追加関税の撤廃、トランプ氏「合意していない」…中国側の発表を否定

 【ワシントン=山内竜介】米国のトランプ大統領は8日、米中貿易協議を巡り、両国がかけ合ってきた追加関税の撤廃について「何も合意していない」と記者団に述べた。中国側は段階的に追加関税を撤廃することで合意したと発表していたが、これを否定したものだ。

 トランプ氏は「中国は一定の関税撤廃を望むだろう。完全な撤廃でないのは、私がそれに応じないことを分かっているからだ」と述べ、追加関税を全て撤廃する考えはないことを強調する一方、一部撤廃には含みを持たせた。「協議はうまくいっている」と、協議進展に前向きな姿勢も示した。

 追加関税の撤廃については、中国商務省の報道官が7日の記者会見で「協議の進展に応じて段階的に追加関税を撤廃することで合意した」と述べた。これを肯定する米政府関係者もいるものの、トランプ政権内では交渉材料を失うとして、強い反対論もあるとされる。

 米中両国は首脳会談を開き、一部の交渉分野に絞った「第1段階」の合意文書に署名する方向で調整を進めている。12月15日には新たな制裁・報復関税の発動が予定されており、両国はそれまでに貿易摩擦の緩和を目指すとみられる。