北京地下鉄に初めて乗ってみた 空港から市街へ…日本とほぼ同じも、駅の出入りに苦労

北京地下鉄に初めて乗ってみた 空港から市街へ…日本とほぼ同じも、駅の出入りに苦労

北京の空港と市街を結ぶ機場線(2019年7月、蜂谷あす美撮影)。

初めての中国旅行。北京首都国際空港に着き、右も左も分からないなか、地下鉄で市街へ向かいます。勝手は日本の地下鉄とほぼ同じで、駅や車内もあまり不便を感じず快適でしたが、改札入場前や出入口には厄介な点がありました。

北京空港から地下鉄機場線に乗車

 人生初の中国旅行、目的地は北京。2019年7月の訪問日は快晴で、後々知ったことですが、最高気温は39度と猛暑でした。北京首都国際空港に着き、荷物を預けるため、まずは市内のホテルに移動します。移動手段はタクシー、バス、地下鉄の3択でしたが、鉄道趣味者として迷わず地下鉄を選びました。これから中国の地下鉄に初めて乗ります。

 もっとも「地下鉄」といっても、空港(中国語だと機場)と市街を結ぶ機場線の乗り場は半屋外でちりちりに暑い高架上でした。ここできっぷを買うか、北京市の公共交通機関で利用できるICカードを買うか……と迷いましたが、ICカードの買い方がよく分からず、券売機でとっとときっぷを購入してしまいました。運賃は25元(約380円)。ところが自動券売機から出てきたのは、1回だけ使えるタイプのICカード形式で、機場線の車両や路線図がデザインされています。

 自動改札機は見た目に若干の違いはあるものの、日本のものとよく似ていました。そのため普段通り「タッチ」してみたところ難なく通過。北京旅行最初の関門を突破できた気がしてうれしくなりました。

 列車はだいたい13分間隔でやって来ます。周りを見渡していると、高架駅で、かつ、第三軌条方式(3本目の給電用レールから集電する方式)を採用し線路の上に架線がないことから、似ている光景の東京モノレールのホームにいる感覚を覚えました。私が第3ターミナルの駅(3号航站楼駅)から乗り込んだ列車は、このあと第1・第2ターミナルの駅(2号航站楼駅)へと向かいます。おもしろいのは、空港の両駅とも線路が行き止まりの構造となっており、駅に到着するたびにスイッチバックする(頭から入ってお尻から出ていく)点です。また、機場線の大半が高架線であるため、車窓を楽しめました。そうこうしているうちに終点の東直門駅に到着。列車は折り返し空港行きとなるため、多くの人たちと入れ替わりで下車しました。

 ここからホテルの最寄り駅である宣武門駅に向かうべく、地下鉄2号線に乗り換えます。市街まで移動できたことに安堵して、ひとまずお手洗いへ。北京市内の地下鉄駅にも日本同様、お手洗いは完備されていますが、さっそく中国の洗礼を受けます。トイレットペーパーがないのです。ただ、日本でもトイレットペーパーが備え付けられていない駅はあったので、「まぁそんなものか」と納得しました。

車内マナーはスマホ以外、日本とほぼ同じ

 東直門駅での機場線から2号線へは、改札外の乗り換えでした。改めてきっぷが必要になるため、2号線の改札前で、チャージして使えるタイプのICカードの入手にチャレンジ。有人窓口に「IC」という2文字を見つけ、「あそこなら買えるはず」と思い、“トラベル中国語”で「ICカードがほしい」と恐る恐る伝えたところ「いくらチャージするのか」と聞かれました(たぶん)。ICカードの入手だけで頭がいっぱいだった私は、チャージ金額まで考えていなかったため、とっさに「100元」と答え、デポジットの20元と合わせて120元を支払いました。

 こうして入手したICカードで改札を入っていきます。自動改札機は先ほどの機場線と同じ仕組みです。たどり着いたホームの頭上には、列車が向かう方面の看板が下がっていました。山手線で「新宿方面」とか「渋谷方面」といわれても、乗り慣れていない人にはピンとこないと思いますが、そのとき、まさにそんな状態に。ホーム内を見渡したところ、柱に環状の路線図を発見しました。進行方向を示す矢印も付いていたので、視覚的に理解できました。ちなみに駅名は英語表記もされていますが、漢字の中国語読みなので、日本人の自分にとっては漢字を読んだ方がはるかに分かりやすかったです。

 ホームは天井が高く、中央からは、秒まで表示するデジタル時計が下がっていました。また、出口への階段が両端にしか設けられておらず、そのせいもあって地下ながら開放的な印象を受けました。古いながらも清潔で、空調が効いているのか快適でした。

 機場線が第三軌条なら、2号線も同じくです。車内の座席はプラスチック製で、その点では日本の地下鉄と異なります。車内には握り棒が適宜設けられていました。

 乗車したのは平日の午後。日本だとサラリーマンがそれなりに乗っている時間帯のはずですが……スーツ姿の人はまったく見かけず、ラフな服装の乗客と学生といった休日の雰囲気でした。

 ここで「文化の違い」を強く感じたことがあります。それは飲食が禁止されている一方で、スマートフォンをマナーモードにしていない点です。車内で通話している人も見かけました。さすがに音量が大きすぎる人は乗務員(?)から注意を受けていました。これ以外の地下鉄乗車マナーは日本とほとんど同じだったため、乗っているうちに「海外にいる」という気分がだんだんなくなってきました。

歩道へどう渡る? 地上に出て困惑

 車内では自動で次の駅の案内が流れます。中国語と英語の2か国語ですが、路線名や駅名はどちらも「漢字の中国語読み」のまま。そんなわけで私は現在地の把握を、ドア上部のLED表示に頼る羽目になりました。つまり、車内の中ほどに行くとLEDが見えなくなり、現在地が分かりづらくため、ドア付近から離れられなかったということです。ぎゅうぎゅうになるほどの混雑でなかったので助かりました。

 こうして、不便はあまり感じることなく宣武門駅まで移動。出口は東西南北に設けられており、案内に従えば良いだけなので簡単でした。――などと、結構ここまではお気楽にやって来られたのですが、大変なのは地上に出てから。出入口が車道の上に、島のように設けられており、歩道に向かためには車道を横断する必要があったのです。クルマの往来は頻繁。しかも運転はなかなか荒っぽく、恐れをなした私は「どうやって渡ればいいのか」と動けなくなりました。結局、ほかの人が渡るタイミングで一緒に渡ることで事なきを得ました(以降、すべてこの作戦でいくことに)。ちなみにこれは、別のときに利用した宣武門駅のお隣、長椿街駅も同様でした。

 また、出入口の設置場所と同じくらい厄介な点がもうひとつありました。それは改札入場前にX線検査があること。日本でも空港ではX線検査とボディチェックがありますが、北京は、これが地下鉄の全駅にあるのです。そのため、北京南駅などのターミナル駅の改札前には長い列ができていました。混雑する駅だと、ホームで列車を待つよりも、改札を入る前の手荷物検査の順番待ちで時間がかかります。地下鉄に乗るためには、並ぶよりほかはないのです。

 ちなみに旅行中に利用したICカードは、北京市内の地下鉄や路線バスで利用できるのですが、運賃が地下鉄初乗り3元(約45円)、バス初乗り2元(約30円)といったように日本に比べてかなり安いため、3日間北京に滞在し、たくさん乗り回したつもりでも、チャージ金額の半分も使うことができていません。今回の地下鉄乗車体験で唯一後悔したのは「100元はチャージしすぎだった」ということです。

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