高速道路 2020年春の改良ラッシュ! 日本初の「新タイプIC」誕生 4車線化も進行

高速道路 2020年春の改良ラッシュ! 日本初の「新タイプIC」誕生 4車線化も進行

横浜北線の馬場入口料金所。首都高初のETC専用入口(2020年2月、中島洋平撮影)。

年度末には新しい高速道路の開通だけでなく、既存の道路をより便利にする新ICの誕生や、4車線化などの改良も相次ぎます。なかには、これまでにない構造のICもあります。

全国でICやスマートIC開通 4車線化も

 2020年2月から3月にかけては全国で多くの高速道路が開通しますが、既存の路線の改良も相次ぎます。ICや、ETC専用スマートICの新設、あるいは4車線化といった事業について、開通順に見ていきます。

圏央道 茂原長柄(ながら)スマートIC(千葉県茂原市)

・開通日時:2020年2月16日(日)
・位置:茂原北IC〜茂原長南IC間(圏央道本線に接続)

 茂原長柄スマートICは千葉県茂原市内で3つ目となるIC(スマートIC)で、茂原市街地および長柄町の市街地と最も近い位置に開通しました。全方向に行き来でき、24時間利用可能です。

 このスマートICについて茂原市と長柄町、およびNEXCO東日本は、ゴルフ場や千葉県立長生の森といったレジャー施設に近く、観光収入の増加などが見込まれるとしています。

首都高K7横浜北線 馬場出入口(横浜市鶴見区)

・開通日時:2020年2月27日(木)12時
・位置:岸谷生麦出入口〜新横浜出入口間(横浜北線本線に接続)

 2017年3月の横浜北線(K1横羽線〜第三京浜)開通から3年遅れで開通する馬場出入口は、路線のほぼ中間の住宅街に位置しています。横羽線方面と第三京浜方面の双方へ行き来が可能です。なお、出口は現金車も利用できますが、入口は首都高で初となるETC専用です。

 3月22日には、横浜北線と第三京浜が接続する横浜港北JCTから、東名高速に接続する横浜青葉JCTまでの首都高「横浜北西線」が開通し、馬場から東名へのアクセスも容易になります。

福島第一原発事故による帰宅困難区域に新IC

 3月には4車線化事業なども進展します。

館山道 富津中央IC〜富津竹岡IC間 4車線化

・開通日時:2020年3月6日(金)15時ごろ
・延長:7km

 千葉県の内房地域を南北に貫く館山道は、君津IC(千葉県君津市)以南が暫定2車線(片側1車線)でしたが、沿線地域では2007(平成19)年間で観光客が約4割増加していることから、渋滞緩和や重大事故の防止を目的として4車線化が進められてきました。今回の開通により、館山道は全線が4車線化されます。

 その館山道に接続する富津館山道路(富津竹岡IC〜富浦IC)は暫定2車線のままですが、こちらも2019年に国土交通省が4車線化の方針を固めています。

常磐道 常磐双葉IC(福島県双葉町)および付加車線一部完成

・開通日時:2020年3月7日(土)15時
・位置(常磐双葉IC):大熊IC〜浪江IC間
・付加車線完成区間:大熊IC〜浪江IC間の2.4km、相馬IC〜新地IC間の1.9km

 常磐双葉ICは、福島第一原発事故による帰宅困難区域内に新設されます。これに先立ち、双葉町内では一部地域で避難指示が初めて解除されるほか、IC周辺など、町内の一部でクルマとバイクの通行も可能になります。NEXCO東日本は、本格化する復興事業の加速、福島第一原発における廃炉作業の進展などが期待されるとしています。

 また同日には、常磐道の暫定2車線区間である広野IC〜山元IC間で進められている付加車線の設置工事が、一部完了します(約13.7kmのうち約4.3km)。

「スマートICがない県」解消へ 開通ラッシュ続く

 3月下旬は全国でスマートICの開通が相次ぎます。

九州道 桜島スマートIC下り線出口(鹿児島県姶良市)

・開通日時:2020年3月20日(金)12時
・位置:姶良IC〜加治木IC間(桜島SA内)

 2019年3月の上り線出口、下り線入口に続き、桜島SAに下り線の出口(熊本、宮崎方面からの出口)が開通します。

 NEXCO西日本によると、鹿児島県では2020年10月に国体(国民体育大会)の開催が予定されており、桜島スマートICはバスケットボールやライフル射撃といった競技会場の最寄りICになるとのこと。隣の加治木IC利用時と比べ、高速道路から競技会場までの所要時間が約14分短縮されるそうです。また、姶良(あいら)市内にある鹿児島県運転免許試験場の最寄りICでもあります。

中国道 湯田温泉スマートIC(山口市)

・開通日時:2020年3月21日(土)15時
・位置:山口IC〜小郡IC間(湯田温泉PA内)

 湯田温泉PAに開通するスマートICは、山口県内初のものです。PAの名称も、このスマートICの開通とともに「湯田PA」から「湯田温泉PA」に変わります。

 湯田温泉街をはじめ、山口大学や山口市民会館といった施設に近いスマートICができることで、NEXCO西日本は観光促進のほか、大きなイベントや会議の開催地としての優位性も高まることが期待されるとしています。

松山道 中山スマートIC(愛媛県伊予市)

・開通日時:2020年3月21日(土)15時
・位置:伊予IC〜内子五十崎(うちこいかざき)IC間(松山道本線に接続)

 中山スマートICは愛媛県内初のスマートICで、松山方面への入口および出口だけの「ハーフIC」として整備されます。これまで伊予IC〜内子五十崎IC間は、24kmにわたりICがありませんでした。

 この付近で松山道に並行する国道56号には土砂災害危険箇所が多く、中山スマートICの開通により、国道が不通となった際の救助、救援が迅速化されるといいます。

 ちなみに、湯田温泉スマートICと中山スマートICが開通することで、「スマートICがない都道府県」は、残すところ大阪府と京都府のみになります。

日本初「民間施設直結型スマートIC」も誕生

 日本初となる構造のスマートICも誕生します。

東名高速 駒門スマートIC(静岡県御殿場市)

・開通日時:2020年3月28日(土)15時
・位置:御殿場IC〜裾野IC間(駒門PA内)

 東名の駒門PAにスマートICができます。NEXCO中日本は開通効果として、御殿場IC、裾野IC付近の主要渋滞箇所を回避して東名を利用できるようになるとしています。

 また、陸上自衛隊の駒門駐屯地にも近く、高速道路へアクセスする時間の短縮、経路の多重化により、災害派遣の迅速化も期待されるそうです。陸上自衛隊の「富士総合火力演習」が開催される東富士演習場も、この駒門スマートICが最寄りになります。

神戸淡路鳴門道 淡路北スマートIC(兵庫県淡路市)

・開通日時:2020年3月29日(日)15時
・位置:垂水IC〜東浦IC間(淡路ハイウェイオアシス内)

 淡路SAに隣接する観光施設「淡路ハイウェイオアシス」内に、淡路北スマートICが設けられます。年間160万人以上が訪れるという淡路ハイウェイオアシスは、淡路SAから連絡路を通じてクルマで行き来が可能でしたが、最寄りの淡路ICから入ったクルマは淡路SAおよびハイウェイオアシスに進入できない構造のため、ひとつ南の東浦ICまで回り高速道路に入ってから、これら施設を利用するといったケースが見られました。

 このスマートICは、日本初の「民間施設直結型スマートIC」でもあります。本四高速によると、スマートICは通常、高速道路本線やSA・PAといった道路施設に直結していますが、淡路北スマートICは、「入った先が民間施設のハイウェイオアシス」である点が、これまでにない構造とのこと。このほかに国土交通省の認可を受けて整備中の民間施設直結型スマートICとしては、三重県の伊勢道で、温泉施設に直結するものがあります。

 なお、本四高速では淡路北スマートICの開通を記念して、3月28日(土)と29日(日)に、明石海峡大橋の特別ライトアップを実施します。

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 ちなみに、2020年2月現在で整備中および調査中のスマートICは、今回紹介したものを除くと、全国で60か所以上あります。

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