東京〜大阪のんびり9時間 まもなく廃止のJRバス「中央道昼特急」に乗車 車窓がイイ!

JRバス中央道昼特急がダイヤ改正で5月17日で廃止 人気も廃止の理由を検証

記事まとめ

  • JRバス中央道昼特急は東京〜大阪間を結んでいるが、ダイヤ改正で5月17日で廃止される
  • 中央道昼特急は繁忙期には予約が取りづらい日もあり、人気があるのに廃止となる
  • 東海道昼特急と比較して、渋滞の影響緩和が難しいことが廃止理由に挙げられている

東京〜大阪のんびり9時間 まもなく廃止のJRバス「中央道昼特急」に乗車 車窓がイイ!

東京〜大阪のんびり9時間 まもなく廃止のJRバス「中央道昼特急」に乗車 車窓がイイ!

「中央道昼特急」に使われるジェイアールバス関東の2階建て車両。三菱ふそう「エアロキング」(2019年4月、宮武和多哉撮影)。

東京〜大阪間を中央道経由で結ぶJRバス「中央道昼特急」がまもなく廃止。同じ「昼特急」シリーズでは、東名高速を経由する「東海道昼特急」が主流ですが、中央道経由も人気です。それが今回なぜ廃止されるのでしょうか。

乗り通せば所要9時間42分

 およそ500kmある東京〜大阪間を結ぶ高速バスは、その多くが夜行ですが、昼間に走る昼行便も運行されています。ジェイアールバス関東と西日本ジェイアールバスが共同運行する「昼特急」シリーズは、その代表的な存在といえるかもしれません。どの便も8時間以上かけて、東京駅と大阪駅(一部は新宿駅、湊町バスターミナルも停車)を結びます。

「昼特急」は2019年4月現在で9往復あり、そのほとんどが東名高速を経由するものです。1往復のみ存在する中央道経由の「中央道昼特急」は、2019年5月17日(金)のダイヤ改正で廃止されます。この「中央道昼特急」に2019年4月10日(水)、東京駅から乗ってみました。

 今回乗車したのは、東京駅を12時10分に発車する「中央道昼特急13号」。車両はジェイアールバス関東所属の2階建てバス(三菱ふそう「エアロキング」)です。

 東京駅八重洲南口を出発したバスは、まず新宿駅(バスタ新宿)を経由したのち、首都高から中央道へと走っていきます。新宿駅〜大阪駅間の所要時間は8時間39分、東京駅〜湊町バスターミナル間を全て乗りとおした場合は9時間42分という長旅です。東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、滋賀、京都、大阪の9都府県、15の停留所(起終点含む)を経由し、途中で3回の休憩を挟みます。

 東京都内では三鷹、深大寺、府中、日野、八王子と、中央道の本線上にあるバス停へこまめに停車し、乗客を拾っていきます。「中央道日野」バス停以外、いずれも鉄道の駅からは離れていますが、JR中央線や京王線沿いなどに住む人にとっては新宿まで出ずとも大阪行きのバスに乗れるとあって、一定の利用があるようです。

「中央道昼特急」名物、車窓に広がる山々!

 ほぼ半日走行するとあって、車内には枕やクッション、耳栓などを持ち込む人も多く、常連客が多いことを伺わせます。一方、乗車したのが就活シーズンということもあり、リクルートスーツを着た学生が多いのも特徴。資格試験の参考書などを黙々と読む人の姿も見受けられました。

「中央道昼特急」は、その景色も魅力のひとつです。神奈川県内に入り、相模湖IC付近から富士山がわずかに顔をのぞかせるほか、山梨県内では右に八ヶ岳、左に南アルプス、区間によっては遠くに北アルプスの穂高岳まで望むことができます。高さ3m以上にもなる2階席の先頭部には大パノラマが広がり、先頭座席の乗客は右に左にと写真撮影に大忙しです。

 休憩は、1回目が山梨県笛吹市の境川PA、2回目が長野県伊那市の小黒川PA(ジェイアールバス関東から西日本ジェイアールバスへの乗務員交代を兼ねる)です。上り便は中央道の談合坂SA(山梨県上野原市)や諏訪湖SA(長野県諏訪市、岡谷市)といった有名なSAで休憩しますが、こうした人気のSAは時間帯やエリアによっては大型車の駐車スペースに限りがあるため、少しマイナーな場所が休憩場所として選ばれることがあるほか、「昼特急」シリーズでは交通状況に応じて、予定している休憩場所が変更されることもあります。

 中央道から名神高速に入り、養老SA(岐阜県養老町)で3回目の休憩をとるころには、日没を迎えていました。大阪駅(JR高速バスターミナル)には21時半ごろ、終点の湊町バスターミナルには22時前に到着しました。

人気があるのになぜ廃止?

「昼特急」シリーズはもともと、東京と京阪神を結ぶ夜行「ドリーム号」の車両を昼間に活用するため、まず2001(平成13)年に「東海道昼特急」(当時は「東海道昼特急大阪号」)が運行を開始し、翌年に中央道経由の「中央道昼特急」(当時は「中央道昼特急京都号」)が登場しました。閑散期の平日なら3500円で東京〜大阪間を往復できる(当時)という圧倒的な安さと、「特急」という名に似合わないゆったりした旅程が話題となり、増便が繰り返されて現在に至ります。

「中央道昼特急」も、繁忙期には予約が取りづらい日もありますが、今回なぜ廃止されるのでしょうか。

 もともと中央道経由のルートには、JR中央線や京王線沿線などの需要を取り込むほか、東名が通行止めになった場合に運行を確保するといった目的もありましたが、現在は新東名や新名神などの代替ルートができています。今回の廃止理由のひとつには、道路整備が進み緩和された東名ルートの「東海道昼特急」に比べて、中央道経由は渋滞の影響緩和が難しい、ということが挙げられるでしょう。特に、大阪から東京方面に向かう上り便は、東京都と神奈川県の境にある小仏トンネル付近で午後に発生する渋滞などが、運行上のネックとなっています。

 なお、中央道経由の「昼特急」は消滅するものの、夜行の「青春中央エコドリーム」「プレミアム中央ドリーム」「グラン中央ドリーム」は、今後も中央道を走り続けます。

※一部修正しました(5月15日9時20分)。

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