北海道ゆるっと鉄道旅〜花咲線2:厚岸の牡蠣の故郷を車窓から眺めたら、牡蠣のフルコースを堪能!

北海道ゆるっと鉄道旅〜花咲線2:厚岸の牡蠣の故郷を車窓から眺めたら、牡蠣のフルコースを堪能!

別寒辺牛(べかんべうし)湿原の中を進む花咲線(厚岸〜糸魚沢間)

釧路駅から花咲線に乗車し、一路日本の東端へ。絶景と絶品グルメを楽しむ花咲線の旅、今回は海や湖、湿原を楽しめる車窓と、厚岸(あっけし)駅で途中下車して味わえる厚岸の名産・牡蠣グルメを紹介します。

■ いざ東へ! たった1両で森を越え海辺を進む花咲線

釧路駅に停車中の花咲線の列車は1両編成。札幌発の特急が到着すると乗り換え客がやってきて、2人掛けのシートに1〜2人ずつ座り席が埋まりました。乗客の多くがスーツケースなど大きな荷物を持った人たち。多くの旅人を乗せた列車が定刻どおりに出発しました。

釧路駅を出ると街中をゆっくり進み、ほどなくして釧路川を渡ります。屈斜路湖を源に釧路湿原の中を悠々と流れてきた釧路川。海辺に近いこの付近は川幅が広くて見晴らしがいいですよ。

一駅目の東釧路駅は釧網線との分岐駅。発車するとすぐに釧網線の線路が左へ分かれていきます。車窓にはしばらく住宅などが広がりますが、別保(べっぽ)駅と過ぎると建物があまり見えなくなり、駅間がかなり長くなりました。左に右にとカーブを繰り返し、エンジンを唸らせながら森林地帯を進む列車。ちょっとした峠越えをしている様相です。山間の小駅を過ぎ下り坂になると心なしか軽やかな走りになり、門静(もんしず)駅を過ぎると山の中から海辺の風景へ。

窓を少し開けてみると、爽やかな潮風が車内に流れてきました。ただ、冷涼な気候の地なので、真夏でも窓を開けるとちょっと寒く感じるかも…。遠くに見えていた厚岸の街並が近づいてくると、間もなく厚岸駅に到着。

厚岸といえば、大ぶりでジューシーな牡蠣が有名。ここで途中下車をし、厚岸名産の牡蠣を食べまくりましょう!

■ 厚岸名産の牡蠣をフルコースで味わおう

訪れたのは「厚岸味覚ターミナル・コンキリエ」。厚岸の街並や厚岸湾などを見下ろす高台にある道の駅の施設で、厚岸駅から歩いて12〜13分で行くことができます。1階には軽食を楽しめるカフェがあり、2階に牡蠣料理を楽しめるレストランや炭火焼店、オイスターバールがあります。牡蠣好きなら全ての店を制覇したくなるかも!?

1階のオイスターカフェでは、手軽に食べられる蒸し牡蠣や牡蠣フライのハンバーガーやフォカッチャ、さらにオイスターソースを使った牡蠣のソフトクリームもあります。小腹を満たしたいという人におすすめなのは「カキフライバーガー」(500円)。ガブッとかぶりつくと、サクッとした牡蠣フライの中から牡蠣の汁がジュワ〜っとあふれ出てくるほど、牡蠣のうま味が凝縮しています。

2階にある「レストラン エスカル」では牡蠣の丼ものや定食をはじめ、牡蠣のパスタやカレーなどさまざまな牡蠣料理を楽しめます。ここでのおすすめは、「あっけし牡蠣ステーキ丼」(1500円)。牡蠣をソテーした牡蠣ステーキが盛られた丼をはじめ、生牡蠣や牡蠣フライ、小鉢や香の物、味噌汁がついた牡蠣三昧なメニューです。

素材の味をシンプルに美味しく食べてみたいという人は、炭火焼はいかが? 2階にある「炭焼き 炙屋」では、店頭の生簀やショーケースから好きな牡蠣やホタテ、お肉などを選んで炭火焼で食べることができます。

厚岸といえば、近年ウイスキーの蒸溜所ができたことでも知られています。お酒好きな人は、2階にある「オイスターバール ピトレスク」で牡蠣とウイスキーのコラボ、厚岸テロワールをたしなみませんか? ここではなんと、新鮮な生牡蠣3種類にウイスキーを垂らして味わうことができるのです!

牡蠣にウイスキーを垂らす食べ方は、ウイスキー蒸溜が盛んなスコットランドの食文化。シングルモルトのスコッチ独特のスモーキーさが牡蠣と相性がよいそうです。この店では本場のスコットランド産もありますが、ここはぜひ厚岸産ウイスキーでおためしを。

牡蠣は「まるえもん」や「かきえもん」、「ながえもん」など3種類で、その日により種類が変わるので、行ってみてのお楽しみに。

■ 牡蠣の故郷、海と湖と湿原の畔を走る絶景列車

思う存分牡蠣グルメを堪能したら、列車に揺られさらに東の地を目指しましょう。ところで、厚岸ではなぜ牡蠣が名産なのでしょう? その答えの一端が、列車の車窓から垣間見えますよ。

厚岸駅の直前は厚岸湾の海辺を走っていた列車。厚岸駅を出るとすぐ、今度は海辺ではなく厚岸湖の湖畔に沿って走ります。右手に見える湖がいつしか川になり、今度は周囲が湿原に変わりました。道東の湿原観光といえば釧路湿原沿いを走る釧網線の「くしろ湿原ノロッコ号」が有名ですが、ここ別寒辺牛(べかんべうし)湿原も車窓から眺める風景は絶景! 車窓を楽しめるようにと減速して運転する列車があるほどです(減速運転は期間限定で一部の列車のみ実施)。

さて先ほどの、厚岸が牡蠣の名産だという答えです。海近くにある厚岸湖は厚岸湾とつながっているため、この付近一帯は淡水と海水が混じり合う環境。湿原や山から流れてきた養分と、海の豊かなプランクトンが湖と湾の境目を中心に集まります。この環境が牡蠣の生育にピッタリなのです。

厚岸産の牡蠣は、この陸と海の養分がダブルで混ざり合うこの水域で育てられています。しかも寒冷地なので、牡蠣が寒さに耐えるため栄養分をたくさんためこみ、大きく育ちます。だからこそ、厚岸の牡蠣は身が大きくプリップリで、うま味たっぷりジューシーな味わいなのです。

海辺から湖畔、湿原へと牡蠣の故郷を眺めながら進む列車の旅。次回は茶内駅で下車し、霧多布湿原や太平洋に浮かぶ無人島へ行ってみます。

厚岸味覚ターミナル・コンキリエ ■住所:厚岸町住の江2丁目2 ■電話:0153・52・4139 ■営業時間:9:00〜21:00、(11〜12月は10:00〜19:00、1〜3月は10:00〜18:00) ■定休日:月曜(祝祭日の場合火曜)

※駅や列車、お店の紹介内容は2018年8月現在の情報です。(北海道ウォーカー・川島信広)

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