両社の提携は意外と「アリ」だ。日野とフォルクワーゲン バストラックが戦略的協力関係の構築に向け合意

両社の提携は意外と「アリ」だ。日野とフォルクワーゲン バストラックが戦略的協力関係の構築に向け合意

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日野自動車とVolkswagen Truck & Busが包括的な業務提携に入ることが発表された。日野はトヨタの、Volkswagen Truck & Busは言うまでもなくVolkswagen のグループ会社であるがゆえに、互いに「ライバル同士」と表現したメディアもあったが、実際にはこの両社、今までも意外と上手くつきあってきているのだ。

フォルクスワーゲン・タロ(太郎)を知っているか?

去る4月12日、日野自動車株式会社(以下、日野)とVolkswagen Truck & Bus GmbH (以下、Volkswagen Truck & Bus)は、都内のホテルにて『長期視点における対等かつ互恵的な戦略的協力関係の構築に向けた合意書『(Strategic Cooperation Framework Agreement/ 以下SCFA)』に調印したと発表した。

両社は共有する「お客様に最高の価値を持続的に提供していく」との考え方のもと、「物流および交通に関わるソリューション調査」、「既存および将来技術」、「調達」などの領域において協力を検討していくことになる。なお、技術領域には既存の内燃パワートレーン、ハイブリッドおよび電動パワートレーン、コネクティビティー、自動運転システム等が含まれている。今後、両社は協力関係の構築により、顧客に最高の価値を提供すべく革新的な技術開発を行ない、グローバルなマーケットポジションを高めることを目指していく。

運営体制としては、SCFAに基づいたアライアンス委員会を立ち上げ、長期的かつ対等な協力の方向性を議論していくという。この委員会は日野とVolkswagen Truck & Busの両CEOおよび役員級のメンバーで構成され、両社は独立性を維持した形で実際的かつ効率的な組織運営を目指すことになる。

また、アライアンス委員会は既存および将来技術分野における協力の可能性の調査や評価――例えば、顧客により良い商品を提供するために既存の内燃パワートレーンにおける協業の可能性や新技術領域における協力の可能性を探るといったこと――を行なう。

日野の下義生代表取締役社長/CEOは
「今回の合意は日野とVolkswagen Truck & Busがお互いを尊重し、“お客様に最高の価値をお届けする”という考え方を共有するからこそ成し得たものです。日野は、お客様に最高の価値をお届けするために“もっと、はたらくトラック・バス”をスローガンとして、Volkswagen Truck & Busと地域的な互恵関係の構築を目指し、互いの技術に敬意を払い、“もっと良い商品”と“最高にカスタマイズされたトータルサポート”の提供に挑戦してまいります。また、急速なeコマースの普及等により“輸送”が新たな課題に直面するなか、日野とVolkswagen Truck & Busが戦略的協力関係の構築を目指すことは大きな意義を持つものと考えます」
と語った。

またVolkswagen Truck & BusのA.レンシュラーCEOは、
「トラック・バスのリーディングカンパニーのひとつであり、特にアジアで強い存在感を示す日野と戦略的パートナーシップの構築に向けて合意することになり、大変嬉しく思います。事業を展開する地域や商品ラインアップの観点からとても良い組み合わせであることに加えて、将来の輸送のあり方を追求するパートナーとしても最良の組み合わせであると思います。日野との協業の実現は“お客様に最高の価値をお届けすることを通して輸送業界のグローバルチャンピオンになる”という戦略にも貢献するものです」
と語る。

日野は日本およびアジアにおける商用車のリーディングカンパニーであり、米国を含む80以上の国と地域で商用車を販売している。一方、Volkswagen Truck & BusはMAN(マン)、Scania(スカニア)といったブランドを通したヨーロッパ、およびブラジルにおけるリーディングカンパニーであり、車載コネクティビティーのクラウドプラットフォームである『RIO』を有している。また、北米ではNavistar(ナヴィスター)、中国ではSinotruk(中国重汽)と協力関係にある。日野とVolkswagen Truck & Busが戦略的協力関係を結ぶことにより、グローバルビジネスにおける地域的な協力関係を強化し、業界の課題対応力を高めることが可能になる。

日野とVolkswagenとの関係で思い出されるのが、日野が製造を担当したトヨタのピックアップトラック『ハイラックス』が1987年から1996年までVolkswagen Taro(フォルクスワーゲン・タロ。Taroは日本語の「太郎」が由来)として販売されたことであり(Volkswagen側車両は同社ハノーファー工場で製造)、また、現在はVolkswagen Truck & Busの傘下にあるScaniaと共同開発したBKG-SHD2EAG型トレーラーヘッドを、2002年から2011年まで「日野スカニアトラクター」として販売していたことだ。そう考えると、両社の協業は意外とスムーズに進み、大きな成果を実現することが予想されるのである。

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