スタートアップ企業の輩出を支援する、DCON(2022)とは!?

スタートアップ企業の輩出を支援する、DCON(2022)とは!?

(画像: 日本ディープラーニング協会の発表資料より)

 「DCON(ディーコン)2022」というコンテストを見る機会を得た。結論から急ぐと、いま「スタートアップ企業に向けた、積極的な種蒔きが不可欠」と指摘されている。こうしたコンテストは、国が率先して行うべきだと痛感した。

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 コンテストの対象は、高等専門学校(高専)の学生による「起業案」の提案。私が見たのは専門家による1次・2次予選を通過した、9校:10チームの高専生による最終プレゼンテーション。DCON実行委員会委員長で、日本ディープラーニング協会理事長の松尾豊氏(東京大学大学院教授としてディープラーニングを主としたAI研究でも知られる)は狙いをこう語っている。

 「各地の高専生がディープラーニングを学び、新たなスタートアップが生まれ投資資金が首都圏から流れれば、地方経済に大きな刺激になる。地方の優良なものづくり企業との連携で、地元企業の底上げにも繋がる。過去の入賞チームの中から、実際に起業に至る例も出てきている。ディープラーニング×ハードウエアを武器に、世界一の企業が生まれてくるかもしれない」

 頭が固くなっている老ライターは当初、ディープラーニング(深層学習)がなかなか呑み込めなかった。若手からこんな実用例があると教えられた。「話題の自動運転技術は、ディープラーニングを利用して作られた技術の中でも、最も期待されているひとつ。道路標識や信号、対向車やバイク、歩行者などの検知をAIに任せることで、事故の減少や渋滞の緩和に繋がる研究・学習」と聞いて、ようやく合点がいった。

 1番目のプレゼンテーションは、鳥羽商船高等専門学校の4人組。作品名は「seenet」。魚の見える化による定置網漁業の支援システム。こんな風に語った。

 『日本には大型定置網が372、小型が3868ある。が「漁獲の8割近くが安価で取引されており、特に小型定置網の猟師の収入が少ない」「市場が開かれるタイミングに合わせ操業するため年180日以下と操業日数が少ない」「網上げを行うまで漁獲がわからい」といった問題点がある。Seenetシステムは海洋観測機から得られる海象データや水中画像を元にディープラーニングを活用して、入網している魚の検出や漁獲予想を行う。効率よく安定した漁獲の支援を進めることで、漁師の収入向上を図っていく』

 プレゼンは所定の時間内に行わなくてはならない。そして5人の審査委員の質問に答えなくてはならない。そのうえで審査委員が「〇」「×」の表示を行う。

 4時間余りにわたり、10チームのプレゼンが行われ認定されたものには「起業資金」として100万円・50万円・30万円が授与される。どのプレゼンにも私は「うーん、なるほど」とひたすら唸り続けた。従ってどの高専のプレゼンが100万円を得たかは記さない。

 ちなみに鳥羽商船高等専門学校の他には、一関工業高専/沼津工業高専/豊田工業高専/明石工業高専/大島商船高専/香川高専詫間キャンパス:2チーム/佐世保工業高専/沖縄工業高専がプレゼンに臨んだ。

(千葉明)

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