タイヤのパンク救援急増 「修理できない」「空気圧不足3台に1台」なぜこうなった?

タイヤのパンク救援急増 「修理できない」「空気圧不足3台に1台」なぜこうなった?

バースト(破裂)したタイヤのイメージ(画像:Akhararat Wathanasing/123RF)。

自動車のパンク救援が急増しています。応急修理の方法がわからない、という側面もありますが、そもそも整備不良のクルマが多い模様。業界団体は、たとえ自分で点検しなくても、月1回は空気圧チェックをしてほしいと呼び掛けています。

マイカーの「指定空気圧を知らない」人が4割?

 自動車タイヤのトラブルが増加しています。JAF(日本自動車連盟)は2019年3月、タイヤのパンク(バースト、空気圧不足を含む)にまつわる年間の救援件数が、2007(平成19)年度から10年間で10万件以上増えていると発表。全出動件数の17%を占めているそうです。

 JAFではその背景のひとつに、セルフ式ガソリンスタンドの増加により、専門知識を持った店員にタイヤ空気圧をチェックしてもらう機会が減ったことを挙げています。JAFが2014年に実施したアンケートでは、マイカーの「指定空気圧を知らない」という人は36%を占め、推奨されている毎月1回の空気圧チェックを行っている人は、14%に満たなかったとのこと。

 また、別の要因としてJATMA(日本自動車タイヤ協会)が挙げるのが、スペアタイヤへの交換方法や、パンク修理キット(おもに電動コンプレッサーと液状の応急修理材のセット)の使い方がわからず、救援依頼が増えているのではないかということです。

 特に後者は2000年代以降、車両の軽量化などを目的としてスペアタイヤの代わりに搭載されるケースが増えていますが、使い方がわからない人が多く、2019年1月には国民生活センターが業界団体に対し、使用方法や注意事項などについての周知を要望していました。ただJATMAによると、こうした路上での応急修理は危険をともなうこともあり、一概に「自分ですべき」といえるものではないといいます。

空気圧不足の燃費悪化は「ガソリン7円高」に匹敵?

 タイヤのパンクにつながりやすい、空気圧不足のまま走行しているクルマが少なくない、という実態もあります。JATMAでは毎年4月、高速道路SA・PAなどで一般のクルマを対象としたタイヤ点検を行っていますが、過去の総点検台数のうち乗用車全体の28.8%、およそ3台に1台が、空気圧不足のまま走行していると分析しています。

「自転車をイメージするとわかりやすいですが、空気圧が充分でないとタイヤがたわみ、走るのが重く感じるでしょう。クルマもそれと同じで、空気圧不足は燃費を悪化させ、重大事故を引き起こす要因になります」(JATMA)

 JATMAによると、タイヤの空気圧が適正値より50kPa(キロパスカル。空気圧表示に用いられる国際単位)低いと、燃費の悪化により、通常より4円から7円ほど高いガソリン(1Lあたり150円で計算した場合)を使用しているのと同等の燃料代になるとのこと。また操縦安定性も低下するほか、タイヤの損傷や劣化にもつながりやすく、危険な事故を引き起こしかねないといいます。

 近年は、タイヤを横から見た際のゴムの厚みが小さい偏平タイヤが増えており、目視ではタイヤのたわみが判別しにくくなっているそうです。「空気が入っている限り、たとえ乗っていなくても、時間が経てば抜けてくることは避けられません。月1回はエアゲージを用いて空気圧をチェックすべきです」とJATMAは話します。

【グラフ】「パンク救援」10年間で件数は右肩上がり

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