長崎新幹線「単線」には課題 JR九州社長が与党検討委で意見表明

長崎新幹線「単線」には課題 JR九州社長が与党検討委で意見表明

複線(線路2本)で整備された九州新幹線(画像:photolibrary)。

長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)に関する与党検討委員会が開催。JR九州の青柳俊彦社長は、全線フル規格での整備が必要との認識を示し、また、国交省が示した「フル規格の単線」案は課題があることから難色を示しました。

「全線フル規格による整備を」

 JR九州の青柳俊彦社長は2019年3月27日(水)、長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)の整備方式について、全線フル規格による整備が必要との認識を示しました。

 これは3月27日の朝に開催された、西九州ルートの与党検討委員会で青柳社長が意見を表明したもの。在来線に乗り入れるミニ新幹線は、ほかの新幹線へのダイヤの影響が大きいことや、工事期間中に在来線の利用者に不便をかけてしまうこと、現在の在来線は災害の多発で長期間運休することがあるなどの課題を挙げ、消極的な姿勢を示しました。

 これに対してフル規格方式での整備は、「最も時間短縮効果が得られ、最大限の整備効果を発揮されるうえ、鹿児島ルートでの運営実績もある」などとして大きな課題はないとの認識を示し、「ぜひとも全線フル規格による整備についてご検討いただくよう考えています」と述べました。

 一方、3月7日(木)に国土交通省の鉄道局が示した、フル規格新幹線を単線で整備する案については、列車行き違いのため上下どちらかの列車を途中の駅などで停車させる必要があり、所要時間が長くなること、事故や自然災害などでダイヤが乱れた場合も、通常運行に戻るまでに時間がかかるなどの課題があるとしました。

 西九州ルートは、九州新幹線(鹿児島ルート)の新鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)と長崎駅を結ぶ整備新幹線です。このうち武雄温泉駅(佐賀県武雄市)と長崎駅を結ぶ区間は、通常の新幹線と同じフル規格で建設中ですが、新鳥栖〜武雄温泉間は未着工で、整備方式も検討中。このため、武雄温泉〜長崎間の先行開業時(2022年度の予定)には、武雄温泉駅に在来線特急と新幹線列車が同じホームで乗り換えできる「対面乗り換え方式」を暫定的に導入することになっています。

 当初は2本のレールの間隔(軌間)にあわせて車輪の間隔を変えられる軌間可変車両(フリーゲージトレイン=FGT)を導入し、新幹線と在来線の直通運転を行うことが考えられていました。しかし、開発が難航していることから2018年7月にFGT導入を断念。全線フル規格かミニ新幹線のいずれかの方式を選択する方向で検討が進められています。

【路線図】新鳥栖〜武雄温泉間、どうなる?

関連記事(外部サイト)