LCCなぜ「ボーイング737」「エアバスA320」多いのか カタログスペックだけでない理由

LCCなぜ「ボーイング737」「エアバスA320」多いのか カタログスペックだけでない理由

ジェットスター・ジャパンのエアバスA320型機(2019年5月、伊藤真悟撮影)。

日本のLCCでは、飛行機にボーイング737シリーズ、もしくはエアバスA320シリーズのどちらかを使う会社が多くみられます。なぜその2機種で統一するように使われているのでしょうか。カタログスペックだけでない理由もあるようです。

ボーイングとエアバスの「ベストセラー機」であり…

 LCC(格安航空会社)はコストを下げるため、使う機種をひとつに絞るのが一般的。同じ機種であれば、パーツも同じものを使えるなど整備コストを下げられるほか、機種を変えるごとに免許の一部を取り直す必要があるパイロットもその手間が省けるため、コストを減らせます。

 その際、ボーイング737シリーズと、エアバスA320シリーズが選ばれているのは、LCCにとってメリットが多い機種だからです。

 両機種ともにLCCでは180席程度で、利用者が比較的少ない路線では空席の割合が抑えられるサイズである一方、幹線では満席の状態で高頻度運航することで売上を伸ばせます。

 また、大型機のように乗り降りに時間が掛からず、すぐに折り返しできるのも利点。航続距離も4000〜5000km程度であることから、国内線から短距離国際線までカバー可能です。

 しかしこの2機が選ばれる理由は、これら“カタログスペック”だけではないようです。

 ボーイング737シリーズと、エアバスA320シリーズは、2社それぞれにとってのベストセラー機。そのため比較的値段が低いこと(1機110億円前後。たとえばボーイング777-200ER型機は330億円)、またリース会社など、調達経路や売却先がたくさんあることも、LCCにおける同シリーズの普及を後押ししています。

日本のLCCはどちらを使う? ほかのエアラインは? 2機種をめぐるあれこれ

 日本のLCCは、2019年11月時点で以下の機種に統一しています。

・ジェットスター・ジャパン:エアバスA320型機
・ピーチ・アビエーション:エアバスA320型機
・春秋航空日本:ボーイング737-800型機
・エアアジア・ジャパン:エアバスA320型機

 なお今後、日本のLCCは機種のバリエーションが豊富になりそうです。2020年に就航予定のZIPAIR(ジップエア)はボーイング787-8型機を、ジェットスターとピーチは2020年に、エアバスA320型機の長胴型にあたる兄弟機、A321LR型機を採用すると発表しています。A320型機でより航続距離が長い機種で、中距離国際路線へ参入できることなどが理由です。

 ちなみに日本のLCCは、海外LCCの日本支社として運航しているパターンもありますが、そこで“本家”とは別の機種を投入していることもあります。春秋航空(中国)では、エアバスA320型機をメインで運用。春秋航空日本は整備士の手配上の理由で、ボーイング737シリーズを選定したとのことです。

 なお、日本のLCCでボーイング737シリーズとエアバスA320シリーズを併用する会社はありませんが、フルサービスキャリアのANA(全日空)は2機種を併用しています。

 また、LCCの枠組みに入らない日本の新規系航空会社でも、2機種のいずれかを投入する会社が多く存在。ソラシドエア、スカイマーク、AIRDO(ボーイング767も併用)はボーイング737シリーズを、スターフライヤーはエアバスA320型機を投入しています。

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