転がるロケット飛ぶ猫バス 英国人のマジメなおバカ「RB ソープボックスレース」を観た

転がるロケット飛ぶ猫バス 英国人のマジメなおバカ「RB ソープボックスレース」を観た

思いっきり見覚えのあるこちらのカートで参戦のチームは、その名も「Team Totoro」。もはや説明不要(稲葉義泰撮影)。

「レッドブル ソーブボックス(ボックスカート)レース」は、大人が本気で取り組むおバカなレースイベントです。今秋の日本開催に先立ち、ロンドン郊外での大会を取材、英国紳士淑女によるマジメな「おバカ」を観てきました。

ロンドン郊外におよそ2万人が集結

 2019年7月7日(土)、イギリスの首都ロンドン郊外の小高い山の上に建つ、元宮殿の展示施設「アレクサンドラ・パレス」に、早朝から多くの人々が列をなして並び始めました。時間の経過と共にその数はどんどん増えていき、最終的にはおよそ2万人もの人々が集まったのです。この2万人のお目当て、それはお手製カートを使ったレースで大人たちが大真面目にポイントを競い合う、その名も「レッドブル ソープボックスレース」です。

 子どものころ、段ボールのソリで小高い丘や川の土手などを勢いよく滑り降りたことのある人もいることでしょう。この「ソープボックスレース」はそれと同様に、大人たちがプラスチックなど簡易な素材で真剣にカートを手作りし、それを使ってタイムやポイントを競い合うレースイベントです。レッドブルが主催するイベントとしては、2000(平成12)年にベルギーのブリュッセルで開催された第1回大会以来、世界各地で実に100回以上の開催実績を誇っています。

 上記の「同様に」というのは、カートを手作りするということだけを指すわけではありません。実は、「ソープボックスレース」で用いられるカートには、レースのルールによって一切の動力装置をつけることが禁じられているのです。つまり、「ソープボックスレース」ではソリと同様に、重力に身を任せて坂道を上から下まで一気に駆け下り、設定されたコースでカートを操縦しながらゴールを目指すというわけです。

スピードだけが華じゃない、センス爆発!

 今回、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)が取材したアレクサンドラ・パレスでのレースは、4つのジャンプ台を含むさまざまな障害物が設置された全長およそ450mのコースを、一般公募により参加した59チームのカートが1台ずつ疾走していきました。その様子は、実際のカーレースに勝るとも劣らない迫力で、観客の目の前をカートが駆け抜け、ジャンプ台で華麗なジャンプを披露するたびに、2万人がひしめく観客スペースからは拍手喝采が巻き起こりました。

「ソープボックスレース」は、カートとクルーがたたき出したタイムのみで勝敗を決するわけではありません。このレースでは、クリエイティビティ(創造力)、パフォーマンス、レースタイムという3つの基準から採点が行われます。つまり優勝を目指すなら、まずユニークなデザインのカートを用意し、次にスタート地点で奇抜なコスチュームに身を包んでパフォーマンスを披露し、その後ゴールを目指してコースを素早く駆け抜けなければなりません。

 ただし、これらカートやコスチュームについては何でもアリというわけではなく、当然、一定のルールが定められています。まずカートについては、動力装置の搭載禁止以外に、車体の幅が最大1.5m、高さが2m以下、長さが4m以下であること、そして重量が80kg以下であることなどが定められています。一方で、コスチュームについてはカート内に引っかかったり、ドライバーの視線を遮ったりしないようなデザインであることが求められています。こうしたルールのなかで、各チームは大観衆を前にして最高のショータイムを繰り広げるわけです。

転がるサターンロケットは分離まで再現!

 動物やオールドゲーム機、アクロバットチームの飛行機など、さまざまな趣向を凝らしたカートのなかで目を惹いたのは、チーム「Apollo50」の巨大ロケット型カートです。スタートと同時に実際のロケット同様、3段に分離するという仕掛け付きで会場を沸かせていました。なおチーム名にあるように、今年は1969(昭和44)年にアポロ11号が人類史上初の月面着陸という偉業を成し遂げてから、ちょうど50年目の節目にあたります。

 優勝の栄冠はゾンビと戦う世界をモチーフとしたチーム「GAS GAS GAS」に輝きましたが、どのチームも素晴らしいパフォーマンスと爽快な走りを見せてくれました。この大会の魅力は、その迫力もさることながら、ソープポックスレースの由来が「子どもたちが木製の石鹸箱(ソープポックス)でカートを作って遊んでいたこと(諸説有り)」のとおり、大人たちが「まじめに遊ぶ(ふざける)」ことにより生まれる心からの笑いであると、筆者は感じました。

 この「レッドブル ソープボックスレース」、日本では「ボックスカートレース」と称し、2009(平成21)年にお台場で開催された第1回大会を含めこれまで3回実施されてきました。そして第4回目となる「レッドブル ボックスカートレースTOKYO2019」が、東京都と神奈川県にまたがる大型レジャー施設、よみうりランドの特設会場にて、2019年10月6日(日)に開催されます。レースへの参加エントリーはすでに締め切られていますが、当日は入場無料にて観戦できます。

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