経済効果は3億円以上! NEXCO東日本 各地のSA・PAがメニューコンテストに賭けるワケ

経済効果は3億円以上! NEXCO東日本 各地のSA・PAがメニューコンテストに賭けるワケ

NEXCO東 2019年のメニューコンテストグランプリは常磐道 友部SA(上り)「茨城にメロメロ〜素晴らしき茨城の“食”に愛を込めて〜」1200円なり(鈴木ケンイチ撮影)。

恒例となったNEXCO東管内のSA・PAがオリジナルメニューを競うコンテスト。料理人としての技術やセンスが問われるのはもちろんですが、結果がその後の売り上げに直結するなど、参加者たちが真剣に取り組む理由がそこにはありました。

東日本を代表する、121メニューの頂点に立ったのは…?

 2019年2月28日(木)、「平成30年度 NEXCO東日本 新メニューコンテスト」決勝大会が、東京都世田谷区の料理専門学校にて開催されました。

 これは、NEXCO東日本のSA・PAが参加する毎年恒例の料理コンテストで、例年、秋に新しいメニューが考案・発売され、利用者投票によるブロック予選と地区ブロック大会を勝ち抜いてきたメニューがグランプリを競います。審査委員長はテレビ番組への出演でも広く知られる陳 建一さんが務め、ほかの審査委員にもタレントが名を連ねるなど、たくさんの取材陣が詰めかける、非常に華やかなイベントです。

 今回は上述のように、NEXCO東日本管轄地域のSA・PAから121メニューが参戦。決勝には12メニューが進出し、取材陣の目の前で調理が行われました。そして栄えあるグランプリに選ばれたのは、茨城県笠間市の常磐自動車道 友部SA(上り)による「茨城にメロメロ〜素晴らしき茨城の“食”に愛をこめて〜」。昨年に続く連覇であり、通算4回目のグランプリ獲得となりました。

「今回はシードという扱いで、非常にプレッシャーが大きかったです。血圧が上がるほどです」とは、グランプリを獲得した友部SA(上り)の料理人による弁です。ちなみに同SAは毎回、コンテストのたびに新しいお皿を用意することで知られています。今回も1枚あたり1万円以上もする皿を、なんと50セットも購入したとか。それだけでも50万円以上も経費がかかっていることになります。それだけ、このコンテストにかける意気込みが強いのでしょう。

 また今回、審査委員特別賞に選ばれた栃木県宇都宮市の、東北自動車道 上河内SA(上り)の料理人が、表彰式で涙ぐむシーンも見られました。うれし涙なのか、悔し涙なのかは判然としませんが、これも、コンテストにかける強い思いの表れでしょう。

 こうしたコンテストは東日本エリアだけではなく、NEXCO中日本エリアでも毎年開催され、同じように熱い戦いが繰り広げられているのです。

グランプリの経済効果をざっと試算してみると…?

 では、なぜ料理コンテストに、それほど熱心に取り組むのでしょうか。

 過去にグランプリを獲得したことのあるSAのスタッフに話を聞いてみたところ、最初に返ってきた答えが「売上のアップ」でした。過去3度のグランプリに輝いた友部SA(上り)でいえば、グランプリを獲得した3メニューだけで過去5年間に、なんと21万食以上も販売したというのです。メニューの価格は1240円と1500円でしたから、計算すると2億7000万円ほどの売り上げとなり、経済波及効果を考えれば4億円近くになるはずです。また、2年前にグランプリを獲得した茨城県守谷市の常磐自動車道 守谷SA(上り)でも、最大で3時間待ちになるほど利用客が殺到。年間では約1.5倍もの売り上げアップになったといいます。

 また、グランプリこそ獲得できていないものの毎回のように決勝まで進出している、前出の上河内SA(上り)は「スタッフのモチベーションアップに効果があります」といいます。

「こうしたコンテストで、自分が頑張ると脚光を浴びることができるとわかれば、俄然、仕事に対するやる気が出るようです。今回、うちの料理のリーダーは、本格的に料理を修行したことはありませんでしたが、一生懸命にアイデアを出して、決勝までくることができました。自己流で、野菜の飾り切りにも挑戦していました」とのことで、その努力が実ったからこそ、表彰式であふれる涙を止めることができなかったのでしょう。

好成績を収めたことによる意外なワナとは?

 モチベーションアップは料理人だけでなく、「ホールスタッフにも『グランプリを獲得した店のスタッフだ』という自信がつくようです」と、店舗全体に波及するという話も聞きました。もちろん洗い場のスタッフも同じ気持ちでしょう。そうした店に対する誇りがあれば、ふざけ半分の動画を撮影して投稿するような行為を、防ぐことにもつながるはずです。

 ただし、コンテストで良い成績が取れればすべてOK、というわけではありません。実際の販売の現場で、スピーディーに提供しにくいメニューというものも存在します。「コースメニューで良い成績を出したことがありましたが、そのときは実際の販売が大変で辛かった」という声も耳にしました。華やかに仕上げたメニューなだけに、調理時間が長くなったこともあったという話も聞きました。目の前の勝負だけでなく、実際に勝った後の、リアルな販売の現場も想定したメニューが求められるというわけです。

 ビジネスとプライド、モチベーションをかけて生み出されるコンテストメニュー。店舗側だけではなく、利用する側から見れば「気合のはいった美味しい料理」です。もしも、高速道路のSAやPAでコンテストメニューに出会ったら、ぜひとも試してみることをおすすめします。きっと満足できる可能性が高いはずです。

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