阪急電車イメージの豪華バス「クリスタルクルーザー菫」登場! 名は宝塚歌劇団に関係

阪急電車イメージの豪華バス「クリスタルクルーザー菫」登場! 名は宝塚歌劇団に関係

阪急交通社の高級バスツアー専用車「クリスタルクルーザー菫」(2019年3月18日、中島洋平撮影)。

阪急交通社が高級バスツアー専用車「クリスタルクルーザー菫(すみれ)」を開発。JR東日本の豪華寝台列車などを手掛けた奥山清行さんが、「阪急らしさ」を押し出してデザインした車両は、車体の色も阪急電車に近いものでした。

バスツアーは高級志向へ

 旅行会社大手の阪急交通社が2019年4月から、豪華バスツアー専用車「クリスタルクルーザー菫(すみれ)」の運行を開始します。

 バスのデザインは、JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」や、新幹線の最上級席「グランクラス」の内装などを手掛けた工業デザイナーの奥山清行さん(KEN OKUYAMA DESIGN)が担当。通常、貸切バスは45席前後のものが一般的ですが、今回はわずか18席に絞られました。このバスを使って、「日本一周の旅<東日本編> 12日間98万円」といった高級ツアーが展開されます。

「昨今、ツアーをご利用されるお客様の嗜好が、より高級で豪華なもの、ゆとりのあるものへと変化しています。たとえば当社が扱う海外旅行でも、航空機はビジネスクラスを選ぶ方が増えているほか、国内旅行においてもグリーン車、あるいは『グランクラス』を利用する旅行商品が数多く登場しています。そうしたなかで、国内ツアーの移動手段として、バス自体を豪華に、ゆとりのあるモノにすべく、2年をかけて開発しました」(阪急交通社 松田誠司社長)

 こうした高級バスツアー専用車は近年、クラブツーリズムやJTBといった旅行会社、あるいはバス事業者系のツアー会社(神姫バスツアーズなど)からも続々と登場しており、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」などを担当した水戸岡鋭治さんもデザインを手掛けています。そうしたなかで今回、奥山さんは阪急交通社からの依頼を引き受けた理由について、次のように話します。

「バスは小回りが利き、日本の移動に適しています。観光列車の旅においても、本当に体験してもらいたい場所は駅の近くではないんですね。結局はバスに乗り換えてもらうしかなく、全体の行程に制約を受けますが、バスは目的地の目の前まで向かうことができるわけです」(奥山清行さん)

 奥山さんは今回、「あくまで『旅』が主役であり、バスはそれを彩る『道具』であるということを肝に銘じてデザインした」そうです。

名前からして「タカラヅカ」推し!

 そして、奥山さんが依頼を引き受けたもうひとつの理由が、「阪急ブランド」への信頼感とのこと。バスのデザインも、関西において「高級感」や「信頼感」といったイメージを勝ち得ているという「阪急らしさ」が前面に押し出されています。

 そもそも「菫」という名前も、阪急が運営する宝塚歌劇団に関連するもの。平安時代の和歌にも詠まれた「菫」という言葉が持つ日本古来の文化と、宝塚歌劇団の愛唱歌「すみれの花咲く頃」に象徴される“タカラヅカ”の華やかなイメージ、それに代表される「阪急の文化」を表現したといいます。また、車体色に阪急電車の「マルーン」に似た「バーガンディメタリック」を採用し、屋根部分をパールホワイトに塗分けたのも、阪急電車をイメージしているそうです。

 座席のシートピッチ(前後間隔)は「グランクラス」とほぼ同じという122cmを確保。荷棚を取り払って広い眺望を確保しつつ、座席の前方に手荷物を入れる「シートシェル」と呼ばれる収納箱を用意しているのが特徴です。また、各座席はヘッドレストなどに本革を使いつつも、あえて布素材を多用。革は温度変化の影響などを受けやすく、年配の人にとっては必ずしも快適ではない、という考えに基づくといいます。

 阪急交通社の松田社長によると、車両の価格は「ウン億円」。通常の大型観光バス3台ぶんくらいだそうです。これを関東と関西に1台ずつ配備します。

 プロジェクトリーダーである阪急交通社の執行役員、堤 真也さんによると、「『12日間98万円』は確かに従来ツアーと比べても“突き抜けた”商品ですが、3日間から5日間程度で15万円から25万円前後、日額にして4万円から5万円前後のツアーでもこのバスを使う予定で、そうした商品の予約も伸びています」とのこと。

 他社の豪華バスツアーとの差別化について、堤執行役員は「ツアーの内容」といいます。「たとえば30名以上では受け入れが困難な場所でも、18名ならば可能です。日本の見どころを懐深くめぐる旅を提案します」と話します。

※一部修正しました(3月20日14時05分)。

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