列車の窓がタブレット画面に 「大きな画面」として再定義 AGCの新ガラスで実現

列車の窓がタブレット画面に 「大きな画面」として再定義 AGCの新ガラスで実現

ガラスの一部に液晶ディスプレイを組み込んだ「Bar Screen」(2019年11月27日、大藤碩哉撮影)。

開催中の「鉄道技術展」では、素材メーカーのAGCが出展。同社は鉄道車両の窓ガラスも製造していますが、ブースでは、透明ディスプレイと極薄のガラスを組み合わせ、景色をバックに天気などの情報を表示するガラスが展示されていました。

ライブ感を演出する窓ガラス

 列車の窓。車内と車外を隔てるその窓を大きな「画面」と捉えたらどうなるでしょうか。まるでタブレット端末のように、窓一面に情報を表示できます。

 2019年11月27日(水)から3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている「鉄道技術展」では、世界的な素材メーカーであるAGCがブースを出展していました。AGCは、鉄道車両の窓ガラスも手掛けています。

 列車内に見立てたブースには、透明ディスプレイをガラスに組み込んだという商品「Clear Screen」が展示されていました。外の景色に合わせ、たとえば現在走っている場所の天気や観光スポットなどを表示するものです。ライブ感に富んだ様々な情報を提供できます。日射しが入って来ても、AGCが持つガラスの透過率を変える技術を使い、表示部分の明るさを調整するといいます。

 思わず画面にタッチしたくなる仕様ですが、AGCによると、様々なセンサーを組み合わせることで、タッチ入力機能などを搭載できるそうです。なお列車がすれ違うときなど、窓にはいろいろな圧力がかかりますが、従来と同じ安全性は保たれています。

常に考える「窓の再定義」

 車内を見渡すと目に入ってくる中吊り広告。現在は紙タイプが主流ですが、これがサイズを維持したまま映像になる日も、そう遠くないかもしれません。

「Paper like Screen」は、超薄型の有機ELディスプレイを極薄ガラスで挟み込んだもので、厚さは、片面ずつ別々の表示ならば9mm、片面のみならば5mmです。

 近い将来、現在の中吊り広告のスタイルそのままに、素材は紙から、情報量を増やせる有機ELディスプレイに置き換わるかもしれません。

 AGCの事業開拓部 新ガラス商品展開部 infoverre商品開発センター長の福井 毅さんは「今度は曲面でも表示できるガラスを開発してみせます。たとえば列車内の天井付近の丸い部分にも情報を表示できるものです。いままでデッドスペースだった箇所を活用できます」と意気込みます。

 AGCは「窓の再定義」について常に考えているといいます。透明なガラスに絵が出るということが、新たなサービスやアプリの開発につながることを期待し、研究を続けています。

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