雪少ない地域の高速も「大雪で立ち往生」 首都高、新東名…こんなところに要注意

雪少ない地域の高速も「大雪で立ち往生」 首都高、新東名…こんなところに要注意

大雪に見舞われた東京都内。2018年11月22日からの大雪では、首都高において大規模な車両の立ち往生も発生した(画像:写真AC)。

2018年1月、大雪の影響で首都高の山手トンネルにおいて10時間にわたり車両が滞留する事態が発生しました。近年、あまり雪の降らない温暖な地域や都市部でも、大雪で多くの車両が立ち往生し、通行止めが長びく事例がしばしば発生。なかでも特に注意すべき箇所があります。

トンネルに閉じ込められ10時間

 近年、大雪時に多くの車両が立ち往生し、幹線道路が長時間にわたり通行止めになる事態がしばしば発生しています。これを受け、国土交通省では過去に大規模な立ち往生が発生した箇所や、勾配5%(100m進むと5m上がる/下がる)以上の峠道を中心に、「タイヤチェーンの装着が必須なチェーン規制」を2018年度の冬から導入する方針。大規模立ち往生の原因となった車両の多くが冬用タイヤのみで、坂道を上れなくなるといった事例が多かったためです。

 こうした大規模な立ち往生は、降雪の少ない地域でも起こっています。たとえば2018年1月22日から23日にかけて首都圏を襲った大雪では、首都高C2中央環状線の西側区間に位置する山手トンネル(西池袋出入口〜大井JCT、全長18.2km)外回りの西新宿JCTから大井JCT付近まで、約12kmにわたってトンネル本線に車両が滞留。通行再開までに10時間を要しています。

「西新宿JCTで4号新宿線(高井戸方面)に入ろうとした大型車が、チェーンを装着していたものの切れてしまっていたため、JCTの坂(勾配8%)を上れなくなりました。その後、自力登坂をあきらめて待避所へ移動しましたが、そのあいだに外の積雪が増加し、後続車も坂を上れなくなったのです。これら原因車両を排出したあとも、他区間が通行止めになっていたため、滞留している車両の行き先を1台ずつ確認しながら出口やルートを案内し、その誘導に時間がかかりました」(首都高速道路)

 同じころ、C2中央環状線では外回りの王子南出口付近を先頭に約1.6km、内回りの四ツ木出口を先頭に約10kmにわたる立ち往生が発生し、それぞれ解消に11時間以上を要しました。首都高以外の都市高速でも特に、急な坂になっていることが多い出入口や、トンネルの前後などで立ち往生が発生しています。

 首都高では2018年度冬に向けた対策として、過去に立ち往生が発生した場所を中心に30か所以上の「立ち往生発生リスク箇所」をまとめ、凍結防止剤散布の体制を強化したり、レッカー車を増備したりしました。また、山手トンネルやK7横浜北線の横浜北トンネルといった長大トンネルのある路線では、地上区間の路面状況が悪化した際、トンネル区間も含めて全線通行止めにすることもあるそうです。

新東名では路面ツルツルで立ち往生に 対策は

 2017年2月には、新東名高速の御殿場JCT〜長泉沼津IC間で約9kmにわたり、およそ1000台が立ち往生しました。

 高さ30mにも及ぶJCTのランプ橋が凍結し、下り勾配でスリップした大型車が動けなくなったことがきっかけです。路面の融氷作業に時間を要し、滞留車両の排出に約11時間30分、通行止め解除まではさらに1時間かかっています。

「急勾配の箇所やJCTの高架橋などは風通しもよく、アイスバーンになりやすいです。こうした『要注意箇所』に限らず、管内全体で、天候の予報に応じて本格的な降雪が始まる前に、予防的な通行止めを行うこともあり得ます」(NEXCO中日本)

「予防的な通行止め」とは、国土交通省の「冬期道路交通確保対策検討委員会」が示す大雪時の通行確保に向けた考え方のひとつ。雪が本格的に積もってから通行止めを行い、除雪作業を開始するのではなく、早めに通行を止めて集中的に除雪を行い、立ち往生の発生を未然に防ぎ、早期の通行再開につなげるというものです。

 首都高でも、特に立ち往生リスクの高い一般道への出入口部などは、本線が通行止めになる以前から閉鎖する場合もあり得るとのこと。

「凍結防止剤の散布などによって極力通行止めをしないようにするものの、それでは追いつかないような大雪が見込まれる際に、予防的な通行止めを行います。『災害級』の大雪が予想される場合はお出かけをお控えいただくのが第一ですが、やむを得ず外出される際には、交通情報や天候予報をよくご確認いただき、必ず冬タイヤなどの滑り止めを講じてください」(首都高速道路)

 ちなみに、前出の2018年1月22日からの大雪で、首都高は総延長320kmの約7割にあたる約230kmが通行止めに。全面的な通行再開に4日を要しています。

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