2022年はEV車の普及が加速か その前には課題も山積

2022年はEV車の普及が加速か その前には課題も山積

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 2021年は、自動車メーカー各社から数多くのEV車が発表され、消費者にとっては、EV車の選択肢が大きく広がった。スタイルだけでなく、様々な価格帯のEV車の登場が予想されるが、EV車にとって心臓部であるバッテリーに対する問題点が大きく立ちはだかっている。

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 トランプ政権時代の2020年までは、アメリカのフォードもEV車の販売をアナウンスしてこなかった。だが環境問題に重点を置くバイデン政権に変わると、状況が一変。フォードは2021年5月に初めてEV車を発表した。それまでアメリカではテスラの独壇場だったわけだが、少しずつ状況が変わり始めた出来事と言える。

 日本国内でも、これまでの日産自動車、ホンダ、三菱自動車、マツダに加えて、2021年末にはついにトヨタがEV車販売に本腰を入れた。今後は国内でもEV車の販売が激戦化してくるだろう。

 クリーンなエネルギーで環境負荷が少ないことから、世界中でEVシフトに向かっている。だがその心臓部であるリチウムイオンバッテリーは、コバルトやリチウムといったレアメタルを使用しており、価格は決して安くはない。またコバルトは、今後30年以内に枯渇するという話もある。

 そこで各企業では、コバルトを使用しないバッテリー開発を進めており、今後はコバルトを使用しない高性能なバッテリーが登場するだろう。その先駆けとして、昨年登場したトヨタの新型アクアのバイポーラ型ニッケル水素バッテリーはかなり興味深いと言える。

 ただEV車のバッテリーは、すでに中国の独走状態で、それに韓国が続いている状況だ。日本勢ではパナソニックが孤軍奮闘しているが、そのシェアは年々低下している。EV車が普及するということは、中国に対する依存がさらに強まる可能性も示唆している。

 そしてもう1つ、国内では充電施設の不足が大きく上げられる。充電施設はノルウェーが世界トップクラスの普及率だが、日本とは産業構造も発電事情も大きく異なる。

 日本では、天然ガスや石炭火力に頼らざるを得ない現状だ。この先EV車が普及すれば、電力不足に陥る可能性も高まる。現状では原子力発電所に頼らなければ、急速な普及は難しいだろう。また現状の電力構成のままであれば、果たしてEV車の普及が環境に良いのか、その点にも疑問が出てくるだろう。

 多くの車種が発表され、普及も加速するとみられるEV車だが、バッテリーや電力問題など、その前にはまだ解決すべき問題が多く残っている。

(小泉嘉史)

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