新型ターボプロップ機ATR42-600S 離島の救世主になるか 小笠原空港できれば就航可能?

新型ターボプロップ機ATR42-600S 離島の救世主になるか 小笠原空港できれば就航可能?

【写真】ATR42-600S、現行モデルからの改修ポイントは?

天草エアラインやJALグループなどで導入されているターボプロップ機の製造メーカー、ATRのCEOが来日し、新モデル「ATR42-600S」の概要について説明しました。短距離離着陸が強みで、日本市場にもマッチする機体だと話します。

タフな離着陸にも対応の現行「ATR42-600」の違いは?

 フランスとイタリアの航空機メーカー、ATRのステファノ・ボルデリCEO(最高経営責任者)が2020年2月5日(水)、記者会見を開き、2022年に初号機が就航予定の、ATR42-600型機の派生型である新型ターボプロップ機「ATR42-600S」について語りました。

 現行モデルのATR42-600型機は40席クラスのターボプロップ機で、おもに地方空港と離島を結ぶような航路で運用されています。日本の地域航空会社でも導入されており、2016(平成28)年に九州の天草エアラインが導入したことを皮切りに、JAL(日本航空)グループでもATR42-600型機、ならびに長胴型のATR72-600型機を、JAC(日本エアコミューター)やHAC(北海道エアシステム)で導入、2020年2月現在、日本では計12機が運航されています。

 ATR42-600型機の強みは、離着陸に対応できる空港の多さといいます。横幅14mの狭い滑走路でも離着陸できるほか、5.5度(通常は3度)の急角度着陸進入も行うことができ、高い標高(最大3350m)や摂氏マイナス45度から55度の気温でも離着陸できるなど、ハードな環境の空港利用にも耐えうることが強みです。

 そして新モデル、ATR42-600S型機の最大のポイントは、短距離離着陸性能(STOL性能)といいます。型番末尾の「S」の文字は「STOL」の頭文字をとったもので、現行モデルの1050mより250m短い、800mの滑走路でも離着陸できるとしています。

ATR42-600Sが日本に来たらどこに就航できるのか

 この新モデルATR42-600Sは、島国である日本の地理事情にも合致するものであると、ステファノ・ボルデリCEOはアピールします。

「航空機は島と都市を結びます。日本の遠く離れた島々は、(内地の)都市と航空便でつながることが生活のなかで不可欠です。また、日本には短い滑走路をもつ空港が12か所あり、そこには約9万人の人が生活しています」(ATR ステファノ・ボルデリCEO)

 また、ATRジャパンの好田二朗代表は「日本には97か所の空港があるのですが、このATR42-600Sは、そのほとんどに就航できます」と話します。

 滑走路長800mの礼文空港(北海道)や調布飛行場(東京都)、現在フェリーのみのアクセスとなっている滑走路長890mの佐渡空港(新潟県)に就航できるほか、もし東京から1000km離れた小笠原諸島の父島に空港が設置され、そこに就航できれば、船で24時間かかる現在の状況を2時間に短縮できるとのことです。

 このほか同日には、ATRの新たなブランドコンセプトを「into life」とすることが発表されました。これは、旅を楽しむこと、地域生活を豊かにすること、復興の架け橋になることが盛り込まれたものだそうです。

 特に「旅を楽しむこと」は、ATR機の特徴である「高い位置に取り付けられた主翼」と関わっているといいます。このことで、利用者は外の景色が翼に遮られることなく、遊覧飛行のようにフライトを楽しむことができるとしています。

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