クルマの乗り換え時期はいつなのか 「高齢化」進む日本のクルマ、その実際のところ

クルマの乗り換え時期はいつなのか 「高齢化」進む日本のクルマ、その実際のところ

1989年に発売されたマツダ初代「ロードスター」NA型。長く乗り続けている人が多い車種のひとつ(画像:マツダ)。

日本ではひとつのクルマに長く乗り続ける人が増え、クルマの「高齢化」が進んでいます。いまのクルマは確かに丈夫になっているようですが、税金、保険料など維持費の面で、乗り換えをどう意識すればよいのでしょうか。

日本のクルマの平均車齢、平均使用年数は

 現在クルマを運転している人は、そのクルマをどれくらいの期間乗っているのでしょうか。

 自動車登録情報を管理する自動車検査登録情報協会が、人間でいう「平均年齢」にあたる、いま走っているクルマの平均車齢(新車登録からの経過年の平均。軽自動車を除く)を公開しています。それによると、2017年3月末における乗用車の平均車齢は8.53年。これは10年前と比べて1.44年延び、23年連続して過去最高齢を更新しているそうです。

 そして、人間でいう「平均寿命」、つまりそのクルマが国内で登録されてから登録抹消されるまでの平均使用年数は、同時点において乗用車で12.91年です(一時抹消も含まれるため、完全にスクラップされるまでの期間とは異なる)。これは10年前と比べて1.25年延びています。

 軽自動車はどうでしょうか。軽自動車検査協会のデータによると、2017年12月末現在における軽乗用車の平均車齢は8.37年、2017年の永久返納車両における平均使用年数は14.55年となっています。これは10年前と比べ、それぞれ1.93年、2.33年延長しており、「高齢化」の進展は登録車よりも顕著です。

 たとえば登録乗用車の平均使用年数は、1980(昭和55)年に8.29年だったのが、2001(平成13)年を境に10年を超え、以後も年数が延長する傾向にあります。1台のクルマが10年以上乗り続けられるケースは着実に増えているといえるでしょう。

乗り換え時期はいつ? その実際のところ

 一般的にクルマの寿命は走行距離10万km、あるいは10年という話も聞かれます。その根拠としては、日本では多くの自動車メーカーがエンジンやブレーキ、ステアリングといった重要部位についての「特別保証期間」を「新車登録から5年間または走行距離10万kmまで」と定めていたり、1995(平成7)年まで、新車登録から10年を超えると車検期間が2年から1年になったりしたことが挙げられるかもしれません。

 では実際に、10年や走行距離10万kmといった要素は、乗り換えの動機になっているのでしょうか。関東地方のある自動車整備工場の代表に聞きました。この会社は自動車販売も手掛けていますが、「当社は整備が主体なので、ディーラーなどと比べると乗り換えの営業アタックはあまりしていないこともあり、長く乗られるお客様が多いでしょう」としたうえでの回答です。

――御社のユーザーは、どれくらいの期間ひとつのクルマに乗っているのでしょうか?

 みなさん平気で15年は乗られます。平均でも10年はゆうに超えているでしょう。

――ユーザーはどのようなときに乗り換えを意識するのでしょうか?

 整備費用との兼ね合いですね。昔はタイミングベルト(エンジンなどの駆動系を動かす部品のひとつ)交換などで10万円、車検と一緒のタイミングだと20万円になり、そこで乗り換えようかというケースが多かったのですが、いまのクルマはベルトではなくチェーンの車種が増え、耐久性が上がっています。ほかに乗り換えを考えるタイミングといえば、エアコンや足回り、エンジンの不具合などでしょう。修理費はエアコンで7万円から10万円、足回りは一通りで10万円以上です。

 当社の場合は修理をメインとしていますが、車検整備の見積もり時に、たとえばマフラーに穴が空いてたり、コンピューターが壊れていたりすることがわかったら、さすがに乗り換えをお勧めすることもあります。特に、いまのクルマはマスターのコンピューターによって様々な箇所が統括制御されているので、ひとつひとつの部品にもセンサーやコンピューターが内蔵されていて、部品がより精密かつ高価になっているからです。

――下取り査定を考えると、どうでしょうか?

 もちろん、年式が新しいクルマほど査定額は高くなりますが、3回目の車検を過ぎたころ(初度登録から7年後)からは、さほど変わらなくなってきます。走行距離の面でも、いまは「ちょい乗り」が増えて短くなっていることが当たり前ですので、以前より査定への影響が少なくなっているでしょう。ただし、特定の人気がある車種では、年数が経っていても高く査定される傾向はあります。

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 前述のとおり、日本における登録乗用車の平均使用年数は12.91年となっていますが、新車登録から13年を過ぎたクルマは、いわゆる「自動車税のグリーン化」により、毎年の自動車税も15%割増になります。しかし、この整備工場の代表によると、結局は整備費との兼ね合いになるので、13年を意識して乗り換える人は多くないのではないかといいます。

乗り換えたら保険料はどう変わる?

 新車登録から13年を超えると自動車税は高くなりますが、では、ランニングコストのひとつである自動車保険料はどうでしょうか。新しいクルマに乗り換えるとどう変わるのか、損保ジャパン日本興亜に聞きました。

――新しいクルマに乗り換えると、自動車保険料はどう変わるのでしょうか?

 新車の場合、新車登録から5年間は新車割引が適用されます。これは、新車のお客様は意識的に安全運転を心がけるので、割引が妥当という考えに基づくものです。また、2017年1月からはAEB(衝突被害軽減ブレーキ)が装備されたクルマを対象に「ASV(先進安全自動車)割引」が導入され、一律9%割引になりました。この制度は、型式の発売から3年以内で、AEBを装備したクルマが対象です(型式の発売日を基準としているので、同じ車種でも対象期間が異なる場合がある)。

――たとえば新車割引の適用期間である5年が、乗り換えの目安になることはあるのでしょうか?

 お客様がそれを物差しにしてクルマを買い替えるかといったら、必ずしもそうではありません。しかし5年という期間は2度目の車検までの期間とも重なっていますので、ディーラーの営業担当の方がそれをフックに「車検も来ましたし」と、乗り換えの営業をされるケースはあるかと思います。新車割引が5年に延長されたのも最近のことです。事故が減り、保険金の支払いも少なくなってきているので、保険料を徐々に下げる形でお客様への還元が進んでいます。

――長く乗り続けることは、保険料に影響しますでしょうか?

 いえ、長く乗り続けるほど保険料が上がっていくということはありません。しかし、いちど事故を起こされて保険金をお支払いした場合などは高くなります。

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 自動車保険料が抑えられ、新車への乗り換えがしやすくなっている一方で、技術の向上にともなって車両価格が高騰する傾向にあるのも事実です。前出の自動車整備工場の代表は、「いまは所得の格差が広がっているのか、ひんぱんに乗り換える人と、長く乗り続ける人とで二極化しています」と話します。

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