かつては250まで出揃ったが、じつは新型にも存在する!?

かつては250まで出揃ったが、じつは新型にも存在する!?

記事画像

ミラノショー2017に出展され、話題となった「KATANA3.0」。イタリアのバイクメディアが企画した車両でしたが、スズキはこれに賛同し、市販バージョン開発へと至りました。ベースとなったのが「GSX-S1000」です。となれば、そのフルカウル版「GSX-S1000F」も含めて、“カタナ3兄弟”なのかもしれません。その3機種、気になって仕方がないので、それぞれを見て、乗って、じっくり比べてみることにします。REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

かつては小刀(250)まで存在したカタナ兄弟!!

 新型が登場し、話題となっているスズキ「カタナ」ですが、かつては兄弟モデルがありました。長兄である「GSX1100S」を筆頭に、1000、750、そして90年代以降には普通二輪免許(当時は中型限定)で乗れる400や250も登場しています。
 さらに外装はまったく違いますが、650、400、250、125にも車名に「カタナ」が付いたモデルが発売されました。今のところ新型は1000ccモデルだけですが、兄弟モデルが今後出てくる可能性も否めません。

 じつは新型「カタナ」とエンジンやフレームを共有する一卵性双生児と言えるモデルが、もうすでにあるのはご存知でしょうか。「GSX-S1000」そして、そのフルカウルバージョン「GSX-S1000F」です。もちろん心臓部やシャシーはそれぞれで最適化され、決して同じではないのですが、「カタナ」の開発段階でのベース車両となったのでした。

 そもそも新型「カタナ」は、2017年11月のミラノショーに出品されたイタリア誌のカスタムコンセプト「KATANA3.0」に端を発する市販バージョンでして、それは「GSX-S1000」をもとに製作されたのです。となると、この3機種は「カタナ3兄弟」と言えるのかもしれません。強引でしょうか。でも気になりますよね、それぞれのモデルがどう違うのか。

KATANA……1,512,000円GSX-S1000 ABS……1,131,840円GSX-S1000F ABS……1,185,840円3台をじっくり見比べてみる!!

 外観はそれぞれでまったく異なり、まさに三者三様です。刀を想起させるシャープで流れるようなラインの外装を身にまとった「カタナ」に対し、ストリートファイターの「GSX-S1000」は低く構える野獣を思い起こさせるスタイルです。フルカウル仕様の「GSX-S1000F」もスーパースポーツとは一線を画すアップライトなファットバーハンドルで、ワイルドなフォルムとしています。

 ステアリングヘッドからスイングアームピボットまで一直線としたアルミ製ツインスパーフレームは、高い剛性と軽量化を両立。「カタナ」では、高剛性アルミ製スイングアームが灯火器類やナンバープレートを備えるリヤフェンダーを片持ち支持でマウントしています。

 車体寸法は以下の通り。
カタナ 全長2,130mm×全幅835mm×全高1,110mm
GSX-S1000 全長2,115mm×全幅795mm×全高1,080mm
GSX-S1000F 全長2,115mm×全幅795mm×全高1,180mm

装備重量は以下の通り。
カタナ:215kg
GSX-S1000:209kg
GSX-S1000F:214kg

ライディングポジション&足着き性をチェック!!

 跨ってまず感じるのは、3車ともアップライトなハンドルのおかげでゆったりとしたライディングポジションということです。上半身がもっとも起きるのがアップハンドルのカタナで、ロングライドでも疲労感が少なそうです。「GSX-S1000」と「GSX-S1000F」も前傾はきつくなく、むしろだいぶ上半身は起きた状態。いずれも前傾姿勢で首や腰が痛くなる、なんてことはなさそうで、ツーリングにも最適でしょう。
 シート高はカタナ825mm、GSX-S1000とGSX-S1000Fは810mmで、写真でご覧の通り足着き性はGSX-Sの2台に軍配が上がります。

「カタナ」のメーターでは、イグニッションをONにするとマルチファンクションディスプレイに“SUZUKI”の文字が表示され、その後、画面を刀で切り、“KATANA”のロゴが浮かび上がる専用のアニメーションが映し出されます。
「GSX-S1000」および「GSX-S1000F」のインストルメントパネルは、輝度調整可能なLCDを用いた軽量設計です。速度やタコメーター、オド、デュアルトリップ、ギアポジションインジケーター、水温計、航続可能距離計、平均燃費計、瞬間燃費計、トラクションコントロールモード、燃料計、時計を表示します。

心臓部はGSX-R1000譲り!!

 新型「カタナ」および「GSX-S1000」「GSX-S1000F」のベースエンジンは、スーパースポーツ用のパワーユニットにしてはロングストローク設計となる「GSX-R1000」K5(2005〜08年)の並列4気筒DOHC4バルブです。
 凄まじいまでの加速性能を誇り、低中回転域でのトルクの太さに定評があります。そのパワフルなエンジンをストリート向けにチューニングし、低回転域でのさらなる力強いトルク、そして高回転域での伸びやかな特性を実現したのでした。この3兄弟の心臓部は、ものすごく強靱と言って間違いありません。

 なお、スペック上において3モデルに差はなく、いずれも最高出力109kW〈148PS〉/10,000rpm、最大トルク107N・m〈10.9kgf・m〉/9,500rpmとなっています。

肝心なライドフィールはどうなのか!?

 さて、走りはどうでしょうか。スロットルワークで扱いやすさを感じるのが「カタナ」です。“GSX-S”の2台はアクセル操作に対し、容赦なくドーンと加速していき、大排気量モデルに不慣れな人では手強すぎると感じるかもしれません。その点「カタナ」はレスポンスが鋭すぎず、なおかつ怠くもなく、自在に操れるフィーリングがあります。

 フロント120/70ZR17、リア190/50ZR17というタイヤサイズであったり、キャスター角25度/トレール100mmといったディメンションなどに違いはないものの、ハンドル切れ角は異なり「カタナ」だけは2度少ない29度となっています。これは実際に乗ると感じるもので、タイトな場所でのUターンなどは“GSX-S”の2台はよりイージーで、極低速での小回りが得意です。

 前後サスペンションは「カタナ」はシャキッと硬い印象があります。より荷重をかけて乗るスポーティなライディングに相応しいのではないでしょうか。“GSX-S”の2台はソフトな足まわりで、乗り心地の良さをより感じます。

足まわりやシートの違いは!?

 インナーチューブ径43mmの倒立式フロントフォークはKYB製で、伸び側/圧側ダンピング、スプリングプリロードを調整できるフルアジャスタブルタイプ。足まわりは3機種とも共通ですが、サスペンションのセッティングは各モデルで最適化されています。
 ブレーキはブレンボ製ラジアルマウント対向4ピストンモノブロックキャリパーと310mmフローティングマウントディスクの組み合わせ。強力な制動力と高いコントロール性を発揮し、性能は申し分ありません。
 フロント120/70ZR17、 リア190/50ZR17のタイヤサイズも同一ですが、装着するダンロップ製ラジアルタイヤは「カタナ」が専用設計とした「SPORTMAX ROADSPORT2」、「GSX-S1000」と「GSX-S1000F」は「D214」です。

「KATANA」のシートは「GSX1100S KATANA」のエッセンスであるツートンカラーと3本ラインを盛り込み、形状も独自のものとしています。いずれもグリップの良い表皮が採用され、ライディング時のマシンホールドが良好。人車一体を感じさせるシートです。

 あれこれと細かい部分まで欲張って紹介し、長い記事になってしまいました。“3兄弟”からもし1台を選ぶなら、見た目の好みや第一印象で選んでしまってもいいですし、試乗してそれぞれの乗り味を確かめてからでも、それぞれアリだと思います。
 あえて理由を付けるのなら、軽快感を重視し、強烈なダッシュを優先するなら「GSX-S1000」。高速道路を多用し、より快適なクルージングを求めるなら「GSX-S1000F」。そして「カタナ」はもう理由など要らないでしょう。欲しいから買う、それで充分です!

KATANA……1,512,000円
GSX-S1000 ABS……1,131,840円
GSX-S1000F ABS……1,185,840円

続きを読む記事テキスト

関連記事(外部サイト)