危険な「車検切れ」走行の実態 推定20万台前後 国交省も新装置で街頭検査を本格化

車検切れで走行している車は推定20万台前後 全体の全体の0.2〜0.3%

記事まとめ

  • 国交省の「可搬式ナンバー自動読取装置」による車検切れ車両の街頭検査が本格化した
  • 2時間の検査で746台のナンバーを読み取り、車検切れ車両1台、無登録車両1台をとらえた
  • 全体の0.2〜0.3%(16万4000台から24万6000台)が無車検で走行しているという

危険な「車検切れ」走行の実態 推定20万台前後 国交省も新装置で街頭検査を本格化

危険な「車検切れ」走行の実態 推定20万台前後 国交省も新装置で街頭検査を本格化

千葉運輸支局による街頭検査の様子(画像:国土交通省関東運輸支局)。

国土交通省が試行運用を進めてきた「可搬式ナンバー自動読取装置」による車検切れ車両の街頭検査が本格化。車検切れ車両の公道走行は、一発で免停になる重大な違反ですが、その実態はどのようなものでしょうか。

2時間の調査で違反車両2台、うち1台は悪質

 国土交通省関東運輸局 千葉運輸支局は2018年9月14日(金)、「可搬式ナンバー自動読取装置」を使用した街頭検査を、千葉県内の道の駅で実施しました。

 この装置は、道路脇などに設置したカメラで走行する車両のナンバーを読み取り、瞬時にデータベースと照合して登録情報を確認するもの。目的は無車検(車検切れ)の状態で公道を走る車両への対策強化です。

 国土交通省では2017年度から公道でこの装置の試行運用を重ねていますが、本運用は今回が初めて。2時間の検査で746台のナンバーを読み取り、車検切れ車両1台、無登録車両1台をとらえ、ドライバーに対して直接指導・警告を行ったといいます。この2件についてはさらに、警察も道路運送車両法違反の容疑で捜査中だそうです。

「クルマは使っているうちに必ず壊れます。車検が切れているということは、点検整備をしていないということですので安全上の問題もあるうえ、ほとんどの場合、自賠責保険も切れており、事故時の補償もできません」

 このように話すのは、国土交通省自動車局整備課の担当者です。同課に詳しく話を聞きました。

――まず、ナンバー読み取り装置を用いた街頭検査の手ごたえはいかがでしょうか?

 効率が全然違います。従来の街頭検査では、担当者が1台ずつ車両を止めて車検証を確認していましたが、今回のような装置を用いた検査は手間も時間もかかりません。

――試行運用の段階と本運用とで、何がちがうのでしょうか?

 試行運用では、無車検運行が確認された使用者に対し、まずその使用停止と車検を受けるよう促すハガキを送付してきました。今回から始まった実運用は、直接その場で指導・警告を行うという即時性に効果があります。なお、試行運用の段階でも警察に通報するなどして連携しており、悪質性が高いと警察が判断したものについては適切な処分がなされているでしょう。

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 ちなみに、関東運輸局によると、今回の千葉における街頭検査でとらえられた無登録車両1台は、ナンバー登録を一次抹消のうえ、ちがうクルマのナンバーをつけて運行していたとのこと。国土交通省自動車局整備課の担当者は、悪質性の高いケースであると考えているそうです。

無車検車は増えている? うっかりか、確信犯か

 そもそも、無車検の車両は増えているのでしょうか。再び国土交通省自動車局整備課に聞きました。

――無車検の車両は増えているのでしょうか?

 増えているというより、けっこうな割合で公道を走っている事実が近年露呈してきたというのが実際のところです。2014年から2016年にかけ、全国の歩道橋に定点カメラを設置して通過車両のナンバーを読み取ったところ、全体の0.2〜0.3%が無車検(編集部注:2018年6月末現在における日本の自動車保有台数は約8200万台で、そのうちの16万4000台から24万6000台にあたる)であることがわかりました。

――その事実を受けてどう対応したのでしょうか?

 まず、無車検車両のユーザーにハガキを送り、車検を受けるよう促しました。車検切れから1年以内くらいの人は「うっかり忘れ」が多いので大半は受けてくれましたが、残念ながら確信犯の人もいます。最終的には直接そのユーザーに指導・警告を行い、さらに警察の取締りが行われることもありました。

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 実際に車検整備を担う現場では、車検切れが近いユーザーに対してどう通知しているのでしょうか。関東地方のある自動車整備工場の代表によると、通常は車検の3か月前、そして1か月前にもダイレクトメールを送り、さらに直前の時期を含めて折に触れ電話でも「車検どうしますか? それとも乗り換えますか?」といった相談を行っているそうです。

 この代表によると、「無車検車の大半は『うっかり忘れ』ですが、たまたま修理を依頼された車両が車検切れであるとこちらで気づくケースもあります」とのこと。そうしたクルマは大概ボロボロだったり、車内が汚なかったりして、何となくわかるのだとか。「お金がないなどの理由で、バレなければいいと、あえて受けないのでしょう」と話します。

 なお、無車検車両を公道で走行した場合の罰則は、違反点数6点、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金、無保険車両を公道で走行した場合も違反点数6点、12か月以下の懲役または50万円以下の罰金とされています。いずれも、一発で免許停止になる重大な違反です。

 国土交通省自動車局整備課は「可搬式ナンバー自動読取装置」を2018年度中に全国の街頭検査へ導入するそうです。「持ち運びが簡単なので、どこで街頭検査が行われるかわからないという抑止効果もあると思います」と期待を寄せており、実施場所も事前に公表しないといいます。また、国土交通省では「無車検車・保険(共済)車通報窓口」をウェブサイトに設置しており、寄せられた情報に基づき必要な措置を講じていくとしています。

【写真】持ち運び可能 ナンバー自動読取装置のカメラ

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