「みさきまぐろきっぷ」人気のワケ 京急の高コスパ企画乗車券「電車ならでは」の魅力

京急の「みさきまぐろきっぷ」が人気 「よこすか満喫きっぷ」なども売り上げ伸ばす

記事まとめ

  • 京急の「みさきまぐろきっぷ」が「コスパが良すぎる」企画乗車券として人気
  • 電車・バス乗車券と施設優待券、三崎マグロを堪能できる食事券がセットになっている
  • 「よこすか満喫きっぷ」や「葉山女子旅きっぷ」も売り上げを伸ばしている

「みさきまぐろきっぷ」人気のワケ 京急の高コスパ企画乗車券「電車ならでは」の魅力

「みさきまぐろきっぷ」人気のワケ 京急の高コスパ企画乗車券「電車ならでは」の魅力

河津桜が咲く三浦海岸〜三崎口間を走る京急の列車(画像:京急電鉄)。

京急の「みさきまぐろきっぷ」が人気です。電車・バス乗車券と施設優待券、そして「三崎マグロ」を堪能できる食事券がセットになった「コスパが良すぎる」企画乗車券。その魅力は価格だけではないようです。

魅力は「価格」だけではない

 京急の駅などで販売されている企画乗車券「みさきまぐろきっぷ」の人気が高まっています。

「みさきまぐろきっぷ」は、三崎口駅(神奈川県三浦市)までの京急線往復乗車券(京浜急行バス指定区間の乗り放題付き)、「三崎マグロ」で有名な三浦市内の加盟飲食店で使えるマグロ料理の食事券、さらに周辺の施設利用券がセットになった商品。発売した2009(平成21)年度の販売枚数は年間約1万6000枚でしたが、2017年度には20万枚を突破しています。

 値段は乗車する駅により異なりますが、たとえば品川駅での販売価格は3500円(大人)です。品川〜三崎口間の往復運賃は大人1860円、施設優待券の対象となっている施設のひとつ「京急油壺マリンパーク」の入場券は大人1700円なので、これだけでも元が取れてしまいます。さらに「まぐろまんぷく券」という食事券で、加盟店が用意する「まぐろてんこ盛り丼」や「まぐろ地魚丼&湘南釜揚げしらす蕎麦セット」といったメニューが食べられるほか、指定区間の路線バスも乗り放題です。

 京急電鉄によると、「お得な金額設定こそが最大の魅力」といいますが、人気の秘密はそれだけではないようです。詳しく話を聞きました。

――「みさきまぐろきっぷ」は、どのような点が人気なのでしょうか?

 施設優待券でアクティビティやお土産もまかなうことができ、「このきっぷさえあれば三浦・三崎を楽しめる」というわかりやすさも魅力のひとつです。以前は駅の窓口で購入していただく必要があったのですが、2014(平成26)年度に駅の自動券売機で買えるようにしたところ、発売枚数が倍増しました。「価格」「商品としてのわかりやすさ」「思い立ったらすぐに駅で購入できる気軽さ」そして「現地の魅力」、この4つがご愛顧いただけている理由ではないかと考えております。

「電車の旅」だからこそ酒も売れる

――そもそもなぜ発売したのでしょうか?

 人口や観光客の減少が続く三浦市と、当社沿線の企業であり「アルコール離れ」を食い止めたいと考えていたキリンビールさん、そして沿線の活性化による旅客誘致を図りたい当社、この3者で協力して三浦市を盛り上げるべく、2008(平成20)年にキャンペーンを行ったことがきっかけです。このときは、「マグロMAP」または「三浦半島1DAYきっぷ」をマップの掲載店舗で提示すると優待特典を受けられる、といった内容でした。

 この好評を受け、安定した旅客誘致につなげるために企画乗車券として2009(平成21)年に発売したのが「みさきまぐろきっぷ」です。このような試みは会社としても初めてで、かんたんに趣旨へ賛同いただけるものではありませんでしたが、担当者が毎日のように三浦・三崎地域に通いつめ、地元や店舗のみなさんとコミュニケーションをとるなどし、発売に至りました。

――利用者や加盟店などからの反応はどうでしょうか?

 加盟店からは、これまで敷居が高いと感じられてしまい、足を運んでいただけなかった層、特に女性や若者のお客様が、「みさきまぐろきっぷ」をきっかけに増えたといったご意見があります。また、きっぷで食べられるメニューに加えて、みなさんでシェアするための1品を注文いただいたり、電車の旅だからこそお酒を頼まれたりする方もいらっしゃるそうです。お客様からは、「ほかのお店でも食べてみたい」といったリピーターにつながるようなお声も多くいただいています。

「みさきまぐろきっぷ」をこれまで何度も利用しているという30代男性によると、最大の魅力はやはり「食事」とのこと。「気軽な日帰り旅行の“お膳立て”をしてくれるところも魅力ですが、何より、よく知らない地で店を選ぶ際の不安をなくしてくれることが大きいですね。パンフレットから、どの加盟店でもある程度の質と量が担保された食事が提供されるとわかるので」と話します。

人気は三浦半島全体に?

 京急電鉄では「みさきまぐろきっぷ」以外にも同様の企画乗車券をラインアップ。2010(平成22)年に発売した「よこすか満喫きっぷ」(当初は「よこすかグルメきっぷ」)の販売枚数は、同年度の4722枚から、2017年度には2万5359枚に。2015年に発売した「葉山女子旅きっぷ」は、同年度の6023枚から、2017年度は4万8355枚まで売上を伸ばしています。

「『みさきまぐろきっぷ』の利用をきっかけに、横須賀や葉山でも同様の企画乗車券を使っていただく事例があると、加盟店からも聞いています」(京急電鉄)

 ちなみに、京急以外でも、沿線の特定エリアの周遊と施設、食事の優待がセットになった企画乗車券が存在。関東では京成電鉄の「下町日和きっぷ」(2011年発売)や、東急電鉄の「横濱中華街 旅グルメきっぷ」(2014年発売)などが挙げられます。

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