医療分野でのIoT・AI関連市場、今後10年で大幅拡大へ 富士経済が調査

医療分野でのIoT・AI関連市場、今後10年で大幅拡大へ 富士経済が調査

医療分野におけるIoT関連機器・システムの国内市場予測()

 富士経済は8日、医療分野におけるIoT、AI関連の国内市場の調査結果を発表した。医療ビッグデータの整備や生体センサーを始めとする技術革新により、これらの分野は大幅な市場の拡大が期待されており、2025年には、医療分野でのIoT関連機器・システムの国内市場は16年の2.2倍となる1,685億円に、AI関連の国内市場は16年の4.1倍となる150億円に、それぞれ拡大する予測されている。

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■通信機能搭載型人工臓器

 通信機能が埋め込まれた人工臓器、ウェアラブル機器を対象としている。リアルタイムモニタリングを活かした在宅治療、遠隔からの病変や機器の不調にも対処できることから、その需要が拡大。

 なかでも不整脈治療で必要不可欠なペースメーカー/埋込型除細動装置は後期高齢者の増加により市場拡大が期待されている。また人工心臓は人工移植登録患者の増加、小型化や小児向け製品のラインナップ拡大により着実な伸長が見込める。その他、デジタル補聴器、人工眼システム、人工腎臓など幅広い機器でも技術対応が実現していることも市場拡大を後押ししている。

■治療・モニタリング機器・システム

 IoT化により実現される遠隔モニタリングや在宅医療において対応する機器の市場が徐々に拡大傾向にある。カプセル内視鏡は、2014年に大腸用の製品が保険適用になったことから市場が拡大。従来の内視鏡より体への負荷が軽減することから需要が増加、今後医師からの啓蒙、患者の認知によりさらなる伸長が期待されている。

 てんかんなど日常での脳波管理に用いられるウェアラブル型脳波計は現時点ではコストが高く、大学病院を中心とした普及に留まっているが、技術革新などによる低価格化が実現すれば一般病院や診療所への普及も一気に進む可能性がある。

■その他医療関連IoTシステム

 遠隔医療システムは政府も遠隔治療の活用に前向きであることから、参入企業がここ数年で増加傾向にある。医師不足や過疎地域への医療という課題を克服する分野であるため、普及拡大が大いに期待されている。その他、遠隔看視システムや服薬管理システムにおいても技術革新による使用時の簡素化やコストパフォーマンスの向上によりさらなる普及が期待されている。

■医療分野におけるAI関連の国内市場

 製薬企業内の実験結果や論文データなどのビッグデータに、AIを活用した分析を行うことで新たな創薬に結び付けるAI創薬システムは、医薬品企業やバイオベンチャーによる普及が始まった段階に過ぎないが、あらゆる面で時間を要した創薬という分野では効率化やスピード化が見込めることからさらなる市場の拡大が期待されている。

 MRの営業活動の最適化などを図るシステムである製薬企業向けAIシステムは、医師への効率的な情報提供が可能なことから、従来の非効率なMRの在り方を劇的に変える可能性もある。現状は一部の大手製薬企業による実験段階にあるものの、その実用性が証明されれば大いに普及する可能性がある。

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