同じ路線で数字だけ違う「大正〇号」バス停が21か所も! 北海道ならではのバス停事情

同じ路線で数字だけ違う「大正〇号」バス停が21か所も! 北海道ならではのバス停事情

「大正11号」の1分後に「大正12号」、その1分後に「大正13号」に到着。「大正9号」から「大正17号」まで連続する(画像:十勝バス)。

「大正9号」「大正10号」「大正11号」……番号だけが異なる名前のバス停が連続する路線が北海道に存在します。そこには、北海道ならではのバス停事情があるようです。

16分のあいだに21か所の「大正○号」バス停

 路線バスでは、「〇〇1丁目」「〇〇2丁目」といったように、同じようなバス停名がいくつも存在することがあります。なかには、同路線でこうしたバス停名が20か所以上あるケースも。

 たとえば、北海道のJR帯広駅から南へ、約2時間半かけて広尾町までを結ぶ十勝バス広尾線。この路線では「大正9号」「大正10号」……と、複数の「大正〇号」バス停が連続します。

 帯広駅バスターミナルを6時2分に発車する始発のバスに乗車すると、「大正○号」連続区間に差し掛かるのは6時36分。最初のバス停名は「大正9号」です。1分とかからず、同じ36分に次のバス停である「大正10号」に到着します。

 続く37分には「大正11号」、38分には「大正12号」と1分おき、ないしは1分以内に「大正17号」まで通過。するとようやくバス停名に変化が表れ、43分に「大正本町」「大正」を通過します。しかし、44分からは再び「大正18号」「大正19号」と数字順に。「大正27号」まで進むと、やっと「大正」ではないバス停「幸福」に到着しますが、その後またも「大正29号」「大正30号」が続きます。

「大正30号」の到着時刻は6時51分。6時36分の「大正9号」からわずか16分のあいだに、21か所もの「大正○号」があるのです。

それぞれにバス停名は付けられなかったのか!?

 なぜ似たようなバス停がこれほど続くのか、十勝バス乗合課 課長の若森さんに話を聞いたところ、「北海道ではよくあること」なのだとか。

「当社だと、幕別線(幕別高校前〜幕別南町)は『東2条9丁目』『東4条9丁目』『東4条7丁目』といくつもの『東○条』バス停を経由します。数字が異なるだけで似たようなバス停が続くのは、北海道では珍しくありません」(十勝バス 若森さん)

 その理由は、「ほかに目印となるものがないから」とのこと。「たとえば松本さんが営む農場の前にバス停があるなら、『松本農場前』などというバス停名をつけるところもあります。ただ当社では、基本的に個人名はバス停に採用していません」と説明してくれました。

 これだけ続く「大正○号」。十勝バスの若森さんによると、このようなバス停は地域の人にとっては当たり前の景色でも、「“でっかいどう”に来た人には物珍しいらしく、観光名所でもなんでもないバス停で下車して、次の便がくるまでそこで散策や撮影を楽しむ方もいらっしゃいますよ」とのことです。

 この十勝バス広尾線は、1987(昭和62)年に廃止となった旧国鉄広尾線の代替バスです。1970年代には、この路線の愛国駅から幸福駅までの乗車券が「愛の国から幸福へ」のキャッチフレーズで人気を博しました。両駅とも、いまなお駅舎が残されており、多くの観光客がバスに乗って訪れるそうです。

「板張りのプラットホームも残る幸福駅、駅舎前に『幸福行き』切符をかたどったモニュメントが建つ愛国駅ともに、“帯広の聖地”として親しまれています。今後も、ここを訪れる交通手段として多くの方にご利用いただきたいですね」(十勝バス 若森さん)

 ちなみに、「〇号」バス停が連続する路線は北海道以外にも。たとえば神奈川県の藤沢駅を起点に、藤が岡地区を周回する神奈川中央交通の「藤101」系統では、「藤が岡1号」から「藤が岡15号」までが連続します。

※記事制作協力:風来堂、松本玲子、かとうちあき

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