これも地産地消か エリア51ほど近く、世界中のUFOファン集う「エイリアンのお宿」とは

これも地産地消か エリア51ほど近く、世界中のUFOファン集う「エイリアンのお宿」とは

ネバダ州レイチェルの名物モーテル「リトル・エイリ・イン」。レストランバーを併設し、みやげ物も販売している(武若雅哉撮影)。

米ネバダ州レイチェルは、人口50人あまりの集落です。周囲は見渡す限りの荒野、小規模な牧畜が営まれている程度で特に産業も見られませんが、他方、世界中から人が集まる場所でもあります。そう、エリア51とUFO、そしてエイリアンです。

政府も存在を認めた「エリア51」の近くに

 ネバダ州にあるUFOファンの聖地「エリア51」。過去に多数、未確認飛行物体の目撃情報が発信された場所として、UFO好きでなくとも一度は聞いたことがある地名でしょう。長らくアメリカ政府はその存在を認めてきませんでしたが、2013年8月15日、一転してこれを認めると、世界中のUFOファンのあいだで大きなニュースとして伝えられました。

 そのエリア51から北へ45kmほどの位置に、レイチェルという集落があります。人口54人(2010年国勢調査による)というごく小さな集落ですが、ここには昔から、数多くのUFO情報がもたらされています。その中心は、UFOファンの聖地とも呼ばれる「リトル・エイリ・イン(Little A`Le`Inn)」というモーテルです。

 このモーテルは平屋の一軒家で、遠くから見ると特に変わった様子はありません。しかし近寄ってみると、いたるところにUFOやエイリアンに関するイラストや文字が描かれていました。

小さな小さな集落 主な産業は「UFO」

 筆者(武若雅哉:軍事フォトジャーナリスト)がリトル・エイリ・インを訪れた時にも、10台近いクルマが停めてあり、その人気の高さがうかがい知れます。来訪者に話を聞くと、アメリカのみならず、ヨーロッパやオーストラリアからの観光客もいて、店内や周辺はとても賑わっています。

 ある男性はUFOが好きで「いつかここに来たいと思っていました。夢が叶いました」と嬉しそうに話していましたが、その横では少し冷めた目で男性を見つめる女性の姿もありました。

 このレイチェルという集落ですが、少数の牛が放牧されているくらいで、ほかに産業らしい産業は何もありません。見渡す限り荒れた大地が広がり、行き交うクルマも少ない場所で、お店のオーナーが「ここはアメリカで最も交通量が少ないインターステート(州間高速道路)だ」と自信満々に答えてくれるほどです。唯一、耳目を集めそうな要素といえばUFOのみ。そう、レイチェルは、UFOこそが主産業なのです。

 そもそも、なぜレイチェルにほど近いエリア51が、UFOのメッカになったのでしょうか。その原因のひとつには、ある航空機が関連しているといいます。米ソ冷戦時代に、大いに運用されたU-2偵察機です。

エリア51を有名にした「偵察機」と「噂話」

 U-2偵察機は1955(昭和30)年に初飛行した航空機です。アメリカ空軍と、一時期は台湾空軍も運用していたこの偵察機は、細い機体に長い主翼を持つ独特の形状で、高度約2万5000mという高高度を飛行します。1950年代の民間航空機はせいぜい6000mほどの高度を飛行していたそうなので、それと比較するとケタ違いの高さを飛んでいたといえます。

 そのU-2の飛行試験が行われていたのが、ここエリア51なのです。そのため、飛行するU-2を目撃した住民たちは、ただでさえ見慣れない機体を「未確認飛行体(UFO:Unidentified Flying Object)」としたことから、それまで様々な噂が飛び交っていたエリア51の、UFOとの関連を決定づけ、盛んに取りざたされるようになったといわれています。

 これに先立つ「ロズウェル事件」も有名です。これはU-2偵察機が飛び立つ前の1947(昭和22)年に、エリア51から約1000km東に離れた場所に「UFOが墜落」「宇宙人を回収」と騒ぎになった件ですが、この話には諸説あり、またアメリカ政府はこれを否定しています。しかし「墜落現場で回収されたUFOと宇宙人がエリア51に運び込まれた」という噂は大いに広まり、「エリア51」の名を広く一般に知らしめることになったのです。

 こうして様々な噂が噂を呼んで、たちまち世界中のUFOファンを引き付ける場となったエリア51ですが、「リトル・エイリ・イン」は“UFOに一番近い宿”として、いまでも多くのUFOファンに愛されているのです。

【地図】ネバダ州レイチェルの周辺図 エリア51との位置関係は…?

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