山にスキーに音楽にバク転!? 札幌のど真ん中にあるおもしろイベント満載の山小屋

山にスキーに音楽にバク転!? 札幌のど真ん中にあるおもしろイベント満載の山小屋

樹齢360年のアカエゾマツの丸太を使ったカウンターが存在感を放つ1階バースペース

扉を開けると、そこはまるで山小屋のような空間。オーナー自ら4tトラックで運んできたという樹齢360年のアカエゾマツの丸太を使ったバーカウンターをはじめ、テーブルや床、壁、天井など、北海道の木材をふんだんに使った手づくりの内装がアウトドア感満点。赤々と燃える暖炉のぬくもりに包まれれば、都会にいることを忘れてしまいそうだ。

1階から2階に続く壁にはクライミングができる仕掛けがあり、リビングにはハンモックが揺れていたりと、随所に遊び心が散りばめられているのも楽しい。

ススキノのほど近くにある「SappoLodge」は、自然を楽しむ旅の拠点として国内外からアウトドア好きが訪れるゲストハウス。オーナーで山岳ガイドの奈良亘さんから、北海道の自然を知り尽くしたプロならではの情報が聞けるほか、冬はバックカントリースキー、夏はトレッキングやシーカヤックなど、宿泊客の希望に応じたガイドツアーも行っている。

奈良さんがこの宿を開いたのは2014年12月のこと。「それまでは僕自身がずっと旅人。世界中を見て回るのが仕事だったし、個人でもあちこち行ったしね」経歴は、まさに筋金入りのアウトドアマン。秘境や山岳が専門の旅行会社に就職し、山岳ガイドとして国内外を巡る一方、プライベートでは究極の斜面を求めてスキー仲間と45日間旅したグリーンランドをはじめ、アラスカ、南米、アフリカ、ネパールなど、訪れた国は世界約40か国に及ぶ。

ついには南極の越冬隊に志願して研究者の野外観測を支援するガイドに選ばれ、会社を辞めて2011年から第53次南極観測隊に参加したというから驚きだ。行くべき場所はほとんど行き尽くし、自身の旅も一区切り。

「これからは地元に住むガイドとして、北海道の魅力を伝えるベースキャンプを作りたい」。長年温めてきた夢を実現した。開業の一番の理由は、「通り一遍の観光だけじゃなく、北海道が誇る自然を見せたい」という想い。美しく自然豊かな山岳地帯、ヒグマが闊歩する姿、パウダースノーが降る雪山。「札幌で旅人を迎えた時、こんな素晴らしい北海道の姿を伝えるのがガイドの役目だなと思って」。そのために必要な場所が、ゲストハウスだったという。

客層も含めすべてが「山」一辺倒かと思いきや、実はノンジャンルのユニークなイベントで盛り上がるのがSappoLodgeの真骨頂。「新しくて面白い場所を作る、というのが僕のコンセプト」という言葉通り、1階に併設したバーを会場に、旅人も市民も気軽に参加できるユニークなイベントを次々仕掛けているのだ。

魅力の一端に触れたいと、ある夜開かれたイベントに行ってみた。その日の企画は、歴代南極観測隊員による最新南極事情のトーク&スライドショー。ゲストスピーカーの面々は、もちろん奈良さんの南極仲間たちだ。企画の面白さはもちろん、参加料不要でドリンクとフードを1品ずつオーダーすればOKという気軽さも手伝ってか、スタート時間にはすでに超満員!

1人参加のため「完全アウェイなのでは…」と心配していたが、南極の最新事情や観測隊の日常、裏話など興味深い話の連続に、関心したり笑ったり。ついビールも進み、気づけばあっという間に3時間以上が経っていた。途中で挟み込むホスト・奈良さんのトークや、ゲストスピーカーとの掛け合いも楽しく、帰る頃には「私も南極に行きたい」とすっかり感化されてしまった。

他にも、例えば音楽イベントなら弾き語りもあればジャズやレゲエもあり、お客さんでお茶や切り絵をやっている人がいたら、「今度ここでイベントをやって」と声をかけたりワークショップを開いたり。お客さんとバク転を練習するクラブまで作って活動しているというから、いい意味で何が起こるか分からない面白さ満載の宿なのだ。

「周りの人を楽しませるには、自分も楽しまないと。だから出来るだけ仕事に追われないよう、“人気が出ないガイド”になるよう頑張ってます」(笑)。札幌をもっと盛り上げるため、SappoLodgeを新しい観光名所にする!という意気込みで、今日もたくさんの仲間を巻き込んで面白い企画を企んでいる。

もちろんイベントが無い日も、バーには毎夜人が集う。外国人と地元の人が入れ替わり立ち替わりやって来ては、お酒を飲みながら談笑したり情報交換したり。年齢も趣味も国籍も異なるさまざまな人が交流し、にぎやかに夜が更けていくのが日常の光景だ。

北海道各地で採った山菜、契約農家や漁師から取り寄せた食材を使い、シンプルに仕上げた料理も楽しみの一つ。ザンギやジンギスカン、ラーメンサラダといった北海道の定番メニューからダッチオーブン料理まで、お酒と一緒に北海道の美味を堪能しよう。

1階は宿泊客のリビングも兼ねたバー、2階はベッド脇に荷物も置けるゆったりサイズのドミトリーのほか、個室も備えたゲストハウススペース。木の香りに包まれて眠りにつけば、いい夢が見られそう。

札幌の街ナカにいながら、大自然にすぐアクセスできるSappoLodge。普段アウトドアに縁がない人も、この都会の山小屋でぬくもりと刺激を楽しんでみてほしい。

SappoLodge(サッポロッジ) ■住所:札幌市中央区南5東1-1-4 ■電話:011・211・4314 ■時間:in15:00〜23:00/out10:00、バー18:00〜翌2:00(LOフード24:00、ドリンク翌1:30) ■料金:1人1泊ドミトリー3000円〜、個室7000円〜(北海道ウォーカー・加藤和代)

この記事の続きを読む

関連記事(外部サイト)