[Gear Maniax #122] ちょっとライトには見えないけど実用性バツグンなんです!

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今回ご紹介するのは、NITECORE「TUP」になります。

こちらのライトは、内蔵充電池式のコンパクトフラッシュライトです。TIPシリーズやTINIなどに近いモデルになりますが、この「TUP」というモデルはそれらよりも一回り大きく、より進化した性能を搭載しています。機能、操作性、すべての要素がこの個性的な四角いボディに詰まっています。それでは、さっそくその特徴的な外観から見ていきましょう。

 

まず目を引くのが、「モニターディスプレイ」の存在。これまでにもモニターを搭載したライトは数多くありました。特にNITECOREからは大型モデルを中心に、明るさや電圧、電池残量などが表示されるモデルはたくさんありました。しかし、このサイズでの搭載は初めてかもしれません。

全長約70mm 、ヘッドサイズは約30mm、重さは約53g。サイズ的には一般的な単セルのCR123モデルとさほど変わりはありません。ただ、ボディが四角柱であることを除けば。ライトのボディは円柱でなければならないという決まりはありません。円柱であれば握りやすい、というメリットは確かにありますが、正直このサイズのライトになるとあまり関係が無いのかもしれません。また、内蔵充電池はボディ内部に四角いものが入っているらしく、その容量は1200mAhにもなります。これは、一般的な円柱型のリチウムイオン充電池16340形のおよそ二倍の容量です。

つまり、円柱型のライトの場合、バッテリースペースに入れる電池が円柱のため、ボディもそれに伴った形状になるわけですが、設計の段階から専用の充電池を使うことを想定しているのであれば、ボディの外観上の制約はなくなるわけです。よって、より大容量の充電池が入れられる形になった、というのがこの四角柱ボディのゆえんかと思います。

充電ポートはボディ側面にあり、ポートの形状はマイクロUSBタイプ。ポートを覆うダストカバーは後ろから前へ爪で少しこじってやるとずらしやすくなっています。ポートの開口部が広いので、ケーブルも挿しやすいと思います。

ボディ背面には、かなりしっかりとした鋼製のクリップが付いています。クリップはねじ止めされており、着脱が可能。このクリップはかなり丈夫。いや…、硬いですね。このサイズでこの重さのライトのクリップとしては超オーバースペック。少し厚みのあるベルトには挿さりません。比較的生地の薄いズボンのポケットや、リュックのストラップやモール、バックのインナーパーテーションならば挿しやすいかと思います。クリップの形状自体はとても優秀で、握ったとき変に指に干渉することもなく、素直にライトを握れます。

ボディのテール部にあるランヤードホールは耐荷重約30kg。鍵束に付けることはもちろん、自動巻きのギアキーパーなどに付けても良いかもしれません。個人的には、そのままポケットに突っ込んじゃいますけどね(笑)。でも、ライトを落としたくないと思う方は、このようなアクセサリーの併用もご検討ください。

次にスイッチ操作についてご紹介します。

スイッチボタンはボディ上面に二つあり、ヘッドを上とすると下スイッチがメインスイッチ、その上の四本線が入ったものがモード切替となります。ボタンのサイズはこれまでのモデルに比べ大きく押しやすいと思います。

充電中は淡くブルーに光り、暗所でもその所在が確認できやすくなっています。なお、充電中でも点灯可能でした。アウトドアや緊急時にモバイルバッテリーなどに繋いで急場の照明として使うこともできる仕様のようです。

まず、ロックアウトの仕方をご紹介しましょう。

そもそも「TUP」にロックアウトは2種類あります。ロックアウト1は、「ハーフロックアウト」といい、常時点灯はできませんが、モードボタンを押している時だけ1000ルーメンのターボモードが作動する仕様です。モードボタンを押した瞬間に点灯するのではなく、一拍子おいて作動する感じです。ポケット内での無為な誤点灯を防ぎつつも、とりあえず短時間でも点灯させたい時に使えるモードですね。

ロックアウト2は「フルロックアウト」で、完全にどのボタンを押しても作動しなくなります。ロックアウト1は、点灯もしくは消灯した状態からメインスイッチを長押しすると作動し、さらにロックアウト1が作動してからも長押しするとロックアウト2に入ります。慣れるまでちょっと戸惑いますが、レスポンスは良いのですぐ慣れると思います。

次にロックアウト解除の仕方ですが、少々癖があります。まず、メインスイッチをダブルタップ(極短く二回素早く押す)し、二回目のタップで長押しすると解除されます。ロックアウト1でも2の状態でも同じ動作で解除されます。ロックアウトが解除されるときは「キーマーク」の下にダウンロードバーみたいなアニメーションが表示されます。なかなかニクイ演出でカッコいいですよ。

点灯後は、モニターに現在の点灯モードやランタイムなどのステータスが短時間表示されます。常時表示されません。恐らく省エネを狙ったものかと思います。なお、ロックアウト1の状態でもモードボタンをタップするとバッテリー残量が確認できます。「あと電池残量どれくらいだろう?」と使う前に悩むことがありますが、これなら出かける前に確認ができていいですね。EDC(EveryDayCarry)での利用を強く意識した機能だと思います。

もうひとつ、このライトの運用上の性格をよく表しているのが「DEMOモード」です。デモモードとは、点灯後しばらくすると勝手に消灯するモードです。

「そんなの必要?」と最初は思いました。しかし、これがこのライトの肝です。どれだけ気軽に使えるか、そういったユーザーフレンドリーを提案する機能だと思います。つまり、極短時間の使用であればそもそも消灯のためにスイッチを押す必要はありませんし、「消し忘れ」や「無駄な常時点灯」を防ぐことにも貢献します。

ちなみに、明るく光る小型のライトほど他人に貸すのを躊躇しませんか? 明るいモードでは短時間でボディが熱くなりますし、電池の消耗も激しいので「大丈夫だろうか?」と貸した後から心配になり、「これは、こう使うんだよ」とか説明してもライトを借りた相手は「?」とした表情を浮かべるばかりです。相手はただちょっとライトを使いたかっただけなのに、こいつ何言ってんだ? みたいなことです。まぁ、「勝手に消えた、これ壊れてる」などの文句は言われるかもしれませんが、怪我をされたり壊されたりするよりはマシですね(笑)。

しかし、長時間使えないのは不便です。もちろん、コンスタントに使えるモードもあります。それがDAILY(デイリー)モードです。DAILYモードに切り替えるには、モードボタンとメインボタンを同時に長押しすると切り替わります。モードが切り替わる時は、極短時間ライトが光ります。モニターにも切り替わりが表示されるのでよく分かるかと思います。

続いて照射についてご紹介します。

「TUP」で常時点灯できるモードは4モード。1ルーメン、15ルーメン、65ルーメン、200ルーメンです。絶妙ですね、この設定。どれも実用的かつよく考えられた明るさの設定です。トップが200ルーメンというのが素晴らしい。

「TUP」はデイリーユースを目的としたライトです。日常使用を謳ったコンパクトライトで、常時点灯で四桁に迫る明るさが出せるライトが存在しますが、どれも常時点灯できたものではありません。電池の消耗は激しく、LEDその他デバイスにかかる負荷は激しいものになります。ライトは「使えなければ意味はない」と個人的には思います。このサイズのコンパクトライトであれば、最大200ルーメンは実に現実的かつ実用的な明るさ設定ではないでしょうか。

搭載するLEDは、CREE社のXP-L HD V6 LED。コリメータレンズにより、ややスポットな配光となるため、ルーメン値以上に明るく感じるモードもあります。配光自体は極端にスポットというわけではなく、距離が延びるほど程よく拡散します。手元であれば65ルーメン以下で十分、暗い夜道であれば200ルーメンがベストといった感じです。200ルーメンで常時点灯させてもほとんど熱を持ちません。搭載LEDの性能の良さが伺えます。どんなに新鋭のLEDであってもフルドライブの明るさばかりをフューチャーするのではなく、実用的な明るさを見据えた設定をメーカー側がしていることに好感が持てます。

ターボモードの1000ルーメンは確かに明るい! 原っぱで撮影したときは生憎の雨でしたが、光軸の様子も見られたので面白かったです。こうしてみると周辺光も感じることができるので、極端にスポットな配光ではないことが分かるかと思います。

1000ルーメンはモードボタンを長押ししているときだけ発動する、まさにターボな状態。消灯時もしくは他の点灯モードからも使えます。ただし、ボディは一気に熱くなります。その点はご注意ください。

箱型のデザインである都合上、円柱型のボディのライトに比べて握りづらいのは確か。しかし、ボディのあらゆる部分の角が取れており、スムースで不快な感じはありません。むしろスベスベとした触感が印象的。個人的には滑って落としそう…、などと心配にはなりますが、ペンを握るように中指と親指でボディの脇を挟み、人差し指でボタンを操作するのが一番しっくりきました。親指で操作しようとすると、ちょっとボディが短すぎると感じるかもしれません。

そしてテーブルに置いたときの「ナニコレ?」感がすごい。USBメモリにしては分厚いし、モバイルバッテリーにしては小さ過ぎ? ボイスレコーダーか何かですか? と聞かれてしまうかもしれません。逆にその謎な感じがガジェット好きにはたまらないデザインです。下手にキーライト的なデザインよりもユーモラスがあって良いと思います。

付属品はリングのついたフックのみ。マイクロUSBケーブルも付きません。それくらい持っているでしょ? って感じでしょうか。実際、充電モデルのライトを買うとドンドン増えるUSBケーブルが増えちゃいますよね。

「TUP」というこのライト、TIPシリーズの延長線上にある製品かと思っていましたが、かなり異なるアイテムでした。モード設定、それに伴う操作性ともによく考えられたものだと思います。モニターの装備は雰囲気だけかな? と思っていましたが、実に視認性がよく、表示内容も的確かと思いました。EDCを目的としたライトだとは思いますが、このユニークなスタイルは普段ライトを使わないユーザーにも興味を持ってもらえるかもしれません。もちろん、実用面でも高いスペックを有します。単純に明るさだけではなく、使い勝手を想像した仕様がとてもいいのではないでしょうか。(アカリセンター価格:7599円)

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(文・写真/HATTA)

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