコードシェアを行えば、C社が空港での地上業務も運航業務も行ってくれるため、コストがさほどかからずにすみます。

集客やネットワーク構築など様々な航空会社のメリット

 また、路線のなかには、地方からの直行便などなかなか満席にならない便や、オンシーズンには満席になっても、オフシーズンは満席にならないものもあります。そうした場合に、複数社で競合してしのぎを削るより、コードシェアにしてそれぞれのネットワークを活用して集客し、ひとつの飛行機の席を埋めて運航するほうが互いに効率がよくなります。

 さらには、航空業界には「カボタージュ」と呼ばれる規制があり、他国の国内線を運航することができません。つまり、日系航空会社はロサンゼルス〜ニューヨークのような他国の国内2地点を結ぶ運航ができないのです。しかし、コードシェア便に限っては、相手国の航空会社(コードシェアのパートナー)の運航便で、入国地を経由した国内1区間の座席販売が可能です。例を挙げると、日系A社と米国B社のコードシェア便で、米国B社はロサンゼルス〜成田〜関西(空港)という日本国内区間の販売ができます。ただし、米国B社は成田〜関西のみの販売はできないのと、日系A社の運航が条件となります。これにより、米国B社は日本の主要都市や地方からの集客、ネットワーク構築による需要拡大を図りやすくなります。

 ちなみに、カボタージュ規制は、EU圏内や2国間協定で自由化している国もあります。国交省に聞いたところ、日本ではカボタージュ規制を自由化する予定は今のところはないそうです。

 このように、航空会社にとって色々なメリットのあるものですが、利用者にとっては、メリットがあるものなのでしょうか。

 これについては、日本をベースに考えると、ひとつには日系航空会社が就航していない路線を、日系航空会社のフライトとして手配できることが挙げられます。予約を同社のサイトで直接行うことが可能で、マイルも購入した日系航空会社で積算されます。

利用者にとってのメリットと使用のコツ

 ふたつめは、コードシェアで「マイル提携」がされている場合、積算したい航空会社のほうでマイルを貯められることです。たとえば、日系A社と海外C社のコードシェアで、C社のチケットを購入していても、希望すればA社でマイル積算をすることができます。その逆も可能です。重複して、いずれにも積算するようなことはできません。日系航空会社が運航していない路線でコードシェアが行われることも多いので、日系航空会社のマイルを貯めている旅客にとってはメリットといえるでしょう。

3つめは、コードシェアで海外C社のほうのチケットを購入していても、日本発着の運航が日系A社であれば、外国航空会社のチケットを購入していながら、言葉に不自由のない日系航空会社のサービスを受けられることです。また、その便の最終目的地までの運賃も、日系A社と海外C社を比較して、C社のほうが安い場合があります。

 コードシェアのデメリットは、たとえば日系A社が好きでチケットを購入しても、海外C社の運航便の場合があることです。この場合、事前座席指定を海外C社に「リクエスト」する形となり、日系A社のサイトからオンラインで指定できないものもあります。

 航空会社間の取り決めによって、ラウンジの共用やマイル提携など提供するサービスも異なります。サービス、運賃、マイル、利便性など、自分が求めるものによってコードシェアの利用価値も変わってきます。そこを明確にして便を選ぶのが、利用のコツといえるでしょう。

【写真】JAL×ハワイアン提携、変わるハワイ路線

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