ド派手『北斗の拳』バスなぜ運行? 高速バスのラッピングに自治体が熱視線のワケ

ド派手『北斗の拳』バスなぜ運行? 高速バスのラッピングに自治体が熱視線のワケ

千曲バスの高速バスとして運行されている長野県佐久市の『北斗の拳』ラッピング車両(画像:佐久市)。

高速バスでは、車体にラッピングを施した車両が多く見られます。商品や商業施設などの広告もありますが、自治体のPRも少なくありません。なかには奇抜なものもあり、地域のアピールにつながっているようです。

『北斗の拳』バスは「佐久市」ラッピング車両

 高速バスでは、車体にラッピングを施した車両が多く見られます。商品や商業施設などの広告もありますが、自治体のPRも少なくありません。

 たとえば長野県佐久市は2018年7月から、地元と東京(池袋)を結ぶ千曲バスの高速バス車両2台に、マンガ『北斗の拳』のラッピングを施しました。車体の側面や背面に所せましと『北斗の拳』のキャラクターが描かれ、背面には「佐久市に来い!」の文字が。ここに使われたイラストは、原作者で佐久市出身の武論尊さんと、作画担当の原 哲夫さんから、市が無償提供を受けたものです。ラッピング車両運行の背景を市に聞きました。

――なぜ高速バスにラッピングをしたのでしょうか?

『北斗の拳』と高速バスの知名度を生かし、佐久市を関東圏でPRするためです。今回は市が運行するコミュニティバスにもラッピングを施していますが、広域のPRには高速バスが一番だと考えました。

――どのような反応がありますか?

「迫力がすごい」といった声がSNSなどで見られます。かねてからコミュニティバスで、市のキャラクターや花をモチーフにしたラッピング車両を走らせていましたが、『北斗の拳』と高速バスの組み合わせは、発信力という点では圧倒的です。

――車両をデザインするうえで、工夫した点はありますか?

 大きな車体を生かして迫力を出すことを意識しました。コミュニティバスは全面ラッピングですが、高速バスは車体前方よりも後方のほうが、走っている車両から目につきやすいこともあり、車体後方から背面にかけキャラクターを集中的に配置しています。

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 佐久市によると高速バスのラッピングは、地元を盛り上げたいという思いに賛同した千曲バスと協同で行っているとのこと。市では今後、マンホールのふたなども『北斗の拳』仕様にするほか、2019年のゴールデンウイークには、市内で開催される熱気球の大会で、『北斗の拳』仕様の熱気球を飛ばすことも予定しているそうです。

高速バスのラッピング、県外へのPRには最適?

 こうした自治体による高速バスへのラッピングが比較的多いのが茨城県です。県バス協会によると2012(平成24)年ころから、県の水族館「アクアワールド・大洗」や、水戸市のラッピング車両が茨城交通の高速バスで誕生したのを皮切りに、常陸太田市、那珂市、神栖市、鹿嶋市、行方(なめがた)市など、自治体によるラッピングが増えたといいます。

 たとえば神栖市では2019年2月現在、市内と東京駅を結ぶ関東鉄道の高速バス1台をラッピング中。車体の左側面にピーマンの写真を大きく使い「ピーマン生産量日本一のまち」を、右側面にサッカーをしている人の写真を使い「スポーツ合宿のまち」をアピールしています。

「当市では東京駅への高速バスが10分に1本という頻度で走っていることもあり、東京圏との交流人口を増やすために、高速バスのラッピングが人目につきやすいのではないか、ということで実施しました」(神栖市政策企画課)

 茨城交通の担当者によると、高速バスのラッピングは一般企業よりも自治体関連が特に多いとのこと。「自治体さんが県外でPRしようとすると、どうしても費用がかかりますが、高速バスのラッピングは比較的安価でできることからも注目されています」といい、同社では高速バス1台あたりの製作費と、1年間の広告料金を合わせた金額を195万円(税別)と設定しています。対して、自治体以外の広告主は地元の企業が多いこともあり、どちらかというと、市街地を走る路線バスのラッピングを行う傾向だそうです。

 ちなみに、ラッピングのデザインは、地域のバス協会などによる審査があります。茨城交通の担当者によると、安全の観点から、信号機と同じ色の使用に制限があったり、たとえばマンガを読ませるようなストーリー性のあるものはNGだったりするそうです。

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