空港の「テーマパーク化」なぜ起こった? 「元祖」に聞く

空港の「テーマパーク化」なぜ起こった? 「元祖」に聞く

中部空港の展望デッキから見た駐機エリア(2019年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

日本の空港では、フードコートやテーマパーク的な要素を取り入れるのがトレンド。その“元祖”と話す中部国際空港に、その狙いを聞きました。利用者から見ると楽しいこの風潮ですが、空港側の狙いは、それだけではないようです。

新路線を誘致するための「テーマパーク空港」

 日本の空港ではいま、巨大なフードコートを設ける、店舗エリアにレトロな雰囲気を取り入れるなど、「テーマパーク」的な要素を取り入れるのがトレンドになっています。

 この“元祖”と話すのが、2005(平成17)年に開港した中部空港(セントレア)。当初からターミナル内に、多くの飲食店が並ぶフードテーマパークや展望風呂を設置。展望デッキも「日本で一番近くに飛行機を感じられる」といい、先端部は滑走路から300mの場所にあります。

 中部空港は一部、飛行機を利用しない人でも楽しめる「テーマパーク」のようなつくりとなっていますが、目的は、ただ利用者を楽しませるためだけではないようです。

「開港当初から館内施設を充実させたのは、『非航空系事業』で売上を上げることで、着陸料を下げることを狙っています。このことで、収益を上げつつ、新路線を誘致するシステムです」(中部国際空港 広報部)

 2008(平成20)年における1機あたりの着陸料は、成田空港77万円、関西空港83万円、羽田空港95万円であったところ、中部空港は66万円と、ほかの空港よりも低く抑えられています(すべてボーイング747-400型機で3時間停留した場合)。

他の空港も追随 中部は新たなテーマパークをオープン

 中部空港から始まった「テーマパーク」化は現在、成田空港や関西空港など、他の国内空港でも見られるようになっています。

 背景としては、新路線誘致という目的のほか、空港運営会社の民営化が進んでいることや、小型機を使うのが一般的なLCC(格安航空会社)の参入で、着陸料のみで売上を出すのが以前より難しくなっていることなどが挙げられます(着陸料は飛行機の重さに比例)。

 中部空港も2018(平成30)年に、ボーイング787型機をメインに据えた空港内テーマパーク「フライト オブ ドリームズ」をオープンさせています。

「開港のときは、ご飯だけ食べに空港を利用する方が多くいらっしゃいました。『フライト オブ ドリームズ』は、新たな賑わいの創出がテーマです。空港に『来ること』を目的として楽しんでいただきたいのです」(中部国際空港 広報部)

 なお中部空港の路線数は、開港後の数年は上昇していたものの、2008(平成20)年のリーマンショックや、首都圏空港の発着回数増加の影響を受け一時停滞。そののち2013(平成25)年から、LCC(格安航空会社)の参入をきっかけに、再度成長傾向にあるといいます。

 中部空港では現在、同空港発着路線を新たに開設する航空会社に着陸料の割引制度を実施しているほか、2019年にはLCC専用の第2ターミナルを開設するなど、空港規模拡大の取り組みを継続しているそうです。

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