機内食に「宇宙日本食」のカレー、どんな味? ANA×JAXA「宇宙フライト2018」

機内食に「宇宙日本食」のカレー、どんな味? ANA×JAXA「宇宙フライト2018」

「宇宙フライト」の機内食。「宇宙日本食」として認証されているカレーなどが提供される(2018年9月12日、中島洋平撮影)。

ANAとJAXAがコラボレーションし「宇宙フライト2018」を実施。ISS(国際宇宙ステーション)に滞在する宇宙飛行士が食べる「宇宙日本食」が成田〜ヒューストン線の機内食として提供されます。

ISSに滞在する宇宙飛行士のお楽しみ、「宇宙日本食」

 ANA(全日空)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が、成田〜ヒューストン線で機内食に「宇宙日本食」などを提供する「宇宙フライト2018」を実施します。

 期間は、「宇宙の日」(毛利 衛さん日本人として初めてスペースシャトルに搭乗した記念日)である2018年9月12日(水)から、「空の日」である9月20日(金)までの9日間です。なお、発着地であるヒューストンは、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジョンソン宇宙センターがあり、宇宙にゆかりのある都市であることから選ばれたそうです。

 ANAでは、宇宙旅行や高速輸送の可能性を探る「宇宙事業化プロジェクト」を1月に立ち上げたばかり。その活性化やISS(国際宇宙ステーション)の理解促進を目指し、JAXAとのコラボレーションに至ったといいます。

「事業化プロジェクトでJAXAさんと話すなかで、ISSに滞在する宇宙飛行士にリラックスしてもらうための『宇宙日本食』に関心を持ちました。これを通じて、宇宙を身近に感じていただけるのではないかと思ったのが発端です」(ANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボ チーフディレクター 津田佳明さん)

「宇宙日本食」とは、宇宙食としての基準を満たしているとJAXAが認証した食品。伝統的な日本食に限らず、日本の家庭で食べられている範囲の食品を対象としており、2018年8月現在で16社の32品目が認証されています。今回の機内では、宇宙日本食に認証されているビーフカレーや緑茶、小倉ようかん、キシリトールガムが提供されます。

 ヒューストン便の搭乗前に成田空港の国際線出発ロビーで開催されたイベントでは、2016年にISSで113日間滞在したJAXAの宇宙飛行士、大西卓哉さんがISSでの食事ついて語りました。ちなみに大西さんは元ANAのパイロットです。

「ISSに新鮮な食材を持ち込んで調理することはできませんので、食事はレトルトやフリーズドライなどの製法でつくられた宇宙食です。基本的に、アメリカから持ち込まれた『標準食』を食べるのですが、全体の15%ぶんは『個人食』といって各自が好きなものを持ち込めます。滞在が長くなると食事に飽きてきたりストレスが溜まったりしますので、その解消を兼ねて、個人食として持ち込める食品が『宇宙日本食』なのです」(大西さん)

 ISSに持ち込んだ宇宙日本食を、頑張った日のご褒美として食べたり、仲間と物々交換したりしていたという大西さん。好きな宇宙日本食はカレーと、さばのみそ煮だそうです。

海外の宇宙飛行士にも人気だったカレー、どんな味?

 大西さんによると、個人食として持ち込んだ宇宙日本食のなかでも、特にカレーは海外の宇宙飛行士にも大人気だったそう。「宇宙日本食は日々の癒しとして、本当に心強い存在でした」と振り返ります。

 今回機内で提供される宇宙日本食のうち3つは一般の品と変わりませんが、カレーは宇宙食用につくられているものです。ISSのなかでは、水の粒が丸まって散らばってしまうため、とろみや粘り気が強くなっていたりするほか、そのような環境下で味覚が単調になることから刺激も強化されており、濃厚な味わいだそうです。

「宇宙で食べていたときは普通のカレーだと思っていたのですが、地上ではスパイシーに感じるかもしません」と大西さん。ISSで仲間とふだん食べる標準食は、健康への配慮から低塩分で「パンチは弱い」のだそうです。この濃厚なカレーが、海外の宇宙飛行士にも人気だった理由がわかる気がします。

 宇宙と飛行機内、環境は違えど似通う部分もあるようです。ANAホールディングスの津田さんは、「高度1万m以上の高さを飛ぶ機内では、湿度や気圧の違いで味覚も変わるといわれています。そのような環境でリラックスいただくという目的は、機内食も宇宙日本食も同じでしょう」と話します。

 なお「宇宙フライト」が行われるヒューストン線では期間中、JAXAの大西さんも出演するビデオコンテンツの放映や、搭乗証明書などの記念品配布も行われます。

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