日産「リーフ」、「e-Pedal」のしくみ 「セレナ」などのワンペダル操作とも違うワケ

日産「リーフ」、「e-Pedal」のしくみ 「セレナ」などのワンペダル操作とも違うワケ

2代目にあたる日産「リーフ」は2017年10月2日発売。写真は海外仕様車(画像:日産自動車)。

日産の電動自動車「リーフ」に搭載されている「e-Pedal」は、同じく日産の、アクセルペダルだけで加減速のコントロールができるという「e-POWER Drive」とどう違うのでしょうか。

アクセルペダルだけで加減速、日産「リーフ」の場合

 日産の電気自動車、新型「リーフ」に搭載される新機能「e-Pedal」。これはアクセル操作のみで加減速を実現したもの。これにより通常のクルマと比べ、ブレーキ操作を約9割削減できたというから驚きです。「e-Pedal」の機能と仕組み、さらに同様にワンペダル操作が可能な電動パワートレイン「e-POWER」の「e-POWER Drive」との違いを紹介します。

 e-Pedalは、減速時などに駆動モーターで発電を行う際に生じる発電抵抗による回生ブレーキを応用した機能で、アクセルのみのワンペダル操作の運転を実現していますが、最大の特徴は、停止保持が可能なこと。つまり、アクセル操作のみで停車できた場合、ブレーキペダルに踏みかえる必要がありません。しかも、坂道でも完全停止状態を維持するのが凄いところです。

 これは、回生ブレーキと摩擦ブレーキ(フットブレーキ)のふたつのブレーキを組み合わせ制御する電気ブレーキシステムで実現されています。「リーフ」の回生ブレーキは、最大0.2Gの減速力を発生し、ワンペダル操作のみで街中の走行や減速などを多くの部分をカバーできるといいます。もちろん、前走車が急減速した際など、より強くブレーキを掛けたい場合はブレーキペダルを使いますが、ともあれこれで約9割のペダル操作を削減できた訳です。

 ただ停車しようとする時に、回生ブレーキだけでスムーズに止まることは難しく停車保持もできないため、回生ブレーキの減速から最後は摩擦ブレーキへとバトンタッチを行います。これでスムーズな停車を実現。クルマが完全に停車した状態になると、電動パーキングブレーキが作動し、停車状態を維持。減速から停車時までブレーキランプも点灯するので、後続車からはブレーキ操作で減速及び停車をしているように見えるので安全面も問題ありません。

回生ブレーキのみならず トータルで実現する停車操作

 e-Pedalの摩擦ブレーキの役目は、なにも停車時だけではありません。実は、回生ブレーキは、発電抵抗によるブレーキなので、バッテリーに充電できるぶんしか発電させることができません。つまりバッテリーが満充電の状態では、走行した分しか電気が蓄えられないので、回生ブレーキの減速力は弱くなります。ですから、状況によっては減速力を一定に保つことができなくなってしまいます。そうならないために、摩擦ブレーキが補完する関係を持っているのです。これでドライバーに提供される減速能力は変わらないので、ワンペダル操作も停車まで不安なく行えるというわけです。

 さて、回生ブレーキによる加減速を行うのは「ノート」や「セレナ」の「e-POWER」に搭載される「e-POWER Drive」も同様で、こちらもワンペダルドライブをうたっています。ただe-Pedalとはシステムそのものが異なります。

 まず回生ブレーキの減速力は最大0.15Gとやや弱く、さらにフットブレーキとの協調制御も行っていません。これはe-POWER車のブレーキシステムは、これを搭載していないほかの「ノート」や「セレナ」と共通である通常のブレーキシステムを搭載しているためです。このため、「e-POWER Drive」では、ブレーキペダルの踏みかえは約7割減に留まるとしています。ただどちらもワンペダルで加減速が行えるのは同様で、電動化による新たな運転感覚が味わえるのは魅力といえるでしょう。

 そんなe-POWER Driveのワンペダルドライブを進化させたe-Pedalは、電動化による効率の向上や運転の快適性だけを追求したシステムと思われがちですが、それだけではありません。開発された最大の理由は、「ずっと乗っていたくなる電気自動車の実現」にあったといいます。

「ワンペダル操作」の本当の狙いとは?

 日産自動車の技術者によれば、「ずっと乗っていたくなるクルマ」とは、ドライバーの操作に対してリニアに反応する、つまり意のままに操れるクルマだそう。これを実現するのに、アクセル操作にリニアに反応するモーターは、まさに最適。そこで初代「リーフ」の開発で得た緻密なモーター制御技術を応用し、加減速共にドライバーがコントロールしやすいようにe-Pedalを作り込んでいったのです。

 このワンペダルによるリニアな加減速コントロールは、プロドライバーを超える緻密なコントロールを可能にしているだけでなく、雪道など滑りやすい路面も走りやすくなっているといいます。「リーフ」は前輪駆動車ですが、4輪の動きを常にモニターしており、スリップなどが起きた場合、前輪のみの回生ブレーキだけで車両姿勢が不安定だと判断すると、4輪にブレーキをかけることで姿勢安定化を図るといいます。発電を優先するため、回生ブレーキを積極的に使いながらも、フットブレーキがサポートすることで、幅広い条件下でワンペダルドライブを実現しているのが、リーフ新機能「e-Pedal」というわけです。

 近年、踏み間違えなどの事故が多いだけに、「e-Pedalは大丈夫なの?」という声もあるでしょう。ところがすでに購入したユーザーからの評判は上々で、ブレーキについての不安の声は一切ないといいます。

 もちろん、ワンペダルドライブは体験してみるのが最もわかりやすいので、まずは試してみるのがベターです。ただ実際乗った経験から感想をいえば、アクセル操作のみとはいえ、アクセルを緩めると減速し、加減速をドライバーにしっかりと意識させるため、踏み間違えなどは起こりにくいのではないかと考えます。

【画像】「リーフ」の走り追求 「LEAF NISMO Concept」

関連記事(外部サイト)