狸合戦の徳島「金長神社」で正月から期間限定「藍の御朱印」登場

狸合戦の徳島「金長神社」で正月から期間限定「藍の御朱印」登場

阿波藍と徳島和紙の金長神社限定御朱印

 その昔、阿波国(現在の徳島県)であったという、タヌキの集団が二手に分かれて戦った「阿波狸合戦」。その勝者となったタヌキの頭目「金長」をまつった神社が徳島県小松島市にあります。昭和の初めから様々な形で映像化され、ジブリアニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」にもそのエピソードが登場する「阿波狸合戦」ゆかりの金長神社で、2019年のお正月から、伝説にまつわる「藍」と地域特産の和紙を使用した期間限定の御朱印が授けられることになりました。

 江戸時代末の天保年間、小松島で起こったというタヌキ同士の大合戦。現在の徳島県小松島市日開野で、大和屋という染物屋を営む茂右衛門が1匹のタヌキを助けたことから話は始まります。そのタヌキの名は「金長(きんちょう)」。タヌキのおかげで茂右衛門の染物屋は繁盛しますが、タヌキとしての位階を持たない金長はある日から、現在の徳島市津田町にいる近郷の総大将タヌキ、六右衛門のもとで修行をすることに。修行の成果で金長が念願の正一位の位階を得ようかという時、その才能から金長をずっと自分の手元にとどめたいと六右衛門は画策しますが、もとよりずっと六右衛門のもとにいるつもりのなかった金長は出奔。六右衛門の手下から追われる身となります。

 同じ日開野から六右衛門のもとで修行し、金長と行動を共にしたタヌキ「藤ノ木寺の鷹」を失いつつも、やっとのことで茂右衛門の待つ大和屋へと帰参した金長。鷹の仇討ちと六右衛門一派との最終決戦のため、同志のタヌキを募って戦いに臨みます。戦いは見事に金長らの勝利に終わりますが、その戦いで深手を負った金長もまた、勝利の後に命を落としてしまうのです。念願の正一位を得る目前で命を落とした金長を憐れんだ茂右衛門は、金長の名代として京都へ出向き、金長の正一位としての位階を授かってきたのでした……というのが、徳島県小松島市に伝わる「阿波狸合戦」の概要です。

 この伝説は講談の題材になったほか、1939(昭和14)年に新興キネマ(のちに大都映画などと合併し「大映」となる)の映画「阿波狸合戦」がヒット。その後も大映や新東宝で映画化されています。また、1994年の高畑勲監督によるジブリ作品「平成狸合戦ぽんぽこ」にも、登場キャラとして四国の重鎮である「六代目金長」が登場するなど現代のアニメ作品にも影響を与えています。

 その「阿波狸合戦」ゆかりの神社が徳島県小松島市、小松島市営球場横にある「金長神社(金長大明神)」。1956(昭和31年)に建立され、金長の伝説にあやかって商売繁盛や勝負事に臨む人からの崇敬を集めているといいます。この金長神社で2019年のお正月から、普段のものとは違う限定の「藍」と「阿波和紙」を使った御朱印がお目見えすることになりました。

 藍は、金長が世話になった茂右衛門の店「大和屋」が染物屋さんだったことにちなむもの。徳島県では古くから藍染が行われており、江戸時代から明治にかけての最盛期には全国で名を知られる存在でした。現在徳島の阿波天然藍を材料に使った絵具は存在しないため、藍の技術者から特別に提供してもらったものを使用します。これを使って「金長大明神」の文字を阿波和紙に記しています。

 また、この御朱印を授けてもらった人には、「Fate」シリーズでイリヤスフィール・フォン・アインツベルンや「ストライクウィッチーズ」シリーズでサーニャ(アレクサンドラ・ウラジミーロヴナ・リトヴャク)などを演じた、声優・門脇舞以さん主演のボイスドラマ「金長神社を救え! 当世・阿波狸合戦!!の巻 前編・後編」のCDも特別に配布されるとのこと。

 この特別な御朱印は、2019年1月1日〜1月3日の期間限定。神社では1日は7時〜15時、2日は10時〜15時、3日は10時〜12時で拝受ができ、それ以外の時間帯については近隣の小松島地蔵寺で受け付けるとのこと。金長神社の修理保存復興のため、この限定御朱印には、ひとつにつき300円の寄進(初穂料)が必要となります。このほかにも5月の金長神社大例祭、10月の第一日曜日にも授ける予定があるそうです。

 古来、藍色は「勝色(かちいろ)」として縁起のいいものとされ、サッカー日本代表の「ジャパンブルー」も藍色を意識したものだといいます。金長が「阿波狸合戦」で六右衛門に勝利したのは、ひょっとしたら世話になった茂右衛門の「勝色」が味方したのかもしれませんね。徳島が誇る阿波藍と阿波和紙を用いた御朱印、勝ちを得たい方は徳島県小松島へ足を運んでみては?

金長神社
徳島県小松島市中田町脇谷
(徳島からJR牟岐線南小松島駅下車)

情報提供:金長神社を守る会

(咲村珠樹)

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