外国語の復習に最適な「想起学習」の具体的な進め方

外国語の復習に最適な「想起学習」の具体的な進め方

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 前回は、外国語習得のための復習では、適度な間隔を置く分散学習が効率が良いという話をした。語彙・発音・文法などは、短期記憶を効率的に長期記憶につなげることがカナメとなるため、最適なタイミングで復習を行うことが必須だからだ。詳細は下記の記事を参考にしてほしい。

【こちらも】外国語習得には分散学習が最適! 想起の力で効率よく復習する方法

 今回は具体的に復習をどう進めるのか、専門家のアドバイスを参考にしながら解説したい。想起(思い出す)を繰り返すことで短期記憶が長期記憶につながるのだが、想起学習が簡単に進められる方法は、テストスタイルの勉強法だ。

 テストというと、学力を測る、あるいは学生に優劣をつける手段というイメージが強いかもしれない。しかし、実際にはテストは想起作業の連続で、長期記憶につなげる最も効果的な学習方法なのだ。日本女子大学の竹内龍人教授が、テスト学習の効果について詳細に説明している(PRESIDENT (プレジデント) 2022年 2/18号)。

 語学学習の中でも、想起(テスト)スタイルで効率よく記憶に定着させたいのは、語彙・熟語・文法・発音などの復習だ。初級レベルの学習者は、市販の問題集を使っても良いが、東京外国語大学の言語モジュールでは語彙・文法・発音がバランス良く学べる。モジュールに出てくる、単語・フレーズ・発音などをノートやパソコンに書き出して、テスト形式で効率よく勉強しよう。

【参考記事】27言語が学べる「東京外国語大学言語モジュール」の上手な活用方法

 中上級レベル以上の学習者であれば、新聞やニュース、ネット記事などから、自分に必要な単語、熟語、専門用語をセレクトしよう。初級者も中上級者もテストは自分で作ることが望ましい。

 外国語を学ぶ目的は人によって異なり、ビジネスで使うとしても、経済・政治・会計など職種によって重要単語は大きく異なるからだ。仕事で使う専門用語、自分にとって重要な頻出用語を学べば、実践で想起学習が反復できるため、効果も上がりやすい。テレビやネットのニュース、雑誌、ドラマや映画の中から、自分にとって重要な専門用語や熟語、発音が難しい単語を書き出してテストのリストに加えよう。

 手作りのテストは、小学校の時の漢字テストをイメージしよう。まず一方の列に日本語を、もう一方の列に記憶したい外国語を書き出す。テストの進め方は外国語を隠し、日本語だけ見て意味や発音を想起する。パソコンのExcelであれば、外国語で書き出した列を非表示にして想起する。ノートに手書きでテストを作り、答えの部分を見えないように折り曲げて想起しても良い。手作業でテストを作れば五感を使うので、記憶に残りやすいというメリットもある。

 日本人の多くが苦手とする発音の想起学習には、翻訳アプリを利用しよう。パソコンならばグーグルの翻訳機能が便利だが、スマホなら標準で搭載されている翻訳アプリで十分だ。音声入力を使うと、自分の外国語が正しく認知されるか確認できる。

 アプリは人間のように聞き取れたふりをしたり、間違った発音でも意味を推し量ったりしてくれないので、発音が間違っていれば容赦なく間違った単語を表示する。正しく発音できるまで、繰り返し練習しよう。

 外国語学習の研究者や成功者の意見をまとめると、分散学習で外国語の復習を進める時の重要なポイントは下記の3つだ。

・テストスタイルで効率的に想起する

・自分で復習テストを作る

・翻訳アプリの音声入力で発音をテストする。

 仕事を持つ外国語学習者にとって語学習得は自身の社会的価値を高め、ビジネスの可能性を広げる。限られた時間の中で、最大限効果を上げる復習方法を追求することはとても重要だ。

(薄井由)

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