【ホンダ モンキー125試乗】大きくなってもデザイン&走りはモンキーらしさ濃密!

【ホンダ モンキー125試乗】大きくなってもデザイン&走りはモンキーらしさ濃密!

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ホンダの“新しい「モンキー」”こと「モンキー125」を路上で見たら、ちょっと意外でした。

かつてのモンキーといえば、全長1365mm、シート高660mmのボディに、50ccの単気筒エンジンを積んだマイクロバイク。小さなシートに、ちょこんと人が座る姿がユニークで…というバイクでした。だから、排気量が125ccになり、全長1710mm、シート高が775mmにまで成長したモンキー125には「微妙な違和感があるのでは!?」と予想していたのですが、日常の風景にすんなり収まっていたのです。

もちろん、歴代モンキーのコレクターの方や、50cc時代のモンキーを愛用している人は、また違った感想を抱くでしょう。でも、東京モーターショー2017でコンセプトモデルとして展示されたモンキー125を見て「なるほど、モンキーそっくりだ!」と薄っすい印象を得た程度のにわかライダー(←私のことです)は、別段、拒絶反応なく新型モンキーを受け入れられました。

■モンキーらしく見えるのは元祖の意匠が秀逸だったから!?

一般に、デザインされた立体物を拡大/縮小する際には、その特徴を上手に取り込んでデフォルメするのが、サイズ変更を成功させるコツだといいます。ところが、50ccの“オリジナル”モンキーの姿をモンキー125に投影するに当たって、ホンダの開発者の人は「できるだけ原型に近い比率で大きくした」といいます。それでいて新しいモデルが「モンキーとして立派に成立している」のは、裏を返せば、元のデザインがよほどしっかりしていたから、でしょう。

モンキーのオリジナルデザインを、どの年代のモデルにするかについては、いろいろな議論があるかと思いますが、1960年代初頭に登場したモンキーが、半世紀を超えて愛され認められきたのは、単に「小さくてかわいいから」だけではなかったのです。21世紀のモンキーたるモンキー125からは、オリジナルモデルに対する開発陣のリスペクトが感じられます。

モンキー125の生産国はタイ。先行して発売され、すでに2代目となっているミニバイク「グロム」のコンポーネンツを活用して開発されました。それにしても、この2台の作り分けは、お見事! ポップでモダンなデザインをまとったグロムに対し、クラシカルなモンキー125。グロムはふたり乗りで、一体型のシートは前後に分けられています。そのためライダーは、前寄り・前のめりな感じで着座しますが、ひとり乗りのモンキー125は、クッションの詰まったシートを独り占め可能で、ゆったり座ることができるのです。

感心させられるのは、走りにおいても両車の味つけが対照的なこと。自然と両ヒザがタンクを挟んで、スポーティな走りに備えるグロム。一方のモンキー125は、伝統に従って(!?)、プチアメリカンなライディングフォームとなります。

キャスター角はいずれも25度ですが、モンキー125のタイヤは、グロムとサイズこそ同一ながら、扁平率が70から80へと厚くなっています。ブロックの荒いむっちりしたルックスが、のほほんとしたモンキーの外観にマッチしているだけでなく、バイクをロールさせる際に若干の抵抗を感じさせます。

これが、直進時の安定性につながっていて、クイックなハンドリングを身上としているグロムと一線を画します。ホンダのミニバイクは、ライダーの予想を裏切りませんね。ライドフィールの好き嫌い、場合によっては購入後のモディファイの方向性によって、機種を選べるのです。
■アフターパーツでのカスタマイズも楽しそう

さて“アンコ”のたっぷり入ったモンキー125にまたがると、クラシカルな丸いメーターが目に入ります。液晶表示で「速度」「積算/トリップ」「燃料残量」と必要最小限の情報を伝えてくれます。メーターの外観を変えたいとか、タコメーターなどプラスαの機能が欲しい人は「アフターパーツでカスタマイズしてくださいね」ということでしょう。

最近のホンダ2輪らしく、丸いヘッドランプは上下に分かれたLEDタイプ。上がロービーム、ハイビームでは上段に加えて下段も点きます。新型モンキーは、リアランプ、それにウインカー類もLEDという豪華さ。長い寿命を期待できるので、メンテが楽そうですね。

モンキー125は、サイドカバーが取り外し式の小物入れになっていますが、そこに収まるのは書類程度。せっかく原チャリこと50ccバイクの、30km/hという非現実的な制限速度、わずらわしい二段階右折といった呪縛から逃れられたのですから「たまにはツーリングにも行ってみたい」、「荷物を積みたい」。そんな人たちは、オプションのリアキャリアなどをご検討ください。

一応、シート下にも収納スペースはありますが、工具でシートを外す必要があるので、日常的に使うのはツラいかもしれませんね。
■のんびり走るのがモンキーらしいつきあい方

シングルシリンダーの空冷エンジンは、実用バイクらしく、前向きに倒して搭載されます。この方が、立てて積むよりも“風当たり”がいいんですね。最高出力は9.4馬力、最大トルクは1.1kg-mで、単気筒らしく、低回転域から相応のトルクが湧いてきますので、運転はラク。一方、ガンバって回してもパワーの盛り上がりには限りがありますが、4速のギヤをさっさと上げていくと、流れの速い幹線道路でも過不足ない加速力を示します。トップギヤは、いわば巡航用ですね。

フロントサスペンションは、見た目アグレッシブに倒立式。リアは、クラシカルな2本タイプ。セッティング自体はソフトなもので、急制動をかけると盛大にノーズダイブ。試しにハードコーナリングを敢行すると…柔らかなシートクッションがグニャリとつぶれ、ライダーはズリ落ちそうになります。「私はそんなバイクじゃないよ」と、やんわり抵抗されるわけです。

モンキー125は、やはり気楽なライディングポジションと乗り心地の良さを活かし、のんびり走るのが“らしい”つきあい方。ゆっくり流れる時間の中、どこまでも走っていけそうな気がします(本当に)。

ボディカラーは「赤/白」と「黄/白」の2種類。ベースモデルは39万9600円で、ABS付きだと43万2000円になります。ABSは前輪のみとなりますが、緊急時の急制動は元より、雨の日のブレーキング時にはありがたい装備。濡れたマンホールのフタや工事用の鉄板の上をブレーキをかけながら通過する際、細やかに作動し、ライダーに一定の安心感を与えてくれます。

「125ccで40万円超か…」という声もありましょうが、一種の“保険付き”として、ABS付きのモンキーはいかがでしょう?

<SPECIFICATION>
☆モンキー125 ABS
ボディサイズ:L1710×W755×H1030mm
車重:107kg
エンジン:124cc 単気筒 SOHC
トランスミッション:4速MT
最高出力:9.4馬力/7000回転
最大トルク:1.1kgf-m/5250回転
価格:43万2000円

(文&写真/ダン・アオキ)

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