居酒屋「もう駄目かも」、旅行会社「ショック」…GoTo見直しに懸念と困惑

居酒屋「もう駄目かも」、旅行会社「ショック」…GoTo見直しに懸念と困惑

GoTo見直し「政府対応遅い」

居酒屋「もう駄目かも」、旅行会社「ショック」…GoTo見直しに懸念と困惑

人通りの少ない3連休初日の国際通り(21日午後、那覇市で)=寺垣はるか撮影

 新型コロナウイルスの感染が急拡大する中で迎えた3連休初日の21日、政府が需要喚起策「Go To キャンペーン」の運用を見直す方針を打ち出した。観光業者や旅行者からは、回復傾向にある観光への打撃を懸念する声や、方針変更に戸惑う声が相次いだ。

■◆「政府対応遅い」

 1日の新規感染者数が20〜50人台で推移する沖縄県。那覇市の観光名所・国際通りの人通りは少なかった。土産店を営む男性(35)は「急なキャンペーンの中止は困るが、感染拡大も怖く、気持ちは半々。政府の対応はいつも遅く、振り回される」と困惑気味だ。

 観光支援事業「Go To トラベル」では、政府の対策分科会が示した感染状況を示す四つのステージのうち、2番目に深刻なステージ3相当に達したかどうかが、新規予約の一時停止の判断材料となる。

 「感染拡大の中、見直しは理解できるが、本音は続けてほしい」。こう打ち明けるのは、那覇空港内の土産品店「リウボウ那覇空港店」の国吉恵子ショップ長(48)。「トラベル」事業の地域共通クーポンを使う観光客が2〜3割いるという。「運用を見直すなら、観光業者側の負担を減らす対策も求めたい」と注文した。

 同事業を利用し、友人3人と卒業旅行で訪れていた名古屋市の大学生(22)は「感染拡大で見直しは仕方がないと思うが、観光しづらくなるのは残念だ」と話した。

 感染者数が増加傾向にある福岡県。太宰府市の太宰府天満宮にはこの日、多くの観光客が訪れた。土産物店のパート従業員(64)は「キャンペーンで客足が戻ったが、例年と比べるとまだ少ない。(運用見直しで)観光客がまた減るのが心配」と語った。

 飲食店などでクラスター(感染集団)が発生した山口県岩国市の国名勝・錦帯橋では、「トラベル」事業を利用した岡山市の自営業男性(76)が「キャンペーンが見直されれば低価格で行ける楽しみが減るので、残念」と話していた。

 福岡市の旅行会社「トラベルウエスト」では、11月以降、九州や東京への旅行予約は9月から約1・5倍に増加したが、北海道への予約は約3割がキャンセルになった。年末年始の予約を見合わせる動きがあり、釘丸浩一取締役は「(運用見直しの対象が)利用者の多い大都市であれば影響は大きい。ようやく回復してきたのにショックだ」と心配そうに話した。

 飲食店支援事業「Go To イート」を巡っても、プレミアム付き食事券の新規発行が一時的に止まる可能性がある。

 東京都では、食事券の販売と利用が20日に始まったばかり。台東区内の販売窓口を訪れた足立区の会社員の女性(37)は「一定期間使えなくなっても、感染状況が落ち着けば、また利用できるようになるはず」と話した。

 大分県最大の繁華街・大分市都町の居酒屋は同事業で売り上げは回復していたが、県内での感染拡大を受け、先週から客足が遠のき始めた。店長の男性(26)は「できる限りの感染対策はやっているが、もう駄目かもしれない」と語った。

■飲み会・マスクなし会話・狭い空間…「5つの場面」注意

 政府は、新型コロナウイルスの感染リスクが高まる「5つの場面」を示し、国民に注意を呼びかけている。

 現在、クラスター(感染集団)の多くが、会食や職場で発生している。「飲酒を伴う懇親会」や「大人数や長時間におよぶ飲食」は、感染が広がりやすい。大声になり、飛沫(ひまつ)が飛びやすくなるからだ。回し飲みや箸の使い回しはリスクが高い。

 食事の時以外でも、「マスクなしでの会話」は要注意だ。昼カラオケで感染事例が確認されている。車やバスで移動する際の会話などにも気をつける必要がある。

 寮の部屋など、「狭い空間での共同生活」で感染が起きている。長時間にわたり、閉鎖空間が共有されるためだ。

 仕事の休憩時間なども油断しない。職場から喫煙所や更衣室に行くといった「居場所の切り替わり」の時は気の緩みが起きやすい。

 西村経済再生相は20日の記者会見で、「リスクが高まるのはいずれもマスクをしない場面だ」と話し、手洗いや換気などと合わせて、マスクの着用を徹底するよう強調した。

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