服飾評論家が推薦!日本の傑作レザーブランド4選【CRAFTSMANSHIP】

服飾評論家が推薦!日本の傑作レザーブランド4選【CRAFTSMANSHIP】

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【特集】CRAFTSMANSHIP
日本のレザーブランドの実力を探るべく、服飾評論家 池田哲也さんに話を聞いてきた。欧州と日本の革製品の違いなどを伺いながら、国内の注目レザーブランドを挙げてもらった。紹介するブランドはもちろんMADE IN JAPAN!

 
■欧州のレザーと肩を並べる日本のレザー
今日に至る革製品の加工・製造技術は、すべて馬具作りから発達したものです。そんな馬具作りからスタートしたエルメスは、名実ともにレザーブランドの頂点。縫製は絶妙な力加減で革にテンションをかけながら行い、ただ丈夫に作るのではなく、力の “逃げ” と “支え” を計算してステッチが入っています。

そして卓越しているのが革の裁断。どの部位をどの向きで、どのパーツに使うかを見極めて切り取っていて、エルメスでは数ある工程を経た、もっとも技術と経験のある熟練職人が最後に担当すると聞いています。

革は食肉文化の副産物。欧州は昔から一頭分の大きな皮革を贅沢に扱っていたので、技術うんぬんではなく、食肉の歴史が浅い日本よりも革の扱いには一日の長があるのです。そんな日本にあって、欧州に肩を並べる数少ないレザーブランドをここに紹介します。

服飾評論家池田哲也さん
三越のローマ支局勤務を経て、服飾評論家に。アメカジからクラシコイタリアまで幅広い知識を持つことで業界内では知られている。また一方で、東京・森下の人気ピザ&イタリア料理店「ベッラ ナポリ」のオーナーシェフという顔も持つ

【CYPRIS(キプリス)】
伝統技法とモダンデザインを融合した機能的なものづくり
1995年創業のモルフォが展開する人気ブランド。半世紀におよぶ経験を持つ熟練の革職人と、その技術を継承していく職人集団で製造を行う。「袋もの仕立て」と呼ばれる、和装小物の製作を由来とする伝統技法を用いながら、機能的な新しいモダンデザインをプラス。「百貨店バイヤーズ賞」を14年連続で受賞する実力派だ。

(写真上)「コードバン ハニーセル長財布」(6万3720円)
希少なコードバンを贅沢に使用。内装はヌメ革。

(写真中央)「漆 ササマチ長財布」(6万8040円)
天然漆を使い、塗師が手作業でひとつひとつ加工。染料だけでは表現しきれない、漆特有の風合いやグラデーシ ョンが魅力。

(写真下)「極 通しマチ長財布」(4万8600円)
甲冑に使われていた姫路黒桟革(くろざんがわ)を採用。日本古来の伝統技法で生み出される。

 
【SOM?S SADDLE(ソメス サドル)】
頑丈で優美な仕上がりが魅力! 高度な技術を持つ馬具メーカー
1964年に創業した、北海道の馬具メーカー。国内外の一流ジョッキーの鞍を手がけ、宮内庁に馬車具を納入する確かな実力を持つ。革の繊維の方向、頑丈の差など部位の特徴を見定めて裁断、ベテランと若手が組んで製造を行う。馬具職人のハンドメイドによるバッグは、頑丈で優美な仕上がりが魅力。

(写真右)「ウィズダム トートバッグ」(9万720円)
タンニン鞣しの牛革に、角シボの型押しを施した新作トート。ビジネスに対応する品のあるデザイン。

(写真中央)「グスト フラップブリーフ」(6万2640円)
上品なかぶせブリーフ。エンボスを吟味し、すっきりと引き締まった印象に。

(写真左)「エグゼクティブ ダレスバッグV」(11万8800円)
使いやすいサイズに仕上げたダレスバッグ。横から見たマチの美しさに惚れ惚れ

 
【GANZO(ガンゾ)】
コードバンのポテンシャルを最大限に引き出す実力ブランド
1917年から続く老舗皮革製品メーカー、AJIOKA.が展開する最高級ライン。時が経つほどに、使い込むほどに魅力を増す革製品を最上とし、素材選びから鞣し、裁断・漉は、世界最高水準との呼び声が高い。

(写真右上)「コンパクト札入れ」(4万6440円)
ボックス型の小銭入れが付いたコンパクトウォレット。外装はブライドルレザー。

(写真左上)「マチ無し長財布」(3万8880円)
外装にブライドルレザー、内装にオイルを含んだショルダーヌメを使用した札入れ。

(写真手前)「ラウンドファスナー長財布」(6万2640円)
水染めを施し、オイルフィニッシュを経たコードバンに、ソフトな牛ヌメ革を合わせた長財布。

 
【aviary(アニアリ)】
日本ブランドとは思えない艶のあるデザインが魅力
1997年設立。しなやかで軽く、色彩豊かな革を開発し、ディテールまでこだわったオリジナルの金具を使用しているのが特徴。これまでの日本ブランドとは一線を画す艶のあるデザインで、スタート直後から大きな話題に。プレーンなデザインでありながら機能的なバッグは、ジャパンメイドに裏打ちされた丁寧なものづくりによって完成する。

(写真右)「トート 01-02022」(5万2920円)
キメの細かいステアレザーを使用。手間と時間をかけてクローム鞣しを行い、ソフトな鏡面を創出。

(写真中央)「ブリーフ 20-01000」(4万6440円)
テキスタイルエンボスを施しながら、革の風合いと絶妙なシワ感、柔らかさを実現した新作。

(写真左)「ブリーフ 21-01001」(5万9400円)
タンニン鞣しのキップレザーを用いた、使い勝手の良い新作の大型ブリーフ

 

>> 【特集】CRAFTMANSHIP
本記事の内容はGoodsPress4月44-45ページに掲載されています
 

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(取材・文/津田昌宏 写真/宮前一喜 スタイリング/宇田川雄一)