コロナ関連の破たん3050件に 正常化への期待膨らむ中、ロシア情勢の影響も
2022年03月12日 13時00分財経新聞

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東京商工リサーチ11日、コロナの影響で経営破たんした国内事業者数が、累計で3,050件(負債1,000万円未満を含む)に達したと発表。うち負債1,000万円以上は2,907件で、3月は11日時点で80件と過去最多ペースで推移。政府が「まん延防止等重点措置(以下、まん防)」の新基準を示すなど、経済回復に向けた動きに期待がかかる。一方、日本企業の間でもロシアでの事業活動の停止や撤退が相次ぎ、中小企業を含むサプライチェーンへの影響は避けられない。
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東京都は11日、都内で新たに確認されたコロナ感染者数が8,464人で、前週の同じ曜日を約2,000人下回ったと発表。また、死亡者数は26人が確認された。「オミクロンの特性を踏まえた新たな基準で集計した重症患者」は前日から17人減り182人、「重症患者用の病床使用率」も前日から2.2ポイント下がり22.6%となった。
政府は11日、「まん防」 について、新規感染者や病床使用率にかかる新基準を示した。現在18都道府県が21日まで「まん防」の対象となっているが、新基準では複数の都道府県が解除可能となる見通し。「Go Toトラベル」の早期再開や自治体ごとの宿泊補助プランに向けた準備ほか、インベントの人数制限の緩和など、経済活動の正常化に向けた動きが拡がる。コロナ対策分科会の尾身会長が、「経済活動を再開する時期に来ている」と発言するなどコロナ対策は緩和の方向に進む。
ロシア・ウクライナ情勢の影響が日本企業にも拡がってきた。トヨタが4日、ロシアにある工場の稼働停止やロシアへの輸出を停止すると発表。ユニクロを展開するファーストリテイリングは10日、ロシア国内50店舗とECサイトの休止を決定。いずれもサプライチェーンは広範に及び、国内中小企業への影響が懸念される。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間12日午前10時時点で4億5,490万人超、死者数は603万人超。国別の最多は米国の7,950万人超、次いでインドが4,298万人、ブラジルが2,925万人。以下、フランス2,356万人、イギリス1,967万人、ロシア1,699万人、ドイツ1,689万人と続く。日本は直近4週間の新規感染者数が世界で8番目に多く、累計感染者数は566万人を超えた。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、11日時点で3,050件(負債1,000万円未満を含む)に達したと発表。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで2万7,586人に達した。
3回目のワクチン接種が拡がる中、コロナ対策と経済活動の両立ができつつある。「まん防」の解除や各種支援策の適用で国内景気の回復が期待される。一方、ロシア・ウクライナ情勢は日系企業の事業活動を転換させており、今後、中小企業への影響が懸念される。
(dailyst)
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