「東トウ」「八ミツ」…電車の車体に謎の文字列 どういう意味?

「東トウ」「八ミツ」…電車の車体に謎の文字列 どういう意味?

山手線のE231系500番台に記された「東トウ」の文字(2018年12月19日、伊藤真悟撮影)。

JRの電車には、車体の端に「東トウ」「八ミツ」のような漢字1文字+カタカナ2文字が記されています。何を意味しているのでしょうか。

カタカナ2文字は国鉄時代から続く略号

 JRの電車をよく見ると、車体の端に漢字1文字とカタカタ2文字が記されています。たとえば山手線のE231系電車500番台は「東トウ」、中央・総武線各駅停車のE231系電車は「八ミツ」、埼京線のE233系電車7000番台は「宮ハエ」などです。この文字は、その車両がどの車両基地に配置されているのかを意味しています。

 漢字は本社や支社などの所属組織、カタカナは車両基地の電報略号です。「東トウ」はJR東日本東京支社の東京総合車両センター、「八ミツ」はJR東日本八王子支社の三鷹車両センター、「宮ハエ」はJR東日本大宮支社の川越車両センターといった具合です。

「電報略号」とは国鉄時代から使われている省略記号です。電子メールやファックスなどがなかった当時は、連絡手段として電話や電報を使用していました。電報は英数字とカタカナが送受信できましたが、長いカタカナの文章だと読みにくく、また、読み間違えて事故が発生する危険性もありました。

 そこで国鉄は、駅や車両基地、路線などの名称をカタカナ1文字から6文字程度で制定。短く正確に情報を伝達できるようにしたのです。

 三鷹の場合は「ミタ」でも良いように思いますが、現場では「ミツタカ」と読ませていたため、頭2文字を取って「ミツ」にしたといわれています。川越は「カワ」だと川崎と重複するため、旧仮名遣いの「カハゴエ」から「ハエ」としたようです。

 例外もあります。JR貨物が2002(平成14)年に導入したM250系電車「スーパーレールカーゴ」は「貨東タミキク」と表示。「貨」はJR貨物、「東タミ」は東京貨物ターミナル駅、「キク」は機関区の略号です。東京貨物ターミナルに併設されている大井機関区の所属であることを表わしています。

「盛モリ」「海カキ」「米イモ」…実在の表記です

「八ミツ」が「ハチミツ」と読めるように、そのまま読むと面白いものがほかにもあります。

 485系電車改造の観光列車「ジパング」が所属するJR東日本盛岡支社盛岡車両センターは「盛モリ」。なんか元気が湧き出てきそうです。特急「成田エクスプレス」のE259系電車が所属するJR東日本横浜支社鎌倉車両センターは「横クラ」。横倉さんなら大喜びかもしれません。

 寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に使われている285系電車は5編成あり、JR西日本とJR東海が運用しています。

 このうちJR東海の2編成はJR東海大垣車両区の所属で、記号は「海カキ」。ちなみに「海」は東海鉄道事業本部の意味です。

 JR西日本の3編成は、2008(平成20)年5月までJR西日本米子支社の出雲鉄道部出雲車両支部に所属。記号は「米イモ」でした。しかし、同年6月に車両基地の名称が後藤総合車両所出雲支所に変わったため、表記も「米トウ」に変わっています。

 ちなみにディーゼルカーや客車、貨車の一部も表記ルールは同様ですが、機関車は別。所属する車両基地の名称から漢字1文字あるいは2文字からなる略号を、運転席の横などに札で表示しています。JR東日本田端運転所であれば「田」、JR西日本下関運転所は「関」、JR貨物富山機関区は「富機」です。

関連記事(外部サイト)